とある婦人の忘備目録

展覧会、映画、お寺などを観ること、食べることを中心に感想を綴っていきます。

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  1. 展覧会
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大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室 「佐伯祐三とパリ」展('12.6.2 Sat)

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 この日は更に旧出光美術館だった大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室 「佐伯祐三とパリ ポスターのある街角」展(前期:'12.4.28~6.12まで。後期:6.14~7.16まで。観覧料500円)を観てきました
 
 大阪市は、山本発次郎さんという実業家が寄贈した佐伯祐三の多数の作品をメインにしたコレクションを持っています(山発コレクション)。
 このコレクションを保存・展示するために中之島に新しい美術館を作る計画だったのですが、橋下さんがケチをつけて今話がストップしているみたいです。
 大阪って大都市なのに、東京に比べて美術館・博物館が少なすぎます。
 だから、文化不毛の地だなんて恥かしいことを言われるのです。
 教育云々を言うんだったら、教育機関でもある文化施設も大切に考えてほしいものです

 話は逸れてしまいましたが、山本さんは佐伯祐三がフランス滞在中に描いた油彩画を中心に蒐集されたそうです。
 今回は、そのコレクションとパリで交流のあった荻須高徳や里見勝蔵の作品、当時のポスターなどを紹介した展覧会となっていました。

 この美術館では、佐伯祐三の作品を部分的にですが何回も公開しているので、また同じような感じかなと思っていたのですが、今回は佐伯祐三をメインに押し出しているだけあって、見応えあります。
 今まで観た記憶のない作品もいくつかありました。
 山発コレクションの佐伯の作品は約50点ということですので、一部前・後期に分かれるものの、大阪市が持っている佐伯祐三の作品を全部公開しているのではないでしょうか

       oyuzo2.jpg
 展示の最初の方は、佐伯がいろんな画家の描き方を学んでいたのがよくわかるような作品が並んでいました。
 ゴッホ風、ルノワール風、セザンヌ風などの作品が並んでいます。
 そして、ヴラマンクに「アカデミック!」と怒られ、悩んだ末に、ユトリロの描き方に触発されてパリの街並みを描くようになっていきます。

 最初のパリ滞在でのパリの街並みを描いた作品は、白が効果的に使われているからか、スポットライトを浴びると輝いているように見えます。
 魅力的です
 ですが、一旦日本に帰り、再度パリに戻ってからの作品は色調が暗めで、輝き方が薄れているような気がしました。
 題材も「場末の街」(前期公開の作品名)のような、ちょっと暗めのものを描いているということもあるのでしょうけど。

 佐伯の「共同便所」(作品名)と同じ場所を荻須高徳が描いているのですが(「エドガール・キネ街」)、佐伯は公衆トイレを真正面から捉えて描いているのに対し、荻須はトイレを風景の一部として間接的に描いており、その分マイルドになっています。
 佐伯と荻須の絵って、よく似ているなと思っていたのですが、視点が全然違うのだなということに気付きました。

 佐伯の人物画は、「郵便配達夫」が有名ですが、その郵便配達夫を少しアップにした半身像の絵は初めて観たような気がします。
 憂いを含んでいるような表情が印象的でした

       oyuzo3.jpg
 佐伯が滞在していた時期のパリのポスターについて、私たちが行ったときにちょうど学生さんの見学と重なっており学芸員さんが話していることが聞こえてきました。
 その話が面白かったので、ちょっとご紹介しますね

 佐伯がいた1925年頃は、第一次世界大戦をきっかけとしてアール・ヌーヴォー様式の装飾性が廃れ、幾何学図形などをモチーフにした記号的表現のアール・デコ様式の時代に入っていたそうです。
 とはいえ、パリのアール・デコは、ドイツのバウハウスやロシアのアヴァンギャルドとは違い、ひたすら消費のためのものです。
 アール・ヌーヴォーは曲線が主となるので商品化はしにくかったのですが、アール・デコは直線的なので商品化しやすいということでした。
 浮かれたパリでは、ドイツやロシアのようなストイックで難解な芸術は受け入れられず、楽しくわかりやすく、物を売るためのポスターがたくさん作られます。
 商品をプロモーションするためのポスターなので、字を多くするよりは、パッと目を惹く絵がポスターの中心になっていったそうです。

 佐伯が描いた、字を中心にしたポスターは次々と剥がされ、絵を中心としたポスターに変わっていったのでしょうね
 何が原因かは知りませんが、佐伯は自殺未遂をおこすほど落ち込んでいたのに対し、この時代のパリを謳歌していたのは藤田嗣治です。
 佐伯のパリ滞在時に、藤田はもう既にパリにいて活躍していたはずですが、2人が接触したという話はあまり聞きませんねぇ。

 荻須高徳の「エドガール・キネ街」の中に描かれているポスター(展示No.78ポール・コラン「サン・ラファエル(キナ酒))」が展示されていましたので行かれる方は見てみてくださいね

 図録は1800円でした。

 なかなか興味深くて、時間があれば後期も観に行こうかなと思っている展覧会です(500円という嬉しい観覧料なので行きやすいですもんね)。
 良かったですよ

大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
 住所:大阪市中央区南船場3-4-26出光ナガホリビル13階 TEL:06-4301-7285
 開館時間:11時~19時(入館は18時半まで。) 休館日:水曜
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  1. 2012.06.13 (水) 09:16
  2. URL
  3. hirorin
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この美術館

どうなるんでしょうね。
橋本さんが反対してるんでしたっけ?
でも作品はすごいたくさん集まってて価値がすごいんですよね。

友達のご主人が佐伯祐三と荻須高徳が見分けがつかないとか言ってたけど。
微妙に違うんでしょうか?
パリの街角を描いたものはとっても哀愁とおしゃれ感があっていいですよね。
  1. 2012.06.13 (水) 19:29
  2. URL
  3. Ms.れでぃ
  4. [ edit ]

ここはそのままで(笑)。

この美術館もこじんまりとしていて良い美術館なんで、ここもこのまま置いといてもらって、大きな美術館もつくっていただきたいです。

出光美術館、良かったのに撤退しちゃって残念。
天保山のサントリーミュージアムも撤退してしまって、大阪の私立の美術館は本当に少なくなりました。
なぜでしょうね?

佐伯と荻須の違いは、実は私もよくわかっていないのですが、荻須の方が形が端整のような気がします。
幾分おとなしめの印象。
佐伯は、ちょっとワイルド(笑)。
その分、佐伯の方がインパクトがあるような気がします。
それに、佐伯は近距離から描いているような。

写真でいうと佐伯は接写、荻須は風景写真という
印象を持ちました。

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