大阪市立美術館 「ボストン美術館 日本美術の至宝」展

大阪市立美術館で開催されている「ボストン美術館 日本美術の至宝」展('13.4.2~6.16まで。観覧料1500円)、長い期間開催されていましたがとうとう今日(6/16)で終了です。
皆さんはもう観られましたか?
観られた方も多いと思いますが、この展覧会、良かったですよね~

と思ったのと同時に、日本の優れた美術品がこんなにもアメリカに流出していたのかという少々イタイ驚きを感じました。
だって日本の国立博物館の所蔵品クラスの美術品ばかりなんですもの。
最初は仏画や仏像コーナーから始まるのですが、「美術品」という観点からコレクションされたためか、状態の良い美しいのが多かったように思います。
「普賢延命菩薩像」という仏画は、普賢菩薩さまも美しいのですが、下の白象がエキゾチックで艶っぽい。
「馬頭観音菩薩像」の仏画も、迫力があって良かったな。
快慶作の「弥勒菩薩立像」はどこから見ても美しいのですが、私のイチオシは康俊作「僧形八幡神坐像」です。
落ち着いた雰囲気を湛えた静かな神像ですが、ものすごく目力があるというか、見ていると射すくめられる気がして思わず目を外したくなりました。
慈悲の仏に対して厳しさの神という感じでしょうか。
次のコーナーは、「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻」の「三条殿夜討巻」です。
吉備大臣絵巻の方は、以前、奈良国立博物館でも観ているので、今回も面白いなと思っただけであまり感慨はなかったのですが、平治物語絵巻の方は、昨年、NHKの大河ドラマの「平清盛」を見ていたので、藤原信頼が三条殿を襲撃した様子を興味深く見ることができました。
後白河上皇らの混乱ぶりと戦いの様子がリアルで、迫力のある絵巻でした。
3章は中世や初期狩野派、4章は近世絵画のコーナーになります。
狩野派の基礎を築いた狩野元信の作品から狩野永徳・探幽、京に残り京狩野派を受け継いだ狩野山雪・永納、狩野派以外でも長谷川等伯、伊藤若冲など大物の作品がずらりと並んでいます。
もう目が星みたいにキラキラになりました(笑)。
どれも良かったのですが、私が気になったのは曽我二直庵の「鷲鳥図屏風」です。
なんか外国の貴族を連想させる鷲なんです。
チェックしてみてくださいね

それから、宗達派の「芥子図屏風」も余白が美しく、今回の展覧会の中でお気に入りの一枚になった作品です。
琳派といえば、尾形光琳の「松島図屏風」も、これ、本当に18世紀前半の作品!?と思ってしまうほどデザイン的な作品です。
本当は現代の作品なんじゃないんですかね(笑)。
光琳には本当に驚かされてしまいます


最後のコーナーは、曽我蕭白オンリーです。
どれも表現が面白いですし、描き方も上手いのですが、やっぱり目玉は「雲龍図」でしょう。
顔の割に体が短いなと思っていたら、実は胴体の部分が欠損しているそうです。
今でも十分迫力があるのにこれで胴体の部分があればすごかったでしょうね。
部屋の中で見れば、龍の懐の中に入った感じでしょうか。

爪とかは鋭いのですが、顔はそんなにこわくないので、懐の中に入っても大丈夫ですかね。
図録は大阪版と東京版があって、東京版は刀剣のコレクションも来ていて図録の値段も少し高かったです。
私は大阪版を買ったのですが、値段を忘れてしまいました。
2000円だったか、2300円だったかそのような値段だったと思います。
ボストン美術館所蔵の日本美術のコレクション、見応えがありました。
私も会期中にもう一度行きたかったのですが、ちょっと時間がなくて1回しかいけませんでしたが面白い展覧会でしたよ

今日(6/16)までですので、まだの方はお見逃しなく

大阪市立美術館
住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82 TEL:大阪市総合コールセンター なにわコール06-4301-7285(8時~22時)
開館時間:9時半~17時(入館は30分前まで) 休館日:月曜日(月曜が祝日の場合、翌日休館)、年末年始、展示替え期間
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