神戸市立小磯記念美術館 「マリー・ローランサンとその時代展」

先日、神戸市立小磯記念美術館で開催されている「マリー・ローランサンとその時代展ー巴里に魅せられた画家たち」展('12.4.14~7.8まで。入館料800円)を観てきました。
マリー・ローランサンの絵って、優しくきれいなパステルカラーの絵で大好きなんですけど、造形的には結構ファンタジックに崩れているのがあるので、いいなぁと思う作品と私的にはもうひとつだなと思う作品があります。
でも、今回の展覧会では、「わぁ!かわいい」と素直に思える作品ばかりです

この展覧会のローランサンの作品は、長野にあったマリー・ローランサン美術館の所蔵品が大半だそうで、さすが日本人ローランサンファンコレクターが蒐集しただけあり、どれも淡く、優しく、美しく、見やすい作品ばかりです

この美術館、私もいつか行こう、行こうと思っていたのですが、遠いので行きそびれているうちに閉館になってしまい、本当に残念です。

今回は、閉館したマリー・ローランサン美術館の作品群をまとまった形として観る良い機会であると小磯良平記念美術館がいっているように、かわいいきれいな美少女ばかりが揃っており、萌えました(笑)。
あまりにかわいい作品ばかりなので、いつもは自分の好きな作品を紹介するのですが、今回はツッコミを入れたくなるような作品を紹介しましょう(笑)。
「犬をつれた若い女」はデロリ系で、ちょっとコワイ?(苦笑)
「ジョルジュ・ベナールの肖像」は、ローランサンが描くのを渋っていたところを無理に描いたとのことで、モデルさんの顔の嫌そうなこと!
これは、モデルさんが本当に不機嫌だったのか、描きたくないのに描かされたローランサンの心情がでているのか不明ですけどね。
「帽子をかぶった自画像」、ローランサンは確かに美人だとは思うのですが、この自画像、かなり美人でした。
展示の順序もツッコミを入れておきましょうね。
この展覧会は、ローランサンと同時代の画家の作品も展示されているのですが、ローランサンの次に展示されているのは、なんとルオーです。
淡から濃へ、いきなりの変化にギャップが強すぎてクラクラです(笑)。

ローランサンの美少女に向かい合うのは、キース・ヴァン・ドンゲンの「腰掛ける婦人」(チラシ左上)です。
この女性像はアダルトな雰囲気を漂わせ、「小娘なんかには束になっても負けないわよ」とばかりに、1枚で十分な貫禄を見せつけていました

同じくヴァン・ドンゲンの「花」は、すごく重厚感のある紫陽花です。
こんな迫力のある紫陽花を見るのは初めてかも。
キース・ヴァン・ドンゲンって、今までにも何枚か見たことがあるのですが、あまり気にしていませんでした。
これからはちょっとチェックしようっと。
同時代の日本人画家の絵も展示されていましたよ。
児島虎次郎の女性像(チラシ上段右から2番目)は油彩で濃いのですが、造形的美しいですね。
徳永仁臣(とくながひとおみ)という画家は、今回初めて知ったのですが、「瞑想」という作品、日本人っぽくなかったです。
描かれいる女性は美人でした。
ローランサンと同時代に活躍といえば、藤田嗣治佐伯祐三や荻須高徳でしょう。
ちゃんとありましたよ。
今回の展示では、私は佐伯の作品が一番惹きつけられました。
そんなに大きな作品ではないのですが、勢いというかパッションみたいなのが感じられたからだと思います。
ここは小磯良平記念美術館ですからね、当然、小磯の作品も別室でたっぷり観れます

図録は1900円です。

パステルカラーの美しくかわいい少女たちに会える楽しい展覧会でした。
会期は今週の日曜(7/8)までです。
良かったですよ

神戸市立小磯記念美術館
住所:神戸市東灘区向洋町中5-7 TEL:078-857-5880
開館時間:10時~17時(特別展開催中の金曜日は18時まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜、年末年始(12月29日~1月3日)他(開館時間、休館日は臨時に変更する場合あり)
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