神戸市立博物館「トリノ・エジプト」展('10.3.26 Fri)

ウィーンを満喫した後は、エジプトです(笑)。
神戸市立博物館で「トリノ・エジプト」展('10.3.20~5.30 Sunまで。入館料当日1500円)を観てきました。
この日は金曜日だったので、午後7時までやっていたのです。
実は私たち、めちゃめちゃエジプトが好きです。
日本でエジプト展をやっていればいそいそと出かけ、海外旅行はエジプト美術館があるかを中心に行き先を決め(でも、ベルリンはまだ行ってないけど)、新婚旅行はエジプトに行ってきました。
ということで、トリノのエジプト美術館はもちろん訪問済みです。

私たちがトリノに行った時は、トリノオリンピックの前年の2005年で、街はオリンピックに向けて大工事中。
外は大改装が進んでいる中、エジプト博物館はイタリアらしく古いものはそのまま無造作に展示されており、玉石混交状態であまり整理されてないなという感じだったのですが、今回の神戸の展覧会を見てびっくり!
彫像コーナーなどは、赤い壁紙に黒っぽい照明、鏡も使ってなんか厳かな感じで彫像が並んでいて、うわ~、うわ~、うわぁ~、こういうのを待っていたんです(笑)。
鏡にはアンクまで描かれていて、ちょっとエジプトの神々の領域に入った感じです。
トリノのエジプト博物館も展示方法などを大幅に変えたみたいで、それと同様の展示方法で神戸の展覧会を開催されてるということで、あの時わざわざトリノまで苦労して行ったのはいったいなんだったの!?と少々ショックを受けてます(苦笑)。
展示方法が変わると展示物も変わって見え、今回の神戸の展覧会の美術品はあまり観た記憶がなく、新鮮な気持ちで観れました。
(うーん、本当になんのためにトリノまで行ったのか・・・


今回の展示品は、比較的状態の良い美術品が多くて、ステラ(石碑)やオストラコン(絵や字がかかれた石や土器の破片)などもきれいなのが来ていました。
「敵を打ちすえるラムセス3世のオストラコン」は、漫画の「王家の紋章」みたいでした(笑)。
「王の頭部の未完成のレリーフ」は、髪の表現が見事できれい~。
「イプイのステラ」も彫りがめちゃきれい

「ウセルサテトの耳のステラ」は、耳が4つ描かれています。
耳だけというのは、ちょっと変わっていて面白いですよね。
メインの彫像コーナーでは、チラシや看板にも載っていた「アメン神とツタンカーメン王の像」は、やはり見事でした。
大きなアメン神の坐像の横に、小さなツタンカーメンが立っています。
でも、ツタンカーメンはちゃんとアメン神の肩に腕を回して、アメン神とは親しい関係であることを示しています。
ツタンカーメンの父親(アクエンアテン)が、アテン神を信仰した宗教改革者だったので、ツタンカーメンも生まれたときの名前はツタンカテン(トゥト・アンク・アテン)だったのですが、父の死後アメン神信仰が力を盛り返し、それに伴いツタンカーメンも名前をトゥト・アンク・アメン=ツタンカーメンに直さざるをえませんでした。
そういう関係からか、この像からはツタンカーメンのアメン神に対する遠慮と、アメン神と対立する存在ではないというアピールが感じられます。
そんなうんちくはさておき、美的には、ツタンカーメンの衣服がきれいでしたよ。
皆さん見てくださいね。

ライオンの頭のセクメト女神像もきれいだったな~。

「イビの石製人型棺の蓋」は、顔もきれいだし、書かれているヒエログリフがめちゃめちゃきれい!
王でもないのに、すごいなぁ~。
「アメン・ラー神に牡羊の頭部を捧げるペンシェナブの像」は、色使いがすごくきれいです。
白い石灰岩の像で、髪は真っ黒、唇は赤く、右肩にアメン神、左肩に神格化されたネフェルタリ王妃の像が青く刺青され、持っている牡羊は黄色の顔で、目を惹く彩色の美しさです。
「王を守護するイシス女神の像」は、茶色がきれいですし、細工もきれいです。
立て看板みたいに立体的に見えるのが面白いです。
お棺の中では、「タバクエンコンスの人型棺」が群を抜いて美しかったです。
細工も彩色も模様もすごくて、まるでニスを塗ったかのように光沢が出ています。
アメン・ラー神の歌い手の称号を持ってる女性の木棺ですが、よっぽど歌が上手だったんでしょうね。
ものすごく豪華でした。
この他にもいいなぁと思ったものがいっぱい。
今度は観たことを忘れないように図録(2300円)を買いましたよ(笑)。
図録、写真集みたいで良かったけど、こんなハードカバーにしなくていいからもう少し安くしてほしいな~。
比較的大きな美術品が多く来ており、計120点の展示、見応えがありとても良かったです。
トリノ・エジプト博物館、見直しましたよ

神戸市立博物館
住所:神戸市中央区京町24 TEL:078-391-0035
開館時間:9時半~17時、金・土は19時まで(入館はそれぞれ30分前まで) 休館日:月曜(5/3は開館)
- 関連記事
-
- 国立国際美術館「絵画の庭」展('10.4.2 Fri) (2010/04/03)
- 京都文化博物館「古代ローマとカルタゴ」展('10.3.27 Sat) (2010/04/02)
- 神戸市立博物館「トリノ・エジプト」展('10.3.26 Fri) (2010/04/01)
- 関西国際文化センター「華麗なるオーストリア大宮殿展」('10.3.26 Fri) (2010/03/31)
- 堺市立文化館「ミュシャ館」&「晶子文芸館」('10.3.21 Sun) (2010/03/29)
スポンサーサイト