とある婦人の忘備目録

展覧会、映画、お寺などを観ること、食べることを中心に感想を綴っていきます。

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大丸ミュージアムKOBE 「近代日本絵画のあゆみ」展('11.1.23 Sun)

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 今日は神戸の展覧会巡りに行って来ました。
 まず最初に行ったのは、神戸元町にある大丸ミュージアム神戸で開催されている、「ウッドワン美術館所蔵 近代日本絵画のあゆみ」展('11.1.12~1.24まで。入場料800円)です。

 ウッドワン美術館というのは、私は今回初めて知った美術館なのですが、展覧会を観てびっくり!
 近代日本の洋画・日本画の主な画家の作品がずらりと並んでいるのです。
 それも作品を一目見て画家の名前が出るような、画家の特徴がよくでた作品ばかりです。
 ですが、ほとんどの作品が初めて観るものだったので、展覧会の始めから終わりまでずっと驚嘆・興奮のしぱなっしでした(笑)。

 展示の一番最初が、岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」です。
 デロリ系ではなく、きれいな顔の麗子像な上に、毛糸の肩掛けのリアルなこと!
 まさに劉生の真骨頂の作品です。
 この絵が展覧会のメインになってもおかしくないのに、この作品がトップバッターだなんて後は大丈夫かしらんと思っていたら、なんのなんの、青木繁、黒田清輝、藤島武二、高橋由一と大御所の絵が続く、続く。
 もう知らず、知らずのうちに、凄いと何回呟いていたことか!

 極めつけは、藤田嗣治の作品群です。
 3点の通常サイズの作品は、どれもフジタらしいすごく良い作品だったのですが、それに縦244.6cm×横968cmの「大地」という大壁画がドーンと展示されています。
 絵の意味的なものはよくわかりませんが、人間も動物も同じように大地の上に立ち、そして同じように寝そべる雄大な群像作品です。
 作品的には、「ディナー・パーティ」や「EVE」の方が好みですが、この大壁画が百貨店の展覧会に展示されていることに圧倒されました。

 個々の作品の感想を書いているとキリがないのですが、それでも鴨居玲の「サイコロ」のことは書いておかなければ(笑)。
 暗い画面の中に赤いテーブル、そのテーブルの上にはサイコロが入ったつぼが一つ。
 3人の人間がそれぞれの思惑を込めて、そのつぼを見ています。
 3人の人物の目はほとんど塗りつぶされているので、表情らしきものはわからないはずなのに、期待とあきらめの予感が入り混じった表情が伝わってくるのです。
 そして、その3人の結末がどうなるかを知るために、見ているこちらもそのつぼに視線を合わせます。
 作品を見る私たちがその絵の4人目の登場人物になるのです。
 永遠に結果を確かめることのない賭け事になのに。
 なんかものすごい緊張感のある絵でした。

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 良かったのは洋画だけではありません。
 日本画部門も素晴らしい!
 竹内栖鳳や横山大観、川合玉堂、速水御舟、小林古径、川端龍子など近代日本画の大御所の作品は一揃い揃っています。
 どれも良かったのですが、やっぱり上村松園の作品は良かったですね。
 とくに「舞仕度」は、上品で美しい上に描写が細かい。
 鼓の芯の部分に、金地に黒の鈴虫まで描いてあり、着物の柄とあわせて考えると、これは秋の催しだったのかなと思います。

 以前、松園の展覧会を観たとき、松園と鏑木清方を並べて観たいと思ったのですが、今回は並べて展示されていました。
 やはり、2人の作品は似ていると思います。特に初期の作品は。
 ですが、今回の作品に限っていえば、松園の方が描写が繊細な気がします。
 どちらも美しいのですけどね。

 福田平八郎、小野竹喬、山口華楊、上村松篁、東山魁夷、小倉遊亀、平山郁夫、加山又造などが続き、最後に石本正の作品で終わります。

 いや~、本当に見応えのある展覧会でした。
 ここの美術館は、画家の名前だけで作品を集めているのではなく、ちゃんとその画家の良さがでている作品だけを集めていることに感心しました。
 それだけに、これだけの作品を集めるのは大変だったのではないかと思います。
 この美術館の所蔵品だけで、近代日本の絵画を諦観できる内容ですものね。
 とにかくすごいです。

 この展覧会の図録ではないのですが、そのほとんどが載っている「ウッドワン美術館所蔵名品集」は2000円でした。
 解説もしっかり書いてありますし、この内容で2000円は安いです。

 この展覧会は明日(1/24)までです。
 うちは行くのが会期終了ギリギリになってしまいましたが、観れて良かったと思いました。
 オススメの展覧会ですので、まだの方はお見逃しなく!
 
大丸ミュージアムKOBE
 住所:神戸市中央区明石町40 大丸神戸店9階 TEL:078-331-8121(代表)
 開場時間;10時~20時(最終日は17時まで。入場は閉場の各30分前まで)
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  1. 2011.01.24 (月) 21:51
  2. URL
  3. 水無月
  4. [ edit ]

こんばんは

展覧会ごらんになったのですね。
画家の多さにビックリなさったでしょう(笑)
ずらっと並べられると迫力ありますよね。
岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」は、やはり素晴らしかったですね。
「サイコロ」は小磯記念美術館での図録では、三人の人はテーブルの左側に描かれていますが、今回の絵は確か右側にいたように記憶しています。同じタイトルの絵が何枚もあるのでしょうね。
古賀春江さんはいつものちょっと変わった絵ではなかったので、それだけ心残りでした。
もっと日本画家のいい展覧会を関西で開催して欲しいですね。
  1. 2011.01.25 (火) 00:53
  2. URL
  3. Ms.れでぃ
  4. [ edit ]

確かに。

こんばんは。展覧会、良かったです。
画家の多さよりも、内容の濃さに驚嘆しました。瞳孔が散大してしまいました(笑)。
私立でこれだけ質の良い作品を持ってる美術館って、そうないですもんね。

鴨居の「サイコロ」、おっしゃるとおり、この展覧会の絵では右半分に描かれていましたね。
私も小磯記念館での図録を引っ張り出してきました(笑)。
左版より今回の右版の方が、緊張感があるように思います。
でも、どちらの絵も赤がものすごくきれいですよね。

鴨居の絵を観ると、私の頭の中ではすぐに「俺の話を聞け~♪」(「タイガー&ドラゴン」)という歌がかかります(笑)。

今回の古賀春江の「花」は、ちょっと抽象画っぽくて、いつものキレや明快さはなかったですが、あちこちにいろんなものを置く配置は古賀春江っぽいと思いません?

> もっと日本画家のいい展覧会を関西で開催して欲しいですね。
ほんと、ほんと。東京で開催される展覧会は、全部関西にも来て欲しい。
そんでもって、関西企画の展覧会もたくさん開催して欲しいです(笑)。

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