とある婦人の忘備目録

展覧会、映画、お寺などを観ること、食べることを中心に感想を綴っていきます。

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西宮市大谷記念美術館 「日本画-自然と美を描く」展

 昨年のネタもそろそろ終わったので、今年の話に移りますね

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 今年、最初に行った美術館は、阪神香櫨園駅から10分ぐらいのところにある西宮市大谷記念美術館です。
 こちらでは、毎年所蔵品による新春の日本画展が開催され、今回のテーマは「日本画-自然と美を描く」展('11.1.2~2.13まで。観覧料500円)です。

 この美術館の展示室は4室に分かれており、第1室目は大きな屏風がぐるりと展示されており、雄大な世界が楽しめました。
 屏風はケースに入っておらず、ものすごく近いところまで接近して観ることもできますし、少し距離を離して観ることもでき、堪能できます。

 昨年、この部屋の入口真正面に飾ってあったのは山下摩起の「雪」(看板の写真&下のチラシの写真最下段図)で、この作品を観て、雪の一瞬の描写の素晴らしさに感動したのですが(その時の拙ブログ記事はこちら)、今年は部屋の左側に展示され、今年の正面は橋本関雪の「後赤壁図」と福田眉仙の「興隆灘図」でした。
 どちらも雄大な景色です。

 眉仙は、穏やかな川の流れが右上から左下へと縦に長さが感じられ、関雪は横に広く穏やかな海の大きさが広がり、違う作品ではありますが、川から海へと続く長久な自然の営みと大きさが感じられ、新春を飾るにふさわしい作品展示だと思いました。

 部屋の右手は富岡鉄斎、右後方は下村良之介の闘鶏シリーズ2枚と軍鶏絵馬白・黒各1枚の展示です。
 下村の鶏は伊藤若冲のオマージュとのことでしたが、下村の鶏は若冲の鶏を更に誇り高く孤高にしたような印象ですが、紙で出来ているような鶏は鋭く、少し痛々しく感じました。

 悠久な自然と、闘うことを余儀なくされている鶏の対比は、現在の社会の縮図のような気もしました。

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 第2室は掛軸の展示です。
 この部屋の山本春挙の「雪渓遊鹿図」(チラシ3段目右図)、美しい!!
 吹雪く手前の雪景色は、明るいけれど静かで近寄りがたい白と黒の世界。
 ですが、画面の左端に鹿の群れが走っている姿が、小さく色を着けて描かれています。
 それにより、絵に生(せい)の明るさが点ったように感じられました。
 鹿が遊んでいるというよりは、吹雪く前に急いで家に帰ろうとする姿に私には見えましたけどね(笑)。
 この絵は、私の今展覧会のイチオシです。

 その隣に展示されていた、同じく春挙の「渓山密雪図」の雪景色も良かったですよ。

 第3室は、花鳥画の部屋でした。
 どれも日本画らしい、美しい絵の数々で、観ているだけで気持ちが明るくなります

 児玉希望の「泉声鳥語」は、滝の周りに飛んでいる鳥の青がすごくきれいでした。
 大阪市立美術館にも「枯野」という色がすごくきれいな雰囲気のある作品があります。
 児玉希望の作品をまとめて観てみたいですね。

 冨田渓仙の「波に千鳥」は、鳥がめちゃかわいい。

 小林古径の「うそ」は、古径らしい上品で端整な鳥の絵でした。

 西村五雲の「冬暖」は(チラシ3段目左図)、お猿さんの顔がディズニーの絵みたいでかわいいですよ。

 そして、堂本印象の「朝日清暉」。
 今年も明るくお正月らしい雰囲気を味わえました。
 
 第4室は美人画の部屋です。
 上村松園の「清韻」(チラシ1段目右図)、伊藤深水の作品がズラリと並びます。
 深水は6点も展示されています。

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 中でも「吹雪」という作品が2点展示されているのですが、2点とも美しい
 上のポスターの絵は横型の「吹雪」なのですが、縦型の作品の方も降りしきる雪を傘でよける立ち姿が風情のある美しい作品なんですよ。
 こんな雪の中、どこに行くのか気になりますね。
 私は、どちらかといえば縦型の作品の方が好みです。

 この他にも奥村土牛の「初夏」や、福田平八郎の「竹」など、爽やかな作品もいっぱい。
 新年早々良い絵が観れました

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 外のお庭にも回ってきました。

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 いつもある彫刻なのですが、今年はウサギ年なのでパチリ

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 梅の蕾はまだ固いですが、春は近付いてきているみたいですね

西宮市大谷記念美術館 
 住所:西宮市中浜町4-38 TEL:0798-33-0164
 開館時間:10時~17時(入館は16時半まで) 休館日:水曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
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  1. 2011.01.10 (月) 11:59
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こんにちは。

さすがは、れでぃさん。
守備範囲がとても広い。
半分は私が知らない画家ばかりです。
いながらにして、れでぃさんの案内でいろいろ見せて貰える贅沢さ。よかった(^^)!
そうそう、東京にいらっしゃることがわかっていたら、山種美術館をおすすめするのでした。
ここにはご存じ、速水御舟のコレクションで有名なところです。なかでも「炎舞」は初めて見たときから虜になってしまいました。いつもこの絵の前で長時間立ちすくんでいます。
  1. 2011.01.10 (月) 22:02
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  3. Ms.れでぃ
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こんばんは。

関西の美術館には、京都画壇の作品が多いのです。
ですから、ご存知ない画家もいるのかもしれませんね。
でも、京都画壇の画家の作品は、すごく良いのですよ。
常設展示している美術館が少ないのが難ですが、京都市美術館の所蔵品展(日本画部門)時に是非京都においでくださいませ。
京都画壇の虜になること、間違いなしです(笑)。

山種美術館は、私もお気に入りの美術館の1つです。
この前は、ちょっと時間がなくて行けなかったのが残念でした。
速水御舟の「炎舞」、私も観ましたよ。
赤が妖しくも美しく、まるで絵に描かれている蛾のように私も惹きつけられました。

「炎舞」の色鮮やかさとは正反対ですが、東京国立近代美術館の「夜梅」も優雅で静かな美しい絵ですよ。

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基本的には、遊びに行って、お昼を食べて、おみやげに家で食べれるものを買って帰るというパターンになっています。(最近パターン通りになっていませんが)
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