INAXギャラリー大阪 「夢みる家具 森谷延雄の世界」展('11.1.21 Fri)
今日は健康診断で本町駅に来て、思ったより早く終わったため、INAXギャラリーさんに寄ってみました。
現在こちらでは、「夢みる家具 森谷延雄の世界」展('10.12.4~'11.2.17まで。入場無料)が開催されています。
森谷延雄(1893-1927)は、大正時代に活躍した家具デザイナーで、1923年の関東大震災後の復興期にあって、簡便堅牢という当時の潮流に逆行し、ロマンティシズム的な室内装飾を手がけたそうです。
また、中流家庭に向け、日本人の感性と生活に合った新しい洋家具を普及させることも目指したそうですが、観賞用の芸術的な家具も、一般用の日常的な家具も詩を奏でるものであって欲しいという願いが込められているそうです(INAXギャラリープレスリリースより引用)。
展覧会では、当時展覧会に出品した「ねむり姫の寝室」、「鳥の書斎」、「朱の食堂」という作品に登場する「夢みる家具」4点と、一般普及用にと考え、森谷が主宰した「木のめ舎」という家具製作工房の作品4点の展示を中心に、森谷のスケッチなどを含めて展示されています。
今回の展示では、上記の展覧会用作品の部屋の復元の大部分は写真で、1点だけ家具が実在するという形式だったので、全て復元されていた時の印象とは異なると思いますが、部屋の名前から受け取れるイメージのようにメルヘンタッチの甘い作品いうよりは、かわいさと実用性が融合されてはいますが、使い心地の良さそうな家具という印象です。
展示品は椅子が多かったのですが、背もたれはハートのようなカーブがつけられカワイイのですが、そのかわいいデザインよりも、腰掛部分が広くて座り心地が良さそうなところに私は目が行きました。
足置きもクッションが良さそうで、「椅子に座って足をあの足置きに乗せたら気持ちが良いだろうな」とうっとりと想像してしまいました。
「木のめ舎」の作品は、展覧会用のと比べて、昔の和室に似合いそうなもう少しかための作品になっていますが、それでも使い勝手が良さそうです。
森谷延雄という人のことは今回初めて知ったのですが、森谷の作品は、デザインだけの家具ではなく、使い心地ということを一番に考え、かつ、詩情豊かであることを考えた家具であると思います。
この「詩情」というのは、家具そのものを見て起こるというよりは、この家具を使う人があまりの使い心地の良さに王侯貴族気分を夢みることできるという意味ではないかと、現代に生きている私は思いました。
森谷の言葉として、「家具はオフィスの家具と同じであってはならない」というような意味のことが書いてあったと思うのですが、それは、家具は人を癒す手伝いをするものなので、機能的だけの無味乾燥なものでは人に安らぎを与えることはできないということではないかと思います。
目的のためにまっすぐな道を進むことが指向されていた当時の世の中の考え方に対し、ゆとりも必要なのではないか、ゆとりがあるからこそ快適さが得られ、明日への気力につながるのではないかという森谷の主張が家具に込められているような気がしました。
現代はゆとりのある時代なのか、それとも、ない時代なのかは判断できませんが、今の世の中にあっては、森谷はどんな家具を作るのか興味がありますね
INAXギャラリー大阪
住所:大阪市中央区久太郎町4-1-3伊藤忠ビル1階INAX大阪ショールーム内 TEL:06-6733-1790
開館時間:10時~17時 休館日:水曜、年末年始
現在こちらでは、「夢みる家具 森谷延雄の世界」展('10.12.4~'11.2.17まで。入場無料)が開催されています。
森谷延雄(1893-1927)は、大正時代に活躍した家具デザイナーで、1923年の関東大震災後の復興期にあって、簡便堅牢という当時の潮流に逆行し、ロマンティシズム的な室内装飾を手がけたそうです。
また、中流家庭に向け、日本人の感性と生活に合った新しい洋家具を普及させることも目指したそうですが、観賞用の芸術的な家具も、一般用の日常的な家具も詩を奏でるものであって欲しいという願いが込められているそうです(INAXギャラリープレスリリースより引用)。
展覧会では、当時展覧会に出品した「ねむり姫の寝室」、「鳥の書斎」、「朱の食堂」という作品に登場する「夢みる家具」4点と、一般普及用にと考え、森谷が主宰した「木のめ舎」という家具製作工房の作品4点の展示を中心に、森谷のスケッチなどを含めて展示されています。
今回の展示では、上記の展覧会用作品の部屋の復元の大部分は写真で、1点だけ家具が実在するという形式だったので、全て復元されていた時の印象とは異なると思いますが、部屋の名前から受け取れるイメージのようにメルヘンタッチの甘い作品いうよりは、かわいさと実用性が融合されてはいますが、使い心地の良さそうな家具という印象です。
展示品は椅子が多かったのですが、背もたれはハートのようなカーブがつけられカワイイのですが、そのかわいいデザインよりも、腰掛部分が広くて座り心地が良さそうなところに私は目が行きました。
足置きもクッションが良さそうで、「椅子に座って足をあの足置きに乗せたら気持ちが良いだろうな」とうっとりと想像してしまいました。
「木のめ舎」の作品は、展覧会用のと比べて、昔の和室に似合いそうなもう少しかための作品になっていますが、それでも使い勝手が良さそうです。
森谷延雄という人のことは今回初めて知ったのですが、森谷の作品は、デザインだけの家具ではなく、使い心地ということを一番に考え、かつ、詩情豊かであることを考えた家具であると思います。
この「詩情」というのは、家具そのものを見て起こるというよりは、この家具を使う人があまりの使い心地の良さに王侯貴族気分を夢みることできるという意味ではないかと、現代に生きている私は思いました。
森谷の言葉として、「家具はオフィスの家具と同じであってはならない」というような意味のことが書いてあったと思うのですが、それは、家具は人を癒す手伝いをするものなので、機能的だけの無味乾燥なものでは人に安らぎを与えることはできないということではないかと思います。
目的のためにまっすぐな道を進むことが指向されていた当時の世の中の考え方に対し、ゆとりも必要なのではないか、ゆとりがあるからこそ快適さが得られ、明日への気力につながるのではないかという森谷の主張が家具に込められているような気がしました。
現代はゆとりのある時代なのか、それとも、ない時代なのかは判断できませんが、今の世の中にあっては、森谷はどんな家具を作るのか興味がありますね

INAXギャラリー大阪
住所:大阪市中央区久太郎町4-1-3伊藤忠ビル1階INAX大阪ショールーム内 TEL:06-6733-1790
開館時間:10時~17時 休館日:水曜、年末年始
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