大阪歴史博物館 「上方の浮世絵」展

会期終了間近の展覧会がまだありますので、このまま展覧会の記事を続けさせていただきますね。
今回紹介するのは、大阪歴史博物館で開催されている「上方の浮世絵-大阪・京都の粋と技-」展('14.4.19~6.1まで。観覧料1000円)です。
この展覧会、期待以上に良かったです

前・後期に分かれていると知らなかったので後期しか観てないのですが、前期も行けばよかったと激しく後悔しています。

会場に入ってすぐのところに、西川祐信の「四季風俗図巻」(チラシ右上)が展示されています。
これが保存状態がすごく良くて、色が美しい!


それに、当時の娯楽の様子が伺えます。
そしてしばらくは紙に墨で描いた本の挿絵が数点展示されているのですが、浮世絵の展示になると、色が江戸の浮世絵とは全然違います。
上方浮世絵の方が圧倒的に色の種類が豊富で豪華です。
金や銀色も使われているのですよ。
天保の改革で倹約令がでて、江戸では浮世絵や歌舞伎など娯楽に制限がかけられましたが、上方ではそれほど厳しくなかったのでしょうね。
今回の展覧会では役者絵が多かったのですが、顔の表情も江戸の浮世絵とは描き方が違うように思います。
上方の方が、白目と黒目がはっきりしていて目が大きい。
役者さんの顔に似せてあるように思います。
イケメンというより男前と言った方がピッタリくるような粋な役者絵が揃っていて、これも良い、あれも好きとご機嫌で観れました

版の大きさも、江戸は大判が多いのですが、上方は小さめ中判サイズが多いように思いましたね。
「~であるように思います」というような不確かな表現が多いのは、上方浮世絵はまだあまり造詣が深くなくてよく知らないからです。
でも、大阪に上方浮世絵館がありますし、今までにも何回か上方浮世絵展を観ていますので、少しずつ積み重ねはしているのですけどまだ絵師の名前すらピンとこない。
上方浮世絵は、絵師の個性の強調より、役者に似せる方を優先しているからかなと言い訳してみたりして(笑)。
本当は絵師の特徴がすごくあって、見慣れていくと上方浮世絵でもこの絵は誰々の作!とすぐにわかるようになるかもしれないのですけどね


役者絵といえば、今回のチラシになっているのが、「四代目中村歌右衛門の業平」なのですが、これは7枚セットの中の1枚です。
私は同セットの中では「越後獅子」が、ポーズが円を描いているようで気に入りました。
7変化を1枚の中に描きこむなんて、面白い発想ですよね。
先日、北斎展で見た組み立て式の浮世絵もありましたよ。
6枚セットで、北斎展のものより更に凝ってました。
今回の展覧会は、全体的に豪華で凝っている作品が多く、富裕層向けに作られた浮世絵だなという印象を受けました。
図録は2300円です。
ちょっと高かったですが、前期を見逃したので図録を買って家で楽しみます

スッキリした男前の浮世絵がたくさん観れる展覧会で楽しかったです。
良かったですよ


建物の外には、難波宮の跡に造られた高床式倉庫の復元がありました。
6/21からは難波宮展が催されるみたいです。
大阪歴史博物館
住所:大阪市中央区大手前4-1-32 TEL:06-6946-5728
開館時間:9時半~17時(金曜は20時まで) 休館日:火曜、年末年始(12月28日~1月4日)
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