星星會展-日本画の伝統と未来へ
姫路の記事の続きを書かなければならないのですが、展覧会は期限がありますのでちょっと先にいくつか紹介させていただきますね

「星星會展-日本画の伝統と未来へ」展(広島県立美術館、'14.4.17~5.25まで。観覧料800円)です。
私は3月に京都文化博物館に巡回してきた時に観たのですが、観たのが会期終了ぎりぎりだったため、ブログ記事が間に合いませんでした。
ですがすごく良かったので、広島県立美術館の会期終了までにということで今回の紹介です。
星星會(せいせいかい)とは、下田義寛さん、竹内浩一さん、田淵俊夫さん、牧進さんの4人の画家で構成された日本画のグループです。
グループ名は、日本画家の故高山辰雄さんが、「小さな星でも切磋琢磨によって大きな星として輝くようになる」、夜空の星々のように4人が一人一人光を放つ画家であるようにという願いを込めて「星星會」と命名されたそうです。
隔年で展覧会を開き、第5回展の開催をもってグループでの活動に終止符を打つことがあらかじめ決められての活動だったみたいで、第5回展は昨年(2013年)に終了し、今回は今までの星星會展の作品を一堂に会した展覧会となっています。
もうどの作品もうっとりするほど美しい!


画家ごとに作品は展示されていました。
チラシの右から順番で、下田義寛さんは郷倉千靱(ごうくらせんじん)さんに師事されたそうです。
山の作品があったのですが、山の雄大さに対する敬意が伝わってくるような気がしました。
なんか清々しさと潔さが感じられる作品の数々でした
竹内浩一さんは、1999年に開催された「心の風と音・竹内浩一展」で私は初めて作品を観て、いっぺんで心を掴まれた画家です
その展覧会以来、この画家の作品が展示されている展覧会は、小さな展覧会であっても行くようにしています。
竹内さんの作品は動物を描いた絵が多いのですが、その絵がどれも優しい
この画家の師匠は山口華楊さんです。
私は華楊さんも大好きで、竹内さんがお弟子さんだと知った時は得心がいったのを覚えています
今回の作品では、ニホンザルを主題にした「鼓」が心に残りました。
静かで、自然な落ち着きのある猿の表情に、なぜかうちのニャンコがくつろぎながら無心に手で顔を洗っている表情と重なりました。
私はその仕草をそばで見ているとほっこり和むのです。
それと同じように、竹内さんの作品には心を鎮めて、気持ちを明るい方に向かせる作用があると私は思います
実は、私が展覧会を観に行ったとき、竹内さんが会場にいらっしゃったのです。
他の人と歓談されていたのですが、ものすごく考え悩んだのですが私もせっかくのチャンスなので一人になられた時、思い切ってファンですと話しかけました。
もう緊張しまくって、心臓をバクバクさせて、何を話していいかもわからずの無謀な勇気です。
その時に聞いたことは画題についてです。
先生は、タイトルを付けてから絵を描くのですと答えられたと思います。
というのも、あまりに緊張しすぎて記憶が曖昧になってしまって(苦笑)。
いいおばさんが何をしどろもどろに聞いているのかと不審に思われたでしょうが、絵と同じように優しい方でした
竹内先生、見知らぬ人間にも親切に応対してくださってありがとうございました
田淵俊夫さんの作品は、智積院の襖絵が完成した時、奉納される前に展覧会でお披露目された時に観に行ったことがあります。
墨絵なのに淡い色が感じられる絵でした。
今回も落ち着いた非常に美しい作品ばかりです。
田淵さんは平山郁夫さんのお弟子さんだそうですが、「好日」などの作品を観ていると、確かに平山さんが感じられます。
平山さんも私は大好きなので、なんだかうれしくなりました
「緑萌ゆ」や「春もよい」も色使いがすごくきれいです。
でも、今回の田淵さんの作品の中で気に入ったのは「緑溢れる頃」です。
1本の木から芽がたくさんでて大木となっている墨絵の作品です。
この作品は第1回の星星會展に出品されたそうですが、高山辰雄さんの願いどおりの絵のように思いました
最後に紹介するのは牧進さんです。
この画家さんは川端龍子のお弟子さんだそうで、師匠と同じように、作品に人の目を惹きつける力があります
「美麗相愛」なんて、黒地に羽を広げた金の孔雀ですよ。
渋みのある豪華さです。
「春驟雨」も渋い美しさだったなぁ。
枯れ草でさえ輝きを放っています。
インパクトのある強い作品ばかりでした
最近では平山郁夫さんが数年前に亡くなって寂しいなと思っていたのですが、今回の展覧会を観て、偉大な師匠たちの意思や作風が脈々と受け継がれているのを感じました。
このグループでの活動は終了しましたが、またその意思を継ぐ新たなる画家やグループが誕生するのでしょう。
連綿と受け継がれてきた日本画の伝統は、これからも未来へと続くのだと確信できた展覧会でした
図録は2000円です。
広島県立美術館での展覧会が星星會展最後の巡回になります。
5/25までですので、広島県立美術館に行ける日本画好きの方はお見逃しなく

オススメですよ。
広島県立美術館
住所:広島市中区上幟町2-22 TEL:082-221-6246
開館時間:9時~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜、年末年始


「星星會展-日本画の伝統と未来へ」展(広島県立美術館、'14.4.17~5.25まで。観覧料800円)です。
私は3月に京都文化博物館に巡回してきた時に観たのですが、観たのが会期終了ぎりぎりだったため、ブログ記事が間に合いませんでした。
ですがすごく良かったので、広島県立美術館の会期終了までにということで今回の紹介です。

星星會(せいせいかい)とは、下田義寛さん、竹内浩一さん、田淵俊夫さん、牧進さんの4人の画家で構成された日本画のグループです。
グループ名は、日本画家の故高山辰雄さんが、「小さな星でも切磋琢磨によって大きな星として輝くようになる」、夜空の星々のように4人が一人一人光を放つ画家であるようにという願いを込めて「星星會」と命名されたそうです。
隔年で展覧会を開き、第5回展の開催をもってグループでの活動に終止符を打つことがあらかじめ決められての活動だったみたいで、第5回展は昨年(2013年)に終了し、今回は今までの星星會展の作品を一堂に会した展覧会となっています。
もうどの作品もうっとりするほど美しい!



画家ごとに作品は展示されていました。
チラシの右から順番で、下田義寛さんは郷倉千靱(ごうくらせんじん)さんに師事されたそうです。
山の作品があったのですが、山の雄大さに対する敬意が伝わってくるような気がしました。
なんか清々しさと潔さが感じられる作品の数々でした

竹内浩一さんは、1999年に開催された「心の風と音・竹内浩一展」で私は初めて作品を観て、いっぺんで心を掴まれた画家です

その展覧会以来、この画家の作品が展示されている展覧会は、小さな展覧会であっても行くようにしています。
竹内さんの作品は動物を描いた絵が多いのですが、その絵がどれも優しい

この画家の師匠は山口華楊さんです。
私は華楊さんも大好きで、竹内さんがお弟子さんだと知った時は得心がいったのを覚えています

今回の作品では、ニホンザルを主題にした「鼓」が心に残りました。
静かで、自然な落ち着きのある猿の表情に、なぜかうちのニャンコがくつろぎながら無心に手で顔を洗っている表情と重なりました。
私はその仕草をそばで見ているとほっこり和むのです。
それと同じように、竹内さんの作品には心を鎮めて、気持ちを明るい方に向かせる作用があると私は思います

実は、私が展覧会を観に行ったとき、竹内さんが会場にいらっしゃったのです。
他の人と歓談されていたのですが、ものすごく考え悩んだのですが私もせっかくのチャンスなので一人になられた時、思い切ってファンですと話しかけました。
もう緊張しまくって、心臓をバクバクさせて、何を話していいかもわからずの無謀な勇気です。
その時に聞いたことは画題についてです。
先生は、タイトルを付けてから絵を描くのですと答えられたと思います。
というのも、あまりに緊張しすぎて記憶が曖昧になってしまって(苦笑)。
いいおばさんが何をしどろもどろに聞いているのかと不審に思われたでしょうが、絵と同じように優しい方でした

竹内先生、見知らぬ人間にも親切に応対してくださってありがとうございました

田淵俊夫さんの作品は、智積院の襖絵が完成した時、奉納される前に展覧会でお披露目された時に観に行ったことがあります。
墨絵なのに淡い色が感じられる絵でした。
今回も落ち着いた非常に美しい作品ばかりです。
田淵さんは平山郁夫さんのお弟子さんだそうですが、「好日」などの作品を観ていると、確かに平山さんが感じられます。
平山さんも私は大好きなので、なんだかうれしくなりました

「緑萌ゆ」や「春もよい」も色使いがすごくきれいです。
でも、今回の田淵さんの作品の中で気に入ったのは「緑溢れる頃」です。
1本の木から芽がたくさんでて大木となっている墨絵の作品です。
この作品は第1回の星星會展に出品されたそうですが、高山辰雄さんの願いどおりの絵のように思いました

最後に紹介するのは牧進さんです。
この画家さんは川端龍子のお弟子さんだそうで、師匠と同じように、作品に人の目を惹きつける力があります

「美麗相愛」なんて、黒地に羽を広げた金の孔雀ですよ。
渋みのある豪華さです。
「春驟雨」も渋い美しさだったなぁ。
枯れ草でさえ輝きを放っています。
インパクトのある強い作品ばかりでした

最近では平山郁夫さんが数年前に亡くなって寂しいなと思っていたのですが、今回の展覧会を観て、偉大な師匠たちの意思や作風が脈々と受け継がれているのを感じました。
このグループでの活動は終了しましたが、またその意思を継ぐ新たなる画家やグループが誕生するのでしょう。
連綿と受け継がれてきた日本画の伝統は、これからも未来へと続くのだと確信できた展覧会でした

図録は2000円です。
広島県立美術館での展覧会が星星會展最後の巡回になります。
5/25までですので、広島県立美術館に行ける日本画好きの方はお見逃しなく


オススメですよ。
広島県立美術館
住所:広島市中区上幟町2-22 TEL:082-221-6246
開館時間:9時~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜、年末年始
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