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奈良県立美術館 「不染 鉄」展

 またまた遅くなってしまいましたが、11/5で会期終了の展覧会が良かったので、少しだけ紹介しておきます。

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 奈良県立美術館で開催されているのは、「没後40年 幻の画家 不染鉄」展('17.9.9~11.5まで。観覧料800円)です。
 この展覧会、ものすごく良かったです。
 私は不染 鉄(ふせん てつ)という画家のことを全く知らなかったのですが、展覧会を観て、これほどの画家がなぜ今まで無名といえるほど知られていなかったのか信じられない気持ちになりました。

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 この画家の絵は没線描法といって、輪郭を線で明瞭に描き表さない技法で描かれているのですが、すごくきれいな形が見えるのです。
 色調も明度が高いのか、優しく明るい印象を受けます。
 天賦の才と共に高い技術の持ち主だったことが素人目にもわかります。
 私は海の水(波)の表現に感嘆しました(右チラシの右端「南海之図」参照)。
 
 それにこの画家は「字」も好きで、自分の気持ちを絵の中にいっぱい書いています。
 その絵と文章を読んでいると、寂しさが感じられ切なくなります。
 でも、その感情は切々と訴えるものではなく、優しく穏やかであるため、古傷をそっと触れられるようなセンチメンタルな気持ちに私はなりました。

 図録は2500円です。
 
 ただ美しいというだけでなく、心にそっとささやきかけられるような展覧会でした。
 この展覧会は今日(11/5)までですが、正倉院展の帰りにはぜひ観ていただきたいです。
 私が今年度観た展覧会の中でもかなり上位に入ります。
 オススメですよ。

奈良県立美術館
 住所:奈良市登大路町10-6 TEL:0742-23-3968 
 開館時間:9時~17時(金・土は19時まで。入館は各閉館の30分前まで)
 休館日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始(12/28~1/4)、展示替え期間
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知らなかった

初め、‘ふぞめてつ‘と読んでしまい、なんか染料?絵の具の一種かと思ったらお名前やったんですね。
サライでも特集されていたのですね。

山の麓の小さい何か?色々が気になります。
きっと細かく描かれているのでしょうね。
グーグルの画像検索で見ましたが、黄色?黄金色?稲穂っぽい色がとても温かみを感じますね。
秋に合う絵が多いような~

知らない画家さんて、たくさんいらっしゃるんですね~
何でも勉強です。

私も知りませんでした。

hirorinさん、こんにちは。
私もはじめ名前とは知らず、染織の展覧会だと思いました(笑)。

サライでも特集を組まれてたのですね。
知りませんでした。
名前を知らなくても、一度見れば惹かれる絵です。

おっしゃるとおり温かみのある絵で、秋でも春でも合いそうです。
日本に合うのでしょうね。

今後はどこかで観る機会が増えるかもしれません。
楽しみです。

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Ms.れでぃ

Author:Ms.れでぃ
主に関西で開催されている展覧会を観に行っています。
ゆるゆる感想を書いていきたいと思います。
ローカルネタになりますが、訪問していただけるとうれしいです。

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