東京 文化の日展覧会巡り①('17.11.3~11.4)
少し前の話になりますが、今年の文化の日に東京に行って展覧会巡りをしてきました。
本日(11/26)終了の展覧会や、もう終わった展覧会もありますが、2回に分けて記載しておきたいと思います。

東京国立博物館平成館で開催されている「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」展('17.9.26~11.26まで。観覧料1600円)です。
この展覧会は今回の旅行の最大目的の1つで、すごく楽しみにしていました。
運慶は鎌倉幕府の御用達仏師になり関東に移ったので、関東に運慶作の仏像がたくさんあり、その仏さまたちを今回見られると勝手に思っていたのですが、現存する運慶作、あるいはその可能性の高い仏像ってたった31体しかないのですね
今回の展覧会ではそのうちの22体が展示されていたのですが、関西のお寺の仏さまが結構多く、関西以外に在住の方には申し訳ないのですが、見慣れた作品が多くちょっと拍子抜けしました。
それでも展覧会は良かったですけどね

今年、奈良国立博物館では「快慶」展('17.4.8~6.4まで。観覧料1500円)が開催されていました。
運慶と快慶は、慶派の基礎を築いた康慶の兄弟弟子(運慶は康慶の息子)になりますが、2つの展覧会を観て2人の仏像の違いが少しわかったような気がします。
よく言われているのが快慶の静と運慶の動。
私もやっぱりそこが大きな違いかなと思いました。
快慶の仏像は穏やかで美しい

仏さまは永遠にそこにいらっしゃって、永遠の美をもってずっと私たちを優しく見守ってくださっていると感じます。
運慶の仏像は天部が多く、実際に助けに駆けつけてくださるようなアクティブさがあります

表情も豊かで、八大童子などは不遜にもかわいいと思ってしまうような親近感を感じます。
絶対的な存在として不動で見守ってくださる仏さまと、助けて欲しい時に加勢にきてくださる仏さま、人々の心にはどちらも必要です。
運慶、快慶2人揃って慶派なのだなと2つの展覧会を観て思いました
運慶展の話に戻りますが、この展覧会で観れて良かったなと思ったのが、海住山寺の四天王立像です。
このお寺は車がないと非常に行きにくい場所にあり(結構きつい坂道をずっと上っていかないといけない。おまけにバスの便が少ない)、以前行った時は特別拝観時しか観れないことを知らなくて、せっかく苦労して行ったのに建物しか見れなかったという苦い思い出があったのですが、まさかここでお目にかかれるとは思いませんでした。
小さいですが色がすごくきれいで、このサイズで玉眼が入っておりスゴイ!と感動しました

他にも美しく生き生きした仏像がたくさんあり、やっぱり慶派の仏像は好きだなと思えた展覧会でした

東博の表慶館で開催されている「フランス人間国宝展」('17.9.12~11.26まで。観覧料1400円)も観てきました。
日本の人間国宝にならい、フランスでも「メートル・ダール」という称号が1994年につくられたそうで、13人のフランス版人間国宝さんと2人の次期人間国宝さんの作品を紹介する展覧会です。
ジャンルは陶芸や各細工物など様々ですが、私が良いなぁと思ったのはミシェル・ウルトーさんの傘です。
実用品ではないのが多かったのですが、どれもかわいいのです。
見ているだけで楽しくなりました
ジャン・ジレルさんの天目茶碗がずらっと並べてあったのも壮観でした。
フランスの伝統工芸も日本の工芸と似ていて、どこの国でも伝統工芸品には美の共通項があるのだろうなと思えた展覧会でした
東博ではこの他に、本館、法隆寺宝物館と東洋館にも行きました。
法隆寺宝物館と東洋館は初めて行ったのですが、法隆寺の宝物がこんなにたくさん東京に移されていたとは知らずびっくりしました
でもきれいに整理され展示されていたので、法隆寺に置いておくよりかえって良かったかもと思いました
東洋館ではカンボジアのクメールの彫刻が良いなと思いました。
本館は時間の関係でざっと見ただけで終わりました。
すごいコレクションが並んでいたのにもったいなかったです
東京藝術大学大学美術館にも行きました。
「東京藝術大学創立130周年記念特別展 皇室の彩 百年前の文化プロジェクト」展('17.10.28~11.26まで。観覧料1000円)が開催されています。
この展覧会は大正から昭和初期に皇室に献上された美術工芸品を紹介していますが、どれも素晴らしく美しくて良かった~!

やっぱり皇室に献上することを意識してつくるということは、自分の持てる技術を最大限に引き出して制作されるので、出来栄えがすごいですね。
なんか感嘆のためいきしかでませんでした。
あまりにどれも素晴らしすぎて感想も書けないのですが、どれか1つ好きなものを選べと言われれば津田信夫(つだ しのぶ)さんの「鋳金飾壺 銀象嵌文様」ですかね。
黒く丸みのある八角形のボディに金の蓋がすごく素敵でした
皇室への献上品ということで、最高の技術をもってつくられたということはもちろんですが、それ以上の作家の想いが伝わるような展覧会でした。
良かったです


同じく藝大美術館で「菅野健一 退任記念展」('17.11.3~11.12まで。入場無料)が開催されていたので見てきました。
私は存じ上げないのですが、藝大の工芸科染織の先生みたいで、きれいな布からちょっと不思議な生き物をつくられていました。

部屋にいろんな生き物がワイワイ楽しく集っているようで、部屋に入った私たちをも迎えてくれるような感じです。
なんとなく楽しかったです
藝大美術館の皇室の彩展と東博のフランス人間国宝展は最終日の今日(11/26)は17時までですが、運慶展は21時までみたいです。
運慶展は私が行った時も入場制限がありましたし、混雑しているかもしれませんがオススメの展覧会ですよ
東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9 TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時半~17時(入館は30分前まで。毎週金・土曜日、11/2は21時まで開館。時期により開館時間の変更あり)
休館日:月曜(ただし月曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌火曜日に休館、GW期間とお盆期間中(8月13日~8月15日)は、原則として無休)、年末年始(12月26日~1月1日。毎年変動あり)
東京藝術大学大学美術館
住所:東京都台東区上野公園12-8 電話:050-5525-2200(代表)
開館時間:9時半~17時(入館は16時半まで。展覧会により開館時間の延長あり。)
休館日:展覧会の開催会期以外は閉館。展覧会中は基本月曜休館)
本日(11/26)終了の展覧会や、もう終わった展覧会もありますが、2回に分けて記載しておきたいと思います。

東京国立博物館平成館で開催されている「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」展('17.9.26~11.26まで。観覧料1600円)です。
この展覧会は今回の旅行の最大目的の1つで、すごく楽しみにしていました。


運慶は鎌倉幕府の御用達仏師になり関東に移ったので、関東に運慶作の仏像がたくさんあり、その仏さまたちを今回見られると勝手に思っていたのですが、現存する運慶作、あるいはその可能性の高い仏像ってたった31体しかないのですね

今回の展覧会ではそのうちの22体が展示されていたのですが、関西のお寺の仏さまが結構多く、関西以外に在住の方には申し訳ないのですが、見慣れた作品が多くちょっと拍子抜けしました。
それでも展覧会は良かったですけどね



今年、奈良国立博物館では「快慶」展('17.4.8~6.4まで。観覧料1500円)が開催されていました。
運慶と快慶は、慶派の基礎を築いた康慶の兄弟弟子(運慶は康慶の息子)になりますが、2つの展覧会を観て2人の仏像の違いが少しわかったような気がします。
よく言われているのが快慶の静と運慶の動。
私もやっぱりそこが大きな違いかなと思いました。
快慶の仏像は穏やかで美しい


仏さまは永遠にそこにいらっしゃって、永遠の美をもってずっと私たちを優しく見守ってくださっていると感じます。
運慶の仏像は天部が多く、実際に助けに駆けつけてくださるようなアクティブさがあります


表情も豊かで、八大童子などは不遜にもかわいいと思ってしまうような親近感を感じます。
絶対的な存在として不動で見守ってくださる仏さまと、助けて欲しい時に加勢にきてくださる仏さま、人々の心にはどちらも必要です。
運慶、快慶2人揃って慶派なのだなと2つの展覧会を観て思いました

運慶展の話に戻りますが、この展覧会で観れて良かったなと思ったのが、海住山寺の四天王立像です。
このお寺は車がないと非常に行きにくい場所にあり(結構きつい坂道をずっと上っていかないといけない。おまけにバスの便が少ない)、以前行った時は特別拝観時しか観れないことを知らなくて、せっかく苦労して行ったのに建物しか見れなかったという苦い思い出があったのですが、まさかここでお目にかかれるとは思いませんでした。
小さいですが色がすごくきれいで、このサイズで玉眼が入っておりスゴイ!と感動しました


他にも美しく生き生きした仏像がたくさんあり、やっぱり慶派の仏像は好きだなと思えた展覧会でした



東博の表慶館で開催されている「フランス人間国宝展」('17.9.12~11.26まで。観覧料1400円)も観てきました。
日本の人間国宝にならい、フランスでも「メートル・ダール」という称号が1994年につくられたそうで、13人のフランス版人間国宝さんと2人の次期人間国宝さんの作品を紹介する展覧会です。
ジャンルは陶芸や各細工物など様々ですが、私が良いなぁと思ったのはミシェル・ウルトーさんの傘です。
実用品ではないのが多かったのですが、どれもかわいいのです。
見ているだけで楽しくなりました

ジャン・ジレルさんの天目茶碗がずらっと並べてあったのも壮観でした。
フランスの伝統工芸も日本の工芸と似ていて、どこの国でも伝統工芸品には美の共通項があるのだろうなと思えた展覧会でした

東博ではこの他に、本館、法隆寺宝物館と東洋館にも行きました。
法隆寺宝物館と東洋館は初めて行ったのですが、法隆寺の宝物がこんなにたくさん東京に移されていたとは知らずびっくりしました

でもきれいに整理され展示されていたので、法隆寺に置いておくよりかえって良かったかもと思いました

東洋館ではカンボジアのクメールの彫刻が良いなと思いました。
本館は時間の関係でざっと見ただけで終わりました。
すごいコレクションが並んでいたのにもったいなかったです



東京藝術大学大学美術館にも行きました。
「東京藝術大学創立130周年記念特別展 皇室の彩 百年前の文化プロジェクト」展('17.10.28~11.26まで。観覧料1000円)が開催されています。
この展覧会は大正から昭和初期に皇室に献上された美術工芸品を紹介していますが、どれも素晴らしく美しくて良かった~!


やっぱり皇室に献上することを意識してつくるということは、自分の持てる技術を最大限に引き出して制作されるので、出来栄えがすごいですね。
なんか感嘆のためいきしかでませんでした。
あまりにどれも素晴らしすぎて感想も書けないのですが、どれか1つ好きなものを選べと言われれば津田信夫(つだ しのぶ)さんの「鋳金飾壺 銀象嵌文様」ですかね。
黒く丸みのある八角形のボディに金の蓋がすごく素敵でした

皇室への献上品ということで、最高の技術をもってつくられたということはもちろんですが、それ以上の作家の想いが伝わるような展覧会でした。
良かったです




同じく藝大美術館で「菅野健一 退任記念展」('17.11.3~11.12まで。入場無料)が開催されていたので見てきました。
私は存じ上げないのですが、藝大の工芸科染織の先生みたいで、きれいな布からちょっと不思議な生き物をつくられていました。

部屋にいろんな生き物がワイワイ楽しく集っているようで、部屋に入った私たちをも迎えてくれるような感じです。
なんとなく楽しかったです

藝大美術館の皇室の彩展と東博のフランス人間国宝展は最終日の今日(11/26)は17時までですが、運慶展は21時までみたいです。
運慶展は私が行った時も入場制限がありましたし、混雑しているかもしれませんがオススメの展覧会ですよ

東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9 TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時半~17時(入館は30分前まで。毎週金・土曜日、11/2は21時まで開館。時期により開館時間の変更あり)
休館日:月曜(ただし月曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌火曜日に休館、GW期間とお盆期間中(8月13日~8月15日)は、原則として無休)、年末年始(12月26日~1月1日。毎年変動あり)
東京藝術大学大学美術館
住所:東京都台東区上野公園12-8 電話:050-5525-2200(代表)
開館時間:9時半~17時(入館は16時半まで。展覧会により開館時間の延長あり。)
休館日:展覧会の開催会期以外は閉館。展覧会中は基本月曜休館)
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