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岐阜県美術館 「パスキン」展

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 パスキン展、いろんなところを巡回するのになぜか大阪や京都、神戸には来ないみたいなので、青春18切符を使って日帰りで岐阜に行ってきました

 岐阜駅でレンタサイクルを借りてまわってきたのですが、レンタサイクル代が1日100円!
 安い!
 自転車を貸してくれるレンタサイクルポートは数ヶ所あり、場所により営業時間が違うのですが、私たちが借りたJR岐阜駅南口駐車場横は9時~19時まで(12月~2月までは9時~18時)でした。
 道も広いですし、今回まわったところは坂もなく、レンタサイクルが便利で快適でしたよ

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 岐阜駅周辺って今まで来たことがなく、今回初めての訪問です。
 美術館の近くには、こんなかわいいベンチがありました

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 岐阜県美術館は、県民文化の森の一画にあるのですが、緑が美しく気持ち良い場所ですね~。
 散歩するだけでも晴れ晴れしそうです

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 今回の展覧会は「パスキン 生誕130周年記念 エコール・ド・パリ、愛と旅の詩人」展('14.7.8~8.24まで。観覧料1100円)です。

 この展覧会、良かったですよ~

 パスキンは、ブルガリア生まれのユダヤ人で、若い頃から素描家として評価を得た後パリに移住して油彩画に取り組み、エコール・ド・パリの時代に活躍した画家です。

 パスキンの作品は色が美しい
 パステル調の淡い色彩が複雑に折り重なって深みがあるのに透明感があるのです。
 塗り方が薄いので、色を重ねても暗くならないのでしょうか。
 軽やかなタッチに淡い色彩は真珠のような透明感があり、とくに肌は「真珠母色」と呼ばれていました。

 色遣いや形など、同時代の藤田嗣治やマリー・ローランサン、モディリアーニと似ているところがあります。 
 彼らとも交流があったようなので、お互いが影響しあっていたのでしょうね。

 題材は少女を描いた作品が多いのですが、同じく少女を描いたバルテュス(今、京都で展覧会開催中。そのうち感想を書きます)の作品とは受ける印象が全然違いますね。
 色が柔らかいとエロティズムも薄らぐというか。
 パスキンとバルテュスを両端に置くとすると、間に位置するのはエゴン・シーレでしょうか。
 シーレはややバルテュスよりかな

 「モンパルナスの王子」と呼ばれ華やかに過ごしていたように見えるパスキンですが、アルコールや薬物に溺れ、鬱病を患い、不倫の恋人であったリュシーとの関係も悪化し、45歳の時に自殺して亡くなりました。
 リュシーに宛てた最後のハガキが展示されていたのですが、「アデュー(ADIEU:さよなら)!、アデュー!」と2回大きく書いてあったのが印象的でした。

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 虹色の少女たちからは、パスキンの苦悩は伝わってきません。
 色の偉大さを感じた展覧会でした

 図録は2100円でした。

 岐阜県美術館での展覧会は今日(8/24)までですが、この後、北海道立釧路芸術館('14.9.5~10.19)、熊本県立美術館('14.10.30~'15.1.12)、パナソニック汐留ミュージアム('15.1.17~3.29)に巡回するみたいです。
 お近くの方は行ってみてくださいね。
 オススメです

 パスキン展の後、常設展も観たのですが、岐阜県美術館は常設展もすごい!
 特別展にあわせて常設展もエコール・ド・パリの作品が展示されており、そこに藤田嗣治の作品が6点も展示されていたのがうれしかったです。
 中でも「猫」が良かったです
 藤田は絵の中に猫を登場させることは多いですが、この作品は寝ている猫でめちゃかわいかったです。
 「夢」という作品ではトラがかわいかったですしね

 この美術館は、ルドンのコレクションも充実していました
 有名な「眼をとじて」(油彩)は、ここの所蔵だったのですね。
 リトグラフでは、「眼をとじて」や「パルジファル」がよく知られていますが、「とらわれのペガサス」はすごく情緒的でしたし、「ブリュンヒルデ(神々の黄昏)」はカッコイイ!
 ルドンの花の絵は大好きなのですが、パステル画の「青い花瓶の花々」もきれいでした。
 でも、今回一番気に入ったのは「ポール・ゴビヤールの肖像」です。
 少し憂い顔にも見える女性の肖像画なのですが、美しい
 惹きつけられました。
 思いがけずルドンの作品をたくさん観れて良かったです
 
 日本人では山本芳翠の作品が7点展示されていました。
 有名な「浦島図」もこの美術館蔵だったのですね。
 「若い娘の肖像」、「裸婦」、「婦人像」、どれも美しかったです
 とくに「裸婦」はラファエロ前派のようで、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」のように草木の部分の描きこみも細かかったです。

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 いや~、パスキン展も常設展も良かったです
 岐阜まで行った甲斐がありました。
 近所だったらしょっちゅう行きたい美術館でした。
 いえ、ぜひまた行きます

岐阜県美術館
 住所:岐阜市宇佐4-1-22 TEL:058-271-1313
 開館時間:10時~18時、企画展開催時の第3金曜日は10時~21時(入場は各閉館の30分前まで)
 休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日代替休)、年末年始(12月28日~1月3日まで)

ぎふ・まちなかレンタサイクル
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パスキン、知らなかったです。
でもきれいな絵を描かれるのですね。
藤田嗣治やマリーローランサンの影響もあるのですか。
この少女の肌の色はそんな感じもしますね。
そして結構太ももがむっちりで、生命力感じます。

岐阜県美術館、チャリで行けました?
私、息子が中学生の時に「ユトリロ展」を電車で行ってそこからわからへんから、タクシーで行ったんですよ。

岐阜駅はちょいちょい私も出没するのです。
金華山は、去年の春に行ったかしら?
商店街においしい和菓子屋さんもありました。

そうですよお~
山本芳翠の「浦島図」はここの所蔵。
私、あの絵大好きなんです。
ちょっと怪しい感じもするし~

駅前のビジホは、泊まらなくても日帰り温泉できるしいいところですよね。

パスキン、色がすごくきれいなんです。
結構、若い頃から画家として成功しているので、どちらかといえば藤田より先輩格かも。
でも、仲が良かったみたいですので、お互い影響しあっていたと思います。

パスキンの少女は、おっしゃるとおり少しポチャっとしている方が多かったです。
ダイエット前の「少女」が好きだったのかもしれませんね(笑)。

hirorinさんは岐阜によく行かれるのですか。
美術館には駅から自転車で行きました。
駅から10~15分ぐらい。
その後、そのまま金華山にも行きました。
その記事は、またおいおい書きたいと思います。

山本芳翠の「浦島図」、ここの所蔵品だとは知りませんでした。
何回も観ているのですが、違う美術館でばかり見ています。
確かに妖しい美がありますよね。
私も好きな作品です。

商店街に美味しい和菓子屋さんがあるのですか?
なんというお店のどんなお菓子がオススメですか?
行く前にhirorinさんから情報を聞いとけばよかったです。

私はツバメヤというお店の和菓子と赤鰐というお店のかき氷を楽しみにしていたのですが、どちらも時間に間に合わず売り切れ終了していました。
残念!
次回はどちらにも行きたいのですが、とくに赤鰐はいつも行列しているみたいなので、タイトなスケジュールで行動している私達に並ぶ時間的余裕があるかどうか。
ビジホの日帰り温泉も魅力的ですね。
でも、動き回った後なので、温泉に入ったら心地よい疲れが一気に出て、帰れなくなりそう(笑)。

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主に関西で開催されている展覧会を観に行っています。
ゆるゆる感想を書いていきたいと思います。
ローカルネタになりますが、訪問していただけるとうれしいです。

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