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奈良国立博物館 「天竺へ」展

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 奈良国立博物館で開催されている「天竺へ~三蔵法師3万キロの旅」展('11.7.16~8.28まで。観覧料1200円)に行ってきました。

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 この展覧会は、大阪の藤田美術館が所蔵する三蔵法師生涯を描いた国宝「玄奘三蔵絵」という全12巻からなる絵巻物をメインにした展覧会です。
 1巻15mを超える絵巻物を前期・後期で全巻見れるようになっていました。
 私が行ったのは後期だけですが、前期の分はパネルで見れるようになっています。

 13世紀の鎌倉時代の作品だそうですが、色がそのまま残っており、きれいな絵巻物ですね~。
 字もはっきり読みやすい字で書かれており、もっと新しい時代の作品かと思うぐらい保存状態が良かったです。
 それがズラリと並んで展示されているものですから圧巻です。
 結構人も多く、展示ケースの前に一列で順番に見ていくと時間がかかりました。
 でも見応えありましたけどね。

 三蔵法師が漢訳した「大般若経(魚養経)」も、藤田美術館が387巻を所蔵しているようですが、こちらは一部分しか広げず、巻物の形で展示してありました。
 三蔵法師(玄奘三蔵)の肖像画は、よく大きな荷物を背負っている姿で表されていますが(右のチラシの左上図)、ほとんどがこれらの経典だったのでしょう。
 インドから長安(西安)までなんて荷物なしでも大変なのに、657部もの経典を持って帰って、またそれを漢訳までしたのですからやはり三蔵法師は偉大です。
 玄奘三蔵の翻訳は、「大般若経」600巻を含む76部1347巻に及んだそうです。
 藤田美術館の所蔵品は、もちろん写経ですが、600巻中の387巻ですからすごいです。
 
 図録は1800円でした。
 この展覧会は今日(8/28)までです
 時間をたっぷり取って行ってくださいね。

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 同時開催の「~特別陳列~初瀬にますは与喜の神垣 輿喜天満神社の秘宝と神像」展('11.7.16~8.28まで。「天竺へ」展料金で無料。この展覧会単独の場合500円)も観てきました。
 奈良の長谷寺の近くにある輿喜天満神社の歴史と文化を紹介した展覧会です。

 チラシ(左のチラシ)の神像が、この天満宮の天神さまです。
 ポスターやチラシを見るとすごくこわそうなのですが、実際にお目にかかるとポスターほどこわくなくホッと一安心(笑)。
 長谷寺及び初瀬の町を守護する神さまとして信仰されてきたそうです。

 この展覧会の図録は1200円でした。
 これを読むと詳しいことがわかるのかもしれませんね。
 この展覧会も今日(8/28)までです

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 そして最後に仏像館にて仏さまたちにお会いして、満足満足。
 今回は、閻魔さまがいらっしゃっいましたが、何も悪いことはしていませんので大丈夫でした(笑)。
 いろいろ盛り沢山の内容の展覧会で楽しかったです
 
奈良国立博物館
 住所:奈良市登大路町50番地 TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)
 開館時間:9時半~17時(金・土は19時まで。入館は各閉館の30分前まで) 休館日:月曜
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車も鉄道も飛行機もない時代にインドまで行くわ、とんでも
ない数のの経典を担いで持って帰るわ…。現代じゃ考えられ
ないことを成し遂げていますよね。16年もかかって。
テンシャン山脈の南なんてほとんど砂漠だし。
意志の強さもさることながら、そこまでの体力があるという
のがすごい!効果の高い薬もワクチンもない時代にそういう
ことができるのは、それだけ元気な証拠であり、そうじゃな
ければできなかったことであり…。三蔵法師おそるべしです。

恥ずかしながら、輿喜天満神社の存在を初めて知りました。
天神さまということは当然、菅原道真公を祀っているという
ことですよね?奈良生まれということは知っていましたが。
それにしても、木彫りの神像はどえらい形相をしていますね。
もうちょっと温厚そうなイメージがあったのですが、もろく
も崩れ去りました(笑)。まるで天狗みたい!と思ったり、
北方(モンゴル)系の騎馬民族の顔立ちみたいと思ったり…。

すごいですよね。

コメント、ありがとうございます。
返事が遅くなってすみません。

三蔵法師さん、おっしゃるとおりすごい意思と体力と知恵の持ち主ですよね。
絵巻物の中にも、三蔵法師さんに同行しようとしたお弟子さんたちが、その道の険しさに恐れおののいてるのを見て、「私はこのまま進むが、お前たちは戻りなさい」みたいなことを弟子に言って、弟子たちが旅を断念するシーンがありました。
また、三蔵が歩いた現在の天山山脈の写真もありましたが、この時代、服も靴もそんなに山登りに適したものはなかっただろうによくインドまで行けたなと感心してしまいます。
馬が何頭もつぶれているシーンも描かれていましたよ。
行きは27歳、帰りは43歳。やはり超人です。

輿喜天満神社の方は、私も知らず、行ったこともないのですが、長谷寺の本殿の向かいの山みたいです。
場所の地図を見たら、あぁそういえば長谷寺のところから横に入って上る道があったなという感じです。
こんな立派な宝物がある神社だとは思わなかったです。
今度、行ってみなければ。上るのしんどそうですが(苦笑)。

> それにしても、木彫りの神像はどえらい形相をしていますね。

確かに。
今までお堂の中にいらっしゃったのに、いきなり外に出されて、アップの写真まで撮られて少々おかんむりなんでしょうか(笑)。
実際にお会いしてみると、立ち位置の関係からか写真ほど威圧感はなかったのですが、座って仰ぎ見ると怖いだろうなという感じです。
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主に関西で開催されている展覧会を観に行っています。
ゆるゆる感想を書いていきたいと思います。
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