京都国立博物館 「国宝十二天像と密教法会の世界&方丈記」展
いつもの如く、会期終了間際に京都国立博物館で開催されている「特別展観 国宝十二天像と密教法会の世界」展と同時開催の「成立800年記念 方丈記」展('13.1.8~2.11まで。観覧料1000円)を観てきました。
あまりに慌てて行ったので、デジカメを持っていくのを忘れてしまいました
なので今回はチラシのみです。
この展覧会は、現在京博所蔵ですが、もともと東寺に伝来していた国宝の十二天像を中心に、後七日御修法(ごしちにちのみしほ)と灌頂(かんじょう)という密教の法会(ほうえ)紹介したものです。
第1室からずらりと十二天像が並びます。
十二天とは、八方(東西南北の四方と東北・東南・西北・西南)を護る八方天に、天地の二天と日月の二天を加えて十二天としたものです。
具体的には、帝釈天(東)・火天(東南)・焔魔天(南)・羅刹天(西南)・水天(西)・風天(西北)・毘沙門天(北)・伊舎那天(東北)・梵天(天)・地天(地)・日天(日)・月天(月)です。
ここで私が不思議に思ったのは「焔魔(えんま)天」像です。
私たちがよく知っている冥界の閻魔さまのお姿ではなく、女性のようにも見える優しげなお姿です。
私は焔魔天も閻魔さまも全く同一だと思っていたのですが、微妙に違うところがあるみたいで、密教の曼荼羅における焔摩天は温和な表情をされている場合が多いそうです。

チラシは水天像です。
こちらも美しかったです。
帝釈天は目がぱっちりでしたよ。
東寺の灌頂院で行われる後七日御修法というお正月に国家鎮護を祈る修法の時に曼荼羅(金剛界と胎蔵界は1年おきに交互)、五大尊像、十二天像が祭られるみたいです。
映像コーナーでその様子を見ることができたのですが、火の灯りしかないお堂の中にこれらの尊像がずらりと祭られている様子は神秘的で、修法はまさに神々に向かってお願いをしているという雰囲気でした。
第2室以降は弘法大師像や大師(空海)の自筆のお経、他のお寺の十二天像などいろいろありました。
お菓子の虎屋さんの家に伝わっていた弘法大師像はきれいでした。
曼荼羅のように配置した法具も珍しかったです。
顔の相(表情)により木材を変えている十二天面も興味深かったです
私のオススメは8室です。
2種類の十二天像が展示されていますが、三重県の津市の大宝院旧蔵のは顔立ちがすっとしており、スタイルも少し良くなって美しいです
色が劣化しているのが惜しいですね。
もう一方は室町時代の作なのですが、保存状態がよく色鮮やかできれいでしたよ。
こちらは日天がなく十一天でしたけどね。
密教の修法なんてなかなか知る機会がなく、今までは仏画や仏像を美術品として観ることが多かったのですが、今回、修法の一端を知ることにより厳かな気持ちで観ることができました。
勉強になりました。
図録は1700円でした。

同時開催の方丈記展の方は、現存最古の写本の「方丈記」(重文)が展示されてました。
表紙や巻尾には鴨長明自筆と書いてあるのですが写本とのことです。
カナと漢字で、みっちりきっちり改行なしで書かれていて、ちょっと読むのはしんどいかな(苦笑)。
普賢十羅刹女像は優しげで美しかったです。
藍紙に書かれた法華経は、紙も珍しいし字も美しいのですが、白い字がきれいに残ってるのが珍しかったです。
この法華経は是非チェックしてみてくださいね
是害坊絵は以前、奈良国立博物館だったかで絵巻物を見たのですが、今回の方が字が多かったように思います。
でもこのお話はやっぱり面白いですね。
これらの展覧会は今日(2/11)で会期終了ですが、密教と方丈記、1つの展覧会で2つの違った題材を楽しめるお得な展覧会でした
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
あまりに慌てて行ったので、デジカメを持っていくのを忘れてしまいました

なので今回はチラシのみです。
この展覧会は、現在京博所蔵ですが、もともと東寺に伝来していた国宝の十二天像を中心に、後七日御修法(ごしちにちのみしほ)と灌頂(かんじょう)という密教の法会(ほうえ)紹介したものです。
第1室からずらりと十二天像が並びます。
十二天とは、八方(東西南北の四方と東北・東南・西北・西南)を護る八方天に、天地の二天と日月の二天を加えて十二天としたものです。
具体的には、帝釈天(東)・火天(東南)・焔魔天(南)・羅刹天(西南)・水天(西)・風天(西北)・毘沙門天(北)・伊舎那天(東北)・梵天(天)・地天(地)・日天(日)・月天(月)です。
ここで私が不思議に思ったのは「焔魔(えんま)天」像です。
私たちがよく知っている冥界の閻魔さまのお姿ではなく、女性のようにも見える優しげなお姿です。
私は焔魔天も閻魔さまも全く同一だと思っていたのですが、微妙に違うところがあるみたいで、密教の曼荼羅における焔摩天は温和な表情をされている場合が多いそうです。

チラシは水天像です。
こちらも美しかったです。
帝釈天は目がぱっちりでしたよ。
東寺の灌頂院で行われる後七日御修法というお正月に国家鎮護を祈る修法の時に曼荼羅(金剛界と胎蔵界は1年おきに交互)、五大尊像、十二天像が祭られるみたいです。
映像コーナーでその様子を見ることができたのですが、火の灯りしかないお堂の中にこれらの尊像がずらりと祭られている様子は神秘的で、修法はまさに神々に向かってお願いをしているという雰囲気でした。
第2室以降は弘法大師像や大師(空海)の自筆のお経、他のお寺の十二天像などいろいろありました。
お菓子の虎屋さんの家に伝わっていた弘法大師像はきれいでした。
曼荼羅のように配置した法具も珍しかったです。
顔の相(表情)により木材を変えている十二天面も興味深かったです

私のオススメは8室です。
2種類の十二天像が展示されていますが、三重県の津市の大宝院旧蔵のは顔立ちがすっとしており、スタイルも少し良くなって美しいです

色が劣化しているのが惜しいですね。
もう一方は室町時代の作なのですが、保存状態がよく色鮮やかできれいでしたよ。
こちらは日天がなく十一天でしたけどね。
密教の修法なんてなかなか知る機会がなく、今までは仏画や仏像を美術品として観ることが多かったのですが、今回、修法の一端を知ることにより厳かな気持ちで観ることができました。
勉強になりました。
図録は1700円でした。

同時開催の方丈記展の方は、現存最古の写本の「方丈記」(重文)が展示されてました。
表紙や巻尾には鴨長明自筆と書いてあるのですが写本とのことです。
カナと漢字で、みっちりきっちり改行なしで書かれていて、ちょっと読むのはしんどいかな(苦笑)。
普賢十羅刹女像は優しげで美しかったです。
藍紙に書かれた法華経は、紙も珍しいし字も美しいのですが、白い字がきれいに残ってるのが珍しかったです。
この法華経は是非チェックしてみてくださいね

是害坊絵は以前、奈良国立博物館だったかで絵巻物を見たのですが、今回の方が字が多かったように思います。
でもこのお話はやっぱり面白いですね。
これらの展覧会は今日(2/11)で会期終了ですが、密教と方丈記、1つの展覧会で2つの違った題材を楽しめるお得な展覧会でした

京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
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