とある婦人の忘備目録

展覧会、映画、お寺などを観ること、食べることを中心に感想を綴っていきます。

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兵庫県立美術館 「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展('10.11.20 Sat)

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 さて、この日最後に紹介する展覧会は、「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展('10.10.21~12.26まで。観覧料1300円)です。
 スイスのヴィンタートゥール美術館は、ヨーロッパの近現代の良質なコレクションを誇っている美術館だそうです。
 そのコレクションの中から約90点が今回出品され(全てが日本初公開!)、19世紀半ばから20世紀の半ばまでの約100年間のヨーロッパ美術の変遷を年代順に紹介しています。
 それと同時に、スイス・ドイツの美術も紹介されていました。

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 この展覧会は巡回展で、チラシも巡回展用と兵庫県立美術館用の2種類ありました。
 微妙に違っていますので、どちらも載せておきますね

 ヨーロッパ近代美術といえば、印象派の絵画です。
 印象派以前の絵画はアカデミックな絵画が主流で、題材は神話・宗教画が最も高尚なもので、次に肖像画、風景・風俗画は絵画としては低い位置に置かれていたのですが、印象派の絵画はその序列を覆したのが画期的で新しいことであったため、美術史上では重要なポイントになっています。

 ということで、第1章では印象派以前のドラクロワから印象派までの絵画が展示されていました。
 ルノワールやピサロ、シスレーなど印象派の作品がずらりと並びます

 シスレーの作品は、輪郭線に黒を使わず光の色を描くので、画面が明るく美しい絵になっています(チラシの青い空に、白っぽい建物が描かれている絵)。
 モネの絵もあったのですが、モネは初期の作品だったためか、あまり印象派らしくない絵でした(チラシ右中央の船の絵)。
 ルノワールは4点来ていたのですが、ルノワールらしくない暗い色使いの絵から、らしい明るくきれいな絵、晩年の特徴がよくでている水浴シリーズの1枚など、ルノワールだけでもいろいろ楽しめました

 第2章は、印象派以後の時代として、目に見える色を忠実に再現する色使いの印象派の手法から更に進んで、ゴッホのように絵画表現として良いと思った色を大胆に使っていく絵画や、人間の内面的なものを描く象徴主義の絵画が展示されています。

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 今展覧会目玉のゴッホの「郵便配達人」がここに展示されています。
 背景が黄色で郵便配達人の服が青で、黄と青の補色が大胆に使われています。
 チラシは、ここに赤を使っているのでスゴイ色使いになっていますが、実際の展示では絵の周囲を制服の色に近い紺色にしているため、落ち着いた色合いの良い絵だと思いました。
 これは美術館の展示の仕方に拍手ですね

 象徴主義の絵画としては、ルドンの絵が3枚来ていました。
 ルドンらしくない写実的な絵から、らしいぼんやりとした色使いの内省的な絵、きれいな花の絵と、違う種類の絵が観れて良かったです

 第3章は、フランスが印象派から象徴派に変る頃、スイスやドイツの絵画はどうだったかを紹介しています。
 このコーナーのメインは、スイスのホードラーです。
 ホードラーの作品は、印象派の色使いで象徴主義の絵を描いているという感じです。
 ホードラーは、自画像を100枚ぐらい描いているそうで、今回は2枚展示されていました。
 少し離れて見ると、明るく存在感のある良い絵です。

 アルベルト・アンカーの「コーヒーとコニャック」という絵は、陶器の質感が素晴らしい絵でした
 これは目を惹きましたね。

 彫刻家のジャコメッティのお父さんの絵も2枚来ていました。
 お父さんは画家だったのですね。

 第4章は、ナビ派から20世紀へということで、19世紀から20世紀への世紀の変わり目に活躍したナビ派の作品、更に20世紀に活躍した画家が勢揃いです。
 ナビ派の代表的画家ボナール6点、ヴァイヤール4点、20世紀の画家として、ヴラマンク、ユトリロ、マルケなども併せて展示されています。

 ナビ派の特徴は、平面的で装飾的な絵画が多いです。
 今回の絵画は、その特徴がよくわかる作品が揃っていました。
 でも、私の好きなボナールのマルトシリーズがなかったのが残念。

 マルケの絵は、相変わらず離れて見るとすごくいい絵ですね
 
 第5章は、同時期のスイスの具象絵画として、ヴァロットンという画家の作品が5点来てました。
 後のシュルレアリスムに影響を与えたんですって。

 第6章、第7章は20世紀の表現主義、キュビズムから抽象画への変遷として、ドイツ系の
ココシュカ、ベックマンなどの濃い絵から、ピカソ、ブラック、レジェなどだんだんと形が崩れていく絵画が展示されています。
 なんか形の再構築という感じですね。

 そして最後の第8章は、素朴派から新たなリアリズムへということで、ルソー、ボーシャンなどの絵画、モランディの静物画などが展示されています。
 このモランディは、あまりリアルには見えなかったのですけどね。

      winterthur2.jpg 
 ルソーの巨大子どもの絵、面白いですね。
 全体的なまとまりより、描きたいものをしっかり描くのがルソーの特徴なのだそうです。
 子どものたくましさを描きたかったのですかね(笑)。

 ルソーの「花束」という絵は、落ち着いてシュッとした花と花瓶が描かれており、きれいでした
 
 彫刻家のジャコメッティの作品もここにありました。
 彫刻だけでなく、絵画もあったのが珍しかったです。
 うーん、私としては、ジャコメッティはやっぱり彫刻の方が良いかな(笑)。

 図録はB5版ぐらいの大きさで、2200円でした。

 この展覧会で、19世紀から20世紀の美術史が諦観できるだけでなく、あまり知られていない同時代のスイスの美術も知ることができ、勉強になりました。
 また、同じ画家でも全く違う種類の絵が展示されており、こんな絵も描いていたのかと新たな発見ができたのも良かったです。
 楽しい展覧会でした

 なお、この展覧会は兵庫県立美術館での展覧会が終了した後、2011年1/21~3/27まで長崎県美術館に巡回するみたいですので、長崎の方も楽しめますよ
 
兵庫県立美術館 
 住所:神戸市中央区脇坂海岸通1-1-1 TEL:078-262-0901
 開館時間:10時~18時(特別展会期中の金曜、土曜は10時~20時まで。入場は閉館の各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日の火曜)、年末年始(12/31~1/11)、メンテナンス休館
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