奈良 吉野寺社巡り③ 吉野水分神社('10.10.1 Fri)

如意輪寺を行きと反対側の山門から出て、上千本の方に向かいました。
如意輪寺山門近くに、県の天然記念物のコウヤマキ(高野槙)の群落があります。
コウヤマキは現在では日本特産の植物ですが、外国では絶滅してしまい、化石でしかみることができないため生きた化石植物とされ、日本でも関西、中部、四国、九州の一部に子孫が残っているだけという貴重な植物なので、県の天然記念物に指定されているのだそうです。
なかなかクセのありそうな木ですね(笑)。

車道を上千本まで歩いたのですが、舗装道路なので上りですがまだ歩きやすいです。
さっきまでいた如意輪寺も小さくなってきました。


更に歩くと、御幸の芝というところに来ました。
後醍醐天皇が大勢のお供の方とこの辺りに御幸された時、お天気が崩れ観音堂に入って雨宿りをしていた時に歌をお詠みになったところ、お天気が急に回復したそうです。
それでこの台地を御幸の芝と呼ぶようになったそうです。
近くにはその歌碑も建ってました。
景色が良くて、遠くに金峯山寺も見えます(ここからの景色だったと思います)。


道々、彼岸花がきれいに咲いています。
昆虫もいっぱい見ましたよ。
昆虫の写真も撮りながら、てくてく歩きます。


ちょっと横にそれて、吉野展望台の方に行ってみました。
金峯山寺が見えます。
山の尾根に沿って建物が連なってます。
こうやって見ると、金峯山は、吉野山から大峰山に至る峰続きを指し、修験道の塔頭が多くあったということがよくわかりますよね。
あそこからここまで歩いてきたんですよ。
すごいな~と我ながら感心してしまいました(笑)。
この展望台の近くには、日本三古鐘の1つで重文の吉野三郎鐘があったのですが、それがそんなに有名な鐘だと知らずに、写真も撮らずにスルーしてしまいました。
もったいないことをしてしまった・・・


やっと鳥居が見えてきました。
着いたのは「吉野水分神社」です。


楼門もあります。
赤い鳥居と色が重なり、なかなかきれいな楼門です。


門の普通なら仁王さんがいらっしゃるところに、豊臣秀頼ゆかりの品々が置いてありました。
なぜかふくろうも(笑)。

門を通ると、真ん中が庭みたいになっており、向かって左が回廊と建物、右が本殿のコの字型になっています。
「吉野水分(よしのみくまり)神社」は、主祭神は水を司る天之水分大神(アメノミクマリノオオカミ)で、高皇産霊神(タカミムスビカミ)、少名彦神(スクナビコナガミ)、玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)等が祀られています。
「水分」とは「水配」のことで、水を田畑に程よく配分する神様をお祀りしているので田植え祭が盛大だそうです。
その神事は無形文化財に指定されているそうです。
また、平安時代頃から「みくまり」がなまって「みこもり」になり、子守明神と呼ばれ子授けの神として信仰を集めるようになったそうです。
豊臣秀吉もここにお参りして、秀頼が授かったとのことです。
その関係からか、現在の社殿は秀頼によって創建されたそうです。
桃山時代の代表的な神社建造物として、建物全体が重文に指定されているそうです。

本殿は正面の3ヶ所に破風があり、中央に春日造の正殿(天之水分大神)、左殿(高皇産霊神・少名彦神・御子神)、右殿(天津彦火瓊瓊杵命・玉依姫命・天萬栲幡千幡比命)に流造の三殿を横に繋げた形の珍しい形式で「水分造」というそうです。

中央の主殿です。

回廊沿いの建物も趣があります。

回廊には西行法師の像がありました。
奥千本には西行庵もありますので、その関係ですかね。
そんなに大きな神社ではありませんが、なんかオーラを感じる神社でした。
なんとなく気分が引き締まりました

吉野水分神社
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山1612 TEL:0746-32-3012
拝観時間:8時~16時(4月は17時まで)
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