とある婦人の忘備目録

展覧会、映画、お寺などを観ること、食べることを中心に感想を綴っていきます。

  1. スポンサー広告
  2. [ edit ]

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. 展覧会
  2. tb: 0
  3. cm: 0
  4. [ edit ]

奈良国立博物館 「仏像修理100年」展('10.8.22 Sun)

 narahakusyuri1.jpg
 先におふさ観音を紹介しましたが、この日最初に行ったのは奈良国立博物館でした。
 奈良国立博物館では夫婦の日として、毎月22日に夫婦で行くと観覧料が半額になるのです。
 最近、どこの観覧料も高くなってきて大変なので、こういうサービスはめちゃうれしいです

 この日は、特別展「仏像修理100年」展となら仏像館開幕記念特別展「至宝の仏像」展('10.7.21~9.26まで。観覧料1000円)をやっていました。

 narahakusyuri2.jpg
 先に特別展「仏像修理100年」展の方を観ます。

 narahakusyuri3.jpg
 仏像は、長い歴史があるものが多く、時の経過とともに傷みもでてきますが、大切な信仰の対象でもあるので損傷を受けると修理されてきたため、現在残っている仏像のほとんどはなんらかの修理を受けているそうです。
 明治時代からは、従来の信仰心を理由にした修理に加え、日本の文化遺産を守るという観点から「古社寺保存法」が制定され、国宝の仏像や建物に対しては、国の援助のもと修理が行われるようになったそうです。
 これにより、今まで職人さんだけによる修理だったものが、文化財の学術的研究の意味合いも含まれる修理に変化しました。

 この展覧会では、その辺りの経緯の説明から始まり、明治以降の修理がどのようなものであったか、その修理法により得られた情報、その情報を基に模造の作成がされ、仏像の構造の解明と修理者の技術力の向上が可能になったが、今後の修理は現状維持修理が良いのか、それとも復元修理も取り入れる必要があるのかというような、過去のレポートと今後のための情報提供のような展覧会でした。

         narahakusyuri5.jpg
 展覧会の内容としてもう少し具体的にいえば、やはり明治の「古社寺保存法」による修理は記録が徹底されているので、その記録物の展示ということになります。
 記録といっても、そのほとんどが構造図や修理図などの図解で、それも「ここを直しました」と一目でわかるような、詳細な絵図なので見ていて面白いです。
 そしてその横に、修復した「本物」が展示されていて、その絵図と見比べることができるようになっています。
 これはすごく興味深かったです。
 修理したところがわからないようにするのが良いのか、それとも逆に修理したということをはっきりわかるようにわざと違いを残す方が良いのか、修理技術者の迷いが伝わります。
 信仰上の観点からはわからないようにする方が喜ばれるでしょうが、学術的な観点からは修理の跡は残すべきでしょうし。
 でも、修理箇所をその時はっきりさせても、木造物の場合、時間が経つことによって差異がわからなくなっていくので、実際に役立つのは詳細な修理図だと思いますけどね。

         narahakusyuri4.jpg
 東大寺の仁王さんの構造模型もありました。
 阿・吽それぞれヒノキのパーツが3000個ずつですって
 すごく細かく組み立てられていたのですね。

 模造コーナーでは、真っ赤な阿修羅の復元模造が展示されてました
 これは、私としては復元より現状模造の方がいいかな。
 鮮やかな色がつくと、顔の表情まで違って見えますし、なんとなくちゃっちく見えて「これは阿修羅じゃない」と思ってしまいました(笑)。
 作られた当初はこんな感じだったのでしょうが、色の取れたスッピンの阿修羅像の方が侘び寂びの美を感じますね。
 観る方の感性の問題もありますから、美的なものの修理というのも難しいですよね。

 国は、予算削減があったとはいえ、戦時中でもこの文化財修理を続けたとのことで、日本もやるなと思いました。
 国の文化遺産に対する心意気を見せてもらったような気がします。
 
 修理風景なども収録された図録は1000円で、内容もしっかり書いてありなかなか良かったです。

 そうそう、会場を出たところに、クスノキ(楠)、ヒノキ(桧)、カヤ(栢)の木のチップが置いてあり、触ることもできました
 いずれも仏像の素材になる木です。
 クスノキは香りが強く虫除けにもなりますが、ちょっと色も濃く硬そうです。
 カヤはお香のようないい香りがして、白く柔らかいです。
 ヒノキは香りも良くて、色はクスノキとカヤの中間ぐらいで、硬すぎず柔らかすぎずです。

 次に行った「なら仏像館」の図録を調べてみると、平安時代はカヤを使った仏像が多いみたいです。
 クスノキは、仏像作りの初期の飛鳥・白鳳時代に多く、東大寺の南大門の仁王像はヒノキのパーツで作られていたということですので、鎌倉時代はヒノキが多かったのかもしれません。
 理由は、時代によって、仏師に好まれた木材が違ったからでしょうか?
 それとも時代により、手に入りやすい木材が異なったからでしょうか?
 興味深いです

 貴重な修理図と実際の仏像を見比べることができますし、仏像に対する新たな視点が得られる、なかなか面白い展覧会でした
 
奈良国立博物館
 住所:奈良市登大路町50(奈良公園内) TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル案内時間8時~22時)
 開館時間:9時半~17時(4月最終から10月最終までの金曜は19時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(休日の場合はその翌日。連休の場合は終了後の翌日)、年末年始、臨時休館日あり
関連記事
スポンサーサイト



 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


プロフィール

Ms.れでぃ

Author:Ms.れでぃ
関西を中心にお話します。
基本的には、遊びに行って、お昼を食べて、おみやげに家で食べれるものを買って帰るというパターンになっています。(最近パターン通りになっていませんが)
ローカルネタになりますが、訪問していただけるとうれしいです。

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

FC2カウンター

ブログラム



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。