京の冬の旅2012⑦ 長楽寺

京の冬の旅('12)最後にご紹介するのは、円山公園の南東にある長楽寺(ちょうらくじ)です。
写真の右手側の塀の向こうは、大谷祖廟(東大谷)の敷地です。

坂道を登っていくと門があります。
長楽寺は、延暦24(805)年に、桓武天皇の勅命により最澄(伝教大師)が創建した天台宗の寺院だったのですが、室町時代に国阿(こくあ)上人に譲られて時宗に改められ、明治39年に時宗の総本山格であった金光寺が長楽寺に合併され、現在に至ってるそうです。
御本尊は、伝教大師作の准胝観音菩薩像です。
高倉天皇の中宮で安徳天皇の生母である建礼門院(平徳子)が壇ノ浦の戦いの後、こちらのお寺で出家された伝えられています。


ということで、建礼門院秘宝展('12.1.1~5.10まで。拝観料650円)が開催されています。
寺宝の紹介は後でさせていただくとして、中に入らせていただきます。
建物の中は写真撮影不可なのですが、お庭は撮影OKとのことでした。


こちらのお庭は、足利義政に仕えていた相阿弥が銀閣の庭を造る際に試作的に作ったとされています。
池泉鑑賞式庭園で、趣のあるお庭です。
ただ、私たちが行った日は寒くて雨も降っていたので、木々も寒々しかったのですが、このお庭は秋の紅葉の季節はきれいそうでしたよ。
紅葉狩りに行きたいと思いましたね。

外に出て、更に石段を上っていくと本堂があります。
御本尊が安置されているのですが、こちらの御本尊さま、天皇即位の際のみに御開帳される秘仏中の秘仏です。
御本尊を安置する厨子は、東福門院和子(徳川秀忠と江の娘、後水尾天皇の中宮)が寄進したものだそうです。
いや~、しっかり見るのを忘れました


こちらは、平安の滝です。
写真ではわからないかもしれませんが、石垣に仏さまがたくさんいらっしゃいます。
この滝の水は「八功徳水」と言われる名水だそうです。
少しいただきましたが、私は心なしか甘く感じ、おいしいと思いましたが、夫は鉄分が多いって言ってました。
どちらの味覚が正しいかは、皆さんでお試しあれ


こちらが収蔵庫です。
平成20年に収蔵庫が火災でほぼ全焼し、新しく建てられたようです。
中にあった全ての文化財は、住職らによって火災直後に運び出されたため難を免れたそうです。
やっぱり火事は大敵ですね。
平家物語の縁の寺宝としては、「建礼門院御影」がありました。
源氏の目をはばかり、肖像画の上から墨で黒く塗りつぶした形で言い伝えられながら保存されており、近代になってから墨を落としてみると御影がでてきたそうです。
現代になってからの松久朋琳作の建礼門院の木造は大変美しく、こんな美しい人が墨で黒くされた姿で後世に残されるなんて、すごく気の毒に思いました。
盛者必衰とはいえ、無常を感じましたね。

こちらは「安徳天皇御影」です。
写真撮影不可なので、ポスターの拡大で失礼。
まるで女の子のようにかわいい御影です。
8歳で壇ノ浦で、祖母である二位の尼とともに入水し崩御されました。
かわいそうに。
安徳天皇が今わの際まで着てられた直衣を幡にしたものも展示されてました。
その他、時宗の祖である一遍上人像をはじめ、慶派仏師作遊行上人像七体(いずれも重文)がありました。
とくに一遍上人像は、静かですが意志の強さがストレートに伝わってくる写実的な像でした。
収蔵庫にあったのかは忘れましたが、東福寺の開山・聖一国師作の「布袋尊像」は、大笑いされており像自体はそんなに大きくないものの豪快な印象を受けます。
収蔵庫をでて更に上に上っていくと、頼山陽や三樹三郎親子のお墓などもありました。
お天気が悪くて写真がきれいでなかったので載せてませんが、かなり高いところにあるので見晴らしの良いところもありましたので、行かれる方は頑張って上まで上ってくださいね

平家物語の平家の悲哀が伝わるようなお寺でした。
落ち着きがあり、良かったですよ

さて、まだ番外編はありますが、これで京の冬の旅2012シリーズは完了です。
長い間、お付き合いくださってありがとうございました

終了間近の展覧会の紹介もありますので、これらの寺院を周ったときのランチなどの紹介は、落ち着いたらまたさせていただきますね

長楽寺
住所:京都市東山区円山町626番地 TEL:075-561-0589
拝観時間:9時~17時(「京の冬の旅」特別公開期間以外にも拝観可) 拝観定休日:木曜日
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