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京都国立近代美術館 「KATAGAMI Style」展

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 今日、ご紹介する展覧会は京都国立近代美術館で開催されている「KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン もうひとつのジャポニズム」展('12.7.7~8.19まで。観覧料1400円)です。

 この展覧会、凄い・・・。
 はじめ地味そうな内容のわりには観覧料も高いので行くつもりは全くなかったのですが、友人に誘われて行ったら質量ともにすごい展覧会で、日本の型紙のすごさを見せ付けられました。

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 型紙が使われているのは、基本、日本の着物の柄に使われるためのものですが、その細かさとバリエーションの豊富さに驚愕しました。
 恐ろしく細かい細工をものともしない日本人職人の手先の器用さとデザインセンスに感嘆してしまいます。
 型紙そのものだけを額に飾っても十分見映えする芸術品です。
 あの細かさを布に写し取って染めるのですもの、着物の反物が高いのも道理だなと展覧会とは違うところでも納得してしまいました(笑)。
 
 テキスタイルといえばウイリアム・モリスが有名で、私もモリスの作品は良いと思っていたのですが、日本の型紙と並べるとデザインがの粗さが目立ちます。
 贔屓ではなく、本当に日本の型紙は凄いです

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 ルイス・コンフォート・ティファニーの彫金細工(島根にあったティファニー美術館、なくなって悲しい)やガレ、ラリック、ドーム兄弟などのガラス工芸品、ミュシャのポスター作品などは、細やかな日本の型紙に影響を受けて作られたそうで、そういう目で作品を見てみると確かに型紙の紋様が使われているんですよね。
 アール・ヌーヴォー期の作品って絵画も工芸品も好きなのですが、その装飾にこんなに日本の型紙が使われているとは思いもせず、今回の展覧会は美術品を見る時の新しい視点を示された気がしました
 
 浮世絵に描かれている人物の着物の柄も型紙で作られたものが多いので、展示数はそれほど多くはなかったのですが、歌麿、国貞、英泉、国芳の作品が展示されていました。
 普段ならまず顔から観るところですが、今回は知らずに着物に注目していました(笑)。

 絵画・工芸品を問わず、型紙に関係するものは全て展示されており見応えがありました

 ものすごく感動したのですが、今回は観覧料が高い割に展示目録を置いておらず(近美さん、ちょっと頑張って目録は毎回作ってくださいね)、図録も2800円と高価だったので買えず、あまりにたくさんの量の展示があったため、メモを取るのも困難だったので、たいした感想は書けませんが、とにかく素晴らしかったです

 サブタイトルの「世界が恋した日本のデザイン」とは、まさにそのとおりです。
 この繊細な美しさに誰もが魅了されると思います。
 日本人であることが誇りに思える展覧会でした
 観に行って良かったです。

 この展覧会は8/19までです。
 上村淳之展とペアで行かれてはいかがでしょうか。
 どちらも強力におすすめしますよ

 また、京都展後、三重県立美術館('12.8.28~10.14まで)に巡回するみたいです。
 三重の方は、お楽しみに

 あっ、そうそう、忘れていました!
 常設展は藤田嗣治のミニ特集でした
 常設展もお見逃しなく。

京都国立近代美術館
 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
 開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)休館日:月曜
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