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京都 金戒光明寺(くろ谷さん) ('11.3.19 Sat)

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 「京の冬の旅」の特別拝観ではもう1ヶ所「金戒光明寺」にも行ってきたのですが、ちょっと公開時期にブログUPが間に合わず申し訳ありません。
 ですが、このお寺の特別公開は過去に何回かされており、今後もされると思いますので紹介させていただきますね。

 金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)は、法然上人を開山とする浄土宗のお寺で、御本尊は阿弥陀如来坐像です。
 1175年、法然上人が修行を終え、比叡山の黒谷を下りこの地に草庵を結ばれたそうです。
 この草庵が、浄土宗最初の寺院の金戒光明寺の始まりになるそうです。
 ちなみにこの地も黒谷であり、比叡山の黒谷を「元黒谷」、この地を「新黒谷」とはじめは呼んでいたそうですが、そのうち「新」はつけなくなり、今では「くろ谷」さんの名前で親しまれています。
 小高い山の上にあり、上るのは結構しんどいです。

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 ここは、幕末、京都守護職会津藩の本陣が置かれていたことでも有名ですが、京の二条城が平城で軍事に不向きであったことから、このお寺と、同じく高いところに位置する知恩院が軍事拠点となったそうです。
 こちらが山門です。
 以前一度上ったことがあるのですが、かなり見晴らしが良くて、京都の街を一望できます。
 ここからの景色を見ると、軍事拠点になったのもうなづけます。
 門には「浄土真宗最初門」という額がかかっています。
 この門の桜はきれいなんですよ。
 まだもう少し先のようですけどね。

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 ここから更に階段を上ると、御影堂(大殿)があります。
 昭和9年に火災で焼失し、昭和19年に再建されたものです。
 中に入ると、大きく色鮮やかな憧幡(どうばん)がいくつもありました。
 来年が法然上人没後800年だそうで、それに合わせて最近作られたそうです。
 昭和の建物ということで、音響効果も良いそうですよ。

 中央には法然上人の75歳の御影(坐像)が祀られ、向かって左に伝運慶作の文殊菩薩像、右に吉備観音と吉備真備坐像が安置されていました。
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 この文殊さまは、以前は三重塔の御本尊だったのですが、法然上人800年遠忌に記念して修復と須彌壇が平成20年に完成し、御影堂の方に移られたみたいです。 
 獅子に騎乗する文殊菩薩さまを中心に手綱を執る優填王(うてんおう)・仏陀波利三蔵(ぶっだはりさんぞう)・最勝老人(さいしょうろうじん)の四躯に、欠失していた善財童子が新調され、 渡海文殊形式となっています。
 こちらの文殊さま、端整なお顔立ちで美しい~
 また獅子も気迫が漲り、静と動の対比でバランスの良いカッコイイ文殊さまでした。

 右の吉備観音は、吉備真備ゆかりの千手観音で(重文)だそうです。
 どっしりとした観音様でした。
 吉備真備坐像は、きりりと引き締まったお顔で、実務に長けた切れ者という印象です。

 御影堂の奥には大方丈となっており(拝観料600円)、こちらには新撰組の近藤勇が松平容保に拝謁した部屋や、襖の開き閉めで見え方が変わる久保田金遷の虎の襖絵、今尾景祥の松の図の襖絵の部屋がありました。

 伊藤若冲のの「鶏図屏風」や円山応挙の「双鶏・兎木賊組図」などの屏風や衝立もありました。
 とくに、応挙の衝立は、応挙の絵があまりに写実的なので鶏や兎が逃げないように、網をかけて保管していたそうです。
 で、その衝立に網の目が写っていました。
 それでも、鶏の雛はいなくなったそうです。
 なかなか面白いエピソードですね(笑)。

 この他にも、信長の「天下布武」の朱印状も展示されていました。

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 これらの寺宝を見た後は、お庭散策です。
 こちらのお庭は、広くてとても気持ちがいいです。

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 大方丈の東側には、法然上人の生涯を石で表現した「紫雲の庭」と、池泉式回遊庭園があり、自由に散策できるのが良かったです。

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 緑の多いお庭を歩いていると、自然に心が落ち着いていきました。

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 石畳も凝っていて、花や亀がいましたよ。

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 お茶室も2つありました。
 紫雲亭と花峯庵です。

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 いつまでも散策したい気分になりますが、一巡して出口付近にくるときれいな梅が咲いていました。

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 そして、こんなかわいいカエルさんも。
 私はカエルが苦手なのですが、このカエルさんなら大丈夫です(笑)。

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 外に出てみると、熊谷直実が鎧をかけたという立派な松がありました。
 ただし、この松は2代目だそうです。

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 かっこいい文殊さまが安置されていた三重塔にも行ってみることにしました。
 お墓の丘の頂上にありましたので、フーフー言いながら到着。
 すごく見晴らしが良かったです。

 この日はお彼岸だったので、お墓参りの人がたくさんいらっしゃいました。
 浅井三姉妹の江の供養塔もこの辺りにあるとのことで、供養塔はどこかな?と独り言を言ってしまったら、お墓参りの人が親切に場所を教えてくださいました。
 自分では気付かなかったのですが、結構大きな声で言ってしまっていたのでしょう(笑)。
 それでも人の優しさに触れたように感じ、心が温かくなりました
 
 江の遺髪を納めた供養塔は、ちょっと写真を撮るのははばかられたので画像はなしです。
 三重塔に行く道すがら、竹内栖鳳先生の墓云々と書いてる標がありましたが、「云々」箇所が読みにくく探したのですが、見つかりませんでした。
 栖鳳もここで眠っていたのですね。

 広く清々しい明るいお寺でした。
 見に行って良かったです。
 お庭等は入れませんが、このお寺は桜もきれいですから、これからの季節オススメです

金戒光明寺 
 住所:京都市左京区黒谷121 TEL:075-771-2204
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