岐阜市1day trip① 岐阜県美術館「大橋翠石展」

7月末に青春18きっぷを使って、日帰りで岐阜に行ってきました

今回の旅行の目的の1つは、岐阜県美術館です。
前回同様、今回もJR岐阜駅でレンタサイクルを借りて行ってきました

レンタサイクル代は以前は100円/日でしたが、300円に値上がりしてました。
それでも安いですけどね


岐阜県美術館では「明治の金メダリスト 大橋翠石 ~虎を極めた孤高の画家~」展('20.7.23~9.13まで。観覧料800円)が開催されています。
この展覧会は、今年(2020年)の4月に兵庫県立美術館で開催されるはずだったのですが、新型コロナの影響で中止になったのです。
ですが、チラシを見て、ぜひとも展覧会を観たいと思っていたら、岐阜県美術館で開催されるということで、いそいそと静かに出かけてきました。
この展覧会、良かった~!

大橋翠石(1865~1945)は、岐阜県大垣市出身の日本画家で、虎の絵で明治時代にパリ万博・セントルイス万博で連続して金メダルを受賞しています

今回の展覧会でも多数の虎の絵が展示されていましたが、さすがは「虎の翠石」と呼ばれるだけあり、すごくリアルです。
実際に絵が描けない私にはどうやって描いているのか表現できませんが、毛並みの描き方がものすごく緻密です


そして「目」。
トラの表情が絵ではなく、生きている顔なのです。
翠石の虎の絵の評価額は、横山大観や竹内栖鳳と並ぶ最高価格だったのも納得です。
ですが、ご本人はいたって謙虚で、絵の勇猛さとは違って穏やかでおとなしい人だったそうですよ。
若い時に両親や師匠をなくしたこともあったためか、ご自分の家族を大事にされており、娘さんの婚礼用の金屏風はものすごく丁寧に描かれており、観ているこちらまで親の心情が伝わるような気がして、少し胸が熱くなりました。

明治天皇への献上品の下絵や原図などからは、素晴らしいものを描かなければという緊張感のようなものも伝わりました。
生田神社の「雪中猛虎図屏風」は、ものすごい迫力で、阪神タイガースにもこれぐらいの気迫が欲しいものだと思いました(笑)。
母校の小学校から、子どもたちの手本となるような絵を描いてほしいと頼まれ、亡くなる前年に描かれた「大虎図」は、常にも増して丁寧に描かれていました。
80歳前後で、あれだけ細かく描くのはすごく大変だったと思います。
真面目で優しいお人柄だったことがわかります。

虎の絵以外にも、動物の絵も描いています。
こちらは、福田美術館所蔵の「仔猫之図」です。
昔の刺繍の原画みたいな、ちょっと洋風ですね。
誰かからのリクエストだったのかな?
翠石は、国内の大きな展覧会には出品せず、画壇とは一線を画して絵を描き続けていたみたいですが、誰かのために描くときは、一生懸命相手のことを考えて描いていたのではないかと思いました。
勇猛な虎の中にも、画家の人となりが感じられた展覧会でした


コレクション展の方は「ルドンと日本」展('20.5.19~8.23まで)が開催されていました(現在は終了)。
この美術館のルドンのコレクションは、質・量とも日本でも有数のコレクションで有名ですが、今回のテーマではルドンと同時代の画家の作品、日本の中でのルドンの受容、ルドンを参考にして日本人がどのような作品を作ったかをルドンの作品展示と一緒に展示されていました。
ルドンが一時期絶賛していたギュスターブ・モローの作品も見れてうれしい

水木しげるの目玉のおやじさんは、ルドンの「眼」を参考にしていたのですね。
知らなかった。
テーマについて全体的な解説が少なくて、ちょっとわかりにくかったですが、ルドンの作品をコレクション展で見れるのはうれしいです

この美術館は、森の中にあるような佇まいで気持ちが良いですし、大橋翠石展もコレクション展(今は「ルドン、西洋美術コレクションから」で、こちらも良さそう)も良く楽しかったです。
オススメの美術館です


岐阜県美術館
住所:岐阜市宇佐4-1-22 TEL:058-271-1313
開館時間:10時~18時、企画展開催時の第3金曜日は10時~21時(入場は各閉館の30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日代替休)、年末年始(12月28日~1月3日まで)

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