神戸市立博物館 ボストン美術館浮世絵名品展('10.9.18 Sat)

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 この日は、神戸方面に美術館巡りと映画を観に行ってきました。
 まず最初に紹介するのは、神戸市立博物館で開催されている「ボストン美術館浮世絵名品展」('10.8.14~9.26まで。観覧料1400円)です。

 この博物館の展覧会は、いつも表玄関のところに違った種類の看板が掛けられ、展覧会を盛り上げてくれます。

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 今回の展覧会は、前期浮世絵の黄金期の代表画家、鳥居清長(写真中央)、喜多川歌麿(写真左)、東洲斎写楽(写真右)を中心にした展示だそうで、看板もその3枚が飾られていました。

 春には奈良国立博物館の「大遣唐使展」で来ていた「吉備大臣入唐絵巻」もボストン美術館所蔵ですし、つい先日、京都市美術館で西洋絵画の「ボストン美術館展」で作品がたくさん来ていたのに(その時の記事はこちら)、同じ時期に浮世絵も貸出しするなんて、ボストン美術館は太っ腹だなと思っていたら、今現地のボストン美術館は一部改装工事中だったんですね。
 おかげで、日本にいながらにして名品が観られてラッキーです

 そのボストン美術館なんですが、公立の美術館ではなく民間の美術館だったのですね。
 有志が美術品を寄贈して、今や所蔵品は50万点以上だそうです。

 日本美術品も多数所蔵しており、それらの多くは大森貝塚発見のモース、モースの知人だったフェノロサ、そして同じくモースの友人で医師のビゲローの蒐集品だそうです。
 その中でもビゲローのコレクションは、肉筆浮世絵画700点を含む絵画四千点、木版画3万点以上で、今回の展覧会の作品の9割以上がビゲローのコレクションからなんですって。
 ビゲロー、よくそんなに集めましたね

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 ボストン美術館所蔵の浮世絵展が、この神戸市立博物館で開かれるのは今回で2回目で、前回(2006年)は肉筆浮世絵を中心に、時代は全般にわたって紹介されたのですが、今回は先述したように、清長、歌麿、写楽を中心に紹介されています。

 まず最初は、鳥居清長の展示です。
 清長の女性は、背が高い8頭身美人なのです。
 今までのB4版では、その女性の特性が活かされませんが、この頃から大版浮世絵が作られ、清長の美人画がすごく映えるようになりました。

 「女三宮」や「美南見十二候」9月など、すくっと立っている美人の横に、座ったりかがんだりしている女性が描かれており、空間にも奥行きが出て、より女性のスタイルがよく見えます

 それに、清長は今まで1枚物の浮世絵だったのを2枚、3枚セットにして、画面を大きく使い、かつ1枚で見ても楽しめるようにしたそうです。
 画面が大きくなると人物に動きが生まれ、見応えのある絵になります。
 この手法はその後も使われていきますので、この方法を考えた清長の功績は大きいですよね

 次は、喜多川歌麿でした。
 歌麿といえばやはり美人画ですが、1人だけが描かれている大首絵は美しくて良いのですが、1枚の絵に2~3人ぐらい描かれているものも良いですよ。
 細い目なのに、ちゃんと視線が物を言っているのです。
 何を言っているかは、見る人しだいですけどね(笑)。

 今回の展覧会では、56点の歌麿の作品が展示されていますが、どれも艶っぽくて美しい!
 それに色もきれいなんですよね。
 着物の黒の使い方なんか粋で、画面が引き締まります

 「覗き」や「千代鶴」は、構図も面白いので行かれた方は観てみてくださいね。

 「台所」もほのぼのとしていて、好きだな~

 今回、文字通りの看板娘は、「高しまおひさ」と「難波屋おきた」でしょう。
 16歳、17歳の瑞々しい2人は要チェックですよ。

 そして東洲斎写楽の出番です。
 写楽といえば、役者の顔の特徴をそのまま描く大首絵です。
 写楽は10ヶ月間で姿を消し、その間に約140点の作品を描いていますが、今回はその中から21点が展示されています。

 中山富三郎は役を変えて4枚出ていますので、見比べてみてくださいね。
 
 私のお気に入りの1枚は、「天王寺屋里虹」です。
 どうみても男なのに女形をやってて、困ったなというような表情が面白いです(笑)。

 メインの3人の浮世絵師の作品の他に、彼らをとりまく大家たちというコーナーでは、鳥文斎栄之や歌川豊国などが、そして最後のコーナーでは版本と肉筆画が展示され、見応えがある展覧会でした

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 歌麿や清長は吉原の遊女をモデルにして描いた作品が多いということで、吉原をイメージさせる会場作りになっていて、展示の仕方も良かったですよ。

 この展覧会のキャッチコピーは、「ご覧あれ、江戸の華、極上の色」で、浮世絵の前期の作品としては色の美しいものが多かったです。
 特に、青系の色は色褪せしやすく、紫や緑も青の部分だけが褪せて赤や黄色になってしまうのですが、今回、歌麿の「金魚」などは、きれいな紫で残っています。

 今回の展示品は、劣化を防ぐためアメリカに戻れば最低でも5年間は展示されないそうですので、この機会を逃すとしばらくの間はアメリカのボストン美術館に行っても観れないようです。
 9月26日までと、もう残り少ないのですが、せっかくのチャンスですので興味のある方は是非観に行ってくださいね。

 図録は2300円で、展覧会ともどもオススメですよ
 
神戸市立博物館
 住所:神戸市中央区京町24 TEL:078-391-0035
 開館時間:10時~17時(金曜は19時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始、その他臨時休館有り
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