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美術館「えき」KYOTO 「神話の世界」展 

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 美術館「えき」KYOTOでは「西洋近代美術にみる神話の世界」展('19.10.18~11.17まで。入館料1000円)が開催されています。
 この展覧会、楽しみにしていたのですが、忙しくてやっと行けました。
 期待通り、めちゃ良かったです!

 1750年から1980年に活躍した画家で、神話や古代を主題にした作品を展示していたのですが、きれいな作品がいっぱい。
 とくにラファエル前派と重なる、フレデリック・レイトンやローレンス・アルマ=タデマ、エドワード・ジョン・ポインター、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスなどの作品が観れたのが良かったです。
 ヴィクトリア朝時代の美術はきれいなので大好きなのです

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 レイトンの「月桂冠を編む」(チラシ下段中央)は、月桂冠をかぶった少年のようにも見える少女が月桂冠を作っている姿が描かれています。
 つなぐ為の糸なのでしょうか、細い糸がピンと張られているですが、細く長い直線を均等な太さで描くのは難しいだろうなと思いました

 タデマの「お気に入りの詩人」(チラシ下段左端)は、横になっている女性の衣の色がもっとピンクできれいですし、窓の外の景色にピントがピタッとあってものすごくきれいな青なんですよ
 わずかな空間の描き込みなのに地中海の景色が見えました。
 それに背景の壁には、ギリシア神話の芸術の女神たちムーサのメダルが描かれていました。
 大理石の部分にサインを入れているのも粋ですよね

 ポインターの「世界の若かりし頃」は、女性がまとっている紫の薄絹、床のタイル、豹皮の敷物、蛇の蛇口など小物までものすごくリアルに描いています
 それにおしゃべりしている美人の女性たちの表情が良くて楽しそうですし、居眠りしている女性も含めて、リラックスした雰囲気が伝わってきて、作品自体がイキイキとした魅力を放っていました

 ウォーターハウスの「フローラ」は、晩年に近かったからか、女性の顔はきれいでしたが、その他の部分は少し粗い描き方が目立ちました。
 でもきれいでしたけどね。

 バルビソン派のミレーの「眠れるニンフとサテュロス」は珍しくヌードが描かれています。
 ミレーは生活が苦しくて一時期裸婦を描いていたそうです。
 ヌードといっても後ろ姿で、大きさもそんなに大きくないですけどね。
 それより、どんなに目をこらして見てもサテュロスがわかりませんでした。
 どこにいるのでしょう??

 黒田清輝をはじめ、多くの日本人画家を指導したラファエル・コランの「田園恋愛詩」は、逆に日本人が描いた西洋画のように見えました
  
 マリー・ローランサンの作品はパステル調の色がきれいな作品が揃ってましたし、ルドンやデュフィ、デルヴォーの作品などが揃っており良かったです

 良い絵はたくさんありましたが、ルノワールの「水のなかの裸婦」(チラシ下段右端)がピカイチでした。
 肌の色が神々しいぐらい光り輝いているのです
 うっとりと見惚れてしまうぐらい美しかったです

 図録は2301円です。
 神話をしっかり描いた作品から、神話から発想を飛躍させた作品までありましたが、元々神々をモチーフにしているのですから美しいのはある意味当然かもしれませんが、魅力的な作品が多かったです。
 芸術の秋らしく、芸術の女神ムーサに気に入られる展覧会だと思いました
 良かったですよ。

美術館「えき」KYOTO
 住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹7階隣接 TEL:075-352-1111(大代表)
 開館時間:10時~20時(入館は閉館の30分前まで)
 
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