大阪市立東洋陶磁美術館 「ルーシー・リー展」('11.2.12 Sat)

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 昨日、用事で日本橋方面に行った後、中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館に行って来ました。

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 こちらでは「ルーシー・リー展―ウィーン、ロンドン、都市に生きた陶芸家」展('10.12.11~'11.2.13まで。観覧料900円)が開催されています。

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 会期終了の前日に行ったためか、P.M.2時半ぐらいの時点で大行列です。
 この美術館でこんなに行列ができているのを見るのは初めてです。
 展覧会を観てから実家に行く予定だったのですが、先に実家に帰ってからもう一度来ることにしました。
 でも、ちょっと遅くなって美術館に着いたのは、P.M.6時20分頃。
 約30分ぐらいしかないので、急いで周ります

 この展覧会では、ルーシー・リーの作品を年代を追って紹介しています。
 私はルーシー・リーのことはほとんど知らず、また陶芸の方も現在展覧会を観て勉強中なのであまりよくはわからないのですが、初期の作品は色も造形も日本の焼き物によく似ています。
 初期の作品は、ウィーン工房タイプ、前溶岩釉タイプ、バウハウスタイプに分けられるそうですが、とくに前溶岩釉タイプの作品がそう感じました。
 重くどっしりとした作品ではありますが、自分のものにしているというよりは、真似というような印象です。

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 それが、ハンス・コパーという未来の芸術家と出会い、共同制作をするようになってからの作品は、色も形も一気にハイセンスになり、垢抜けていきます。
 そして円熟期を迎えると、まるで花が咲いたように、鮮やかなピンクやブルー、そうかと思うとまるでミルクを足したような柔らかい優しい色やマーブルなどの美しい色合いの作品になり、観ていて「わぁ!」と歓声を上げたくなるような、軽やかな美しさを持った作品になります。
 ピンクに白が混ざって、まるで苺ミルクのような色の鉢、かわいかった~
 形も、シャープですが鋭すぎず、センスの良さが感じられます。
 模様の線文が美しさにアクセントをつけており、かわいさの中にキュッとしまったクールさも感じられ、女性が喜ぶような要素が全て入っているため、たいていの女性は、ルーシーの作品を観るとウキウキするのではないでしょうか

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 これらの作品を通してみると、先日見た河井寛次郎(その時の拙ブログはこちら)とルーシー・リーの生き方が重なってみえました。
 2人とも陶芸の才能があり、釉薬の研究に興味を持ち独自の作品を作り上げることができていたのですが、人と出会い影響を受けることによって、自分の求めているものが何かを追求していき作風を変えていきます。
 最終的には、河井寛次郎は陶芸を含めて、色んな素材の中に自然への祈りを織り込みながらも力漲る奔放な作品を、ルーシー・リーはかわいさ、優しさ、美しさなど女性が基本的に求めるようなものを全部詰め込んだような作品を作っていきます。
 具体的に求めて得たものは両者全く違いますが、精神的にはどちらも抑圧からの解放であり自由であるように思います。
 
 調べてみると、河井寛次郎の方が約10年ほど早く生まれているのですが、同時代に生きています。
 2人とも第二次世界大戦を経験しており、河井は戦時中は材料不足から焼き物を作ることができず詩作に励んだそうですが、戦後は先述したように自由奔放な作風になっていきます。
 ルーシーも第二次世界大戦中から戦後にかけて好きなものが作れず、ガラスと陶器による小さいけれどかわいく美しいボタンを多数作っています。
 それが当時制限された生活を強いられていた女性たちに一筋の光明を与えていたそうです。
 そして、ルーシーは先述したように、戦後は大人の乙女心がいっぱい詰まった作品を作っていきます。
 どちらも作品から明るい印象を受けます。
 それは、もしかすると開放感による喜びが作品に投影されているからかもしれませんね。
 そしてもう一つ両者に共通しているのは、苦難の中にあっても自分の作品作りを忘れず、時を無駄にしない陶芸への想い、これが最も似ているところではないでしょうか。
 なんか芸術家のプライドを見せてもらったような気がします。

 ルーシー・リー展の図録は2500円です。
 ちょっと高くて私は見送りましたが、作品集のような美しい図録でしたよ。

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 外に出ると、ライトアップされた中之島公会堂の美しい姿が見れました。

 大人の女性のセンスが感じられるルーシー・リーの世界、良かったです!
 大阪での展覧会は、本日(2/13)までです。
 興味のある方は是非どうぞ。陶芸に興味のない方でも目の保養になりますよ

 なお、大阪での展覧会の後、三重のパラミタミュージアム('11.2.26~4.17)山口県立萩美術館・浦上記念館('11.4.29~6.26)に巡回するみたいです。
 三重と山口の方もお楽しみに

大阪市立東洋陶磁美術館
 住所:大阪市北区中之島1-1-26 TEL:06-6223-0055
 開館時間:現在延長しており9時半~19時まで(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜、年末年始
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こんにちは。

あまりの勢いに、ついて行けません(汗)。
今日の「ルーシー・リー展」なんとか追いつけそうです(笑)。私も器にはほとんど無知なのですが、このピンク色の盃状の器は気に入りました。なかなかどうしてれでぃさんは、もともと鑑識眼に優れていらっしゃるのでは?そしてそのような環境でお育ちになったような気がします。図録2500は、うーん!です(笑)。

Re: こんにちは。

> あまりの勢いに、ついて行けません(汗)。
えーっと、それは内容的に暴走しているということでしょうか?
最近、寝不足気味だからかなぁ。(と、体調のせいにしてみる。笑)

ルーシー・リーの作品、本当にどれもきれいでしたよ。
図録2500円は高すぎましたが(笑)。
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