京都国立博物館 「上田秋成」展('10.8.7 Sat)

京都市美術館のあと、京都国立博物館でやっている「没後200年記念 上田秋成」展('10.7.17~8.29まで。観覧料800円)を観に行きました。

重厚な建物の中に入ります。

今回は、雨月物語で有名な上田秋成と秋成の周辺の人物を紹介する展覧会です。
秋成の肖像画から始まって、雨月物語などの作品、友人と交換した書簡、秋成が賛を入れた画、秋成に縁のある京都の画家の絵などが展示されています。
この展覧会、なんというか、ちょっと難しかったです。
普通、展覧会は「見る・観る」ことが中心なんですが、秋成は文筆家なのでこの展覧会は「読む」ことがメインなんですよね。
というか、読んだ方が絶対面白い。
でも、達筆で流麗なくずし字が読めない

私のように読めない人も少なからずいると思いますので、もう少し作品に沿った詳しい説明があればよかったのですが、作品の全体像を紹介するキャプションが多く、例えば、展示されている雨月物語や春雨物語のこの部分は何が書いてあるのかとかのキャプションが少なかったのが残念でした。
昔、雨月物語の現代訳版は読みましたが、それぐらいの予備知識では全然役に立ちませんでした(苦笑)。
秋成の縁の画家は、応挙や蕪村、池大雅、若冲などの作品が展示されてました。
華やかさは少ないですが、秋成が好きそうな文人画らしい作品が多かったです。
応挙の「龍門図」は勢いがあり、良かったです。
蕪村の「楊柳青々・一路寒山図屏風」は、大作なんですが、なんか寂しい感じのする絵だったなぁ。
孤独な感じを受けました。
そうそう、秋成の肖像画として、富岡鉄斎の作品もあったのですが、鉄斎の自画自賛の賛文はやっぱり長かったです(笑)。
字が読めない分、展覧会を堪能したと言えませんでしたが、そんな人のために、会期中に2回溝口健二監督の「雨月物語」の野外上映会があったみたいです(7/30と8/6)。
これは観た方が良かったかなと思いましたね。
私たちが行った前日にやっていたので、観れなくて残念でした。
この展覧会の図録というか、説明パンフは500円でした。
展示品の解説が載っているので、ゆっくりと思い出すのにちょうど良いです


外に出て建物をもう一度見ると、レリーフに気付いたのですが、これってこんな和洋折衷のデザインだったんですね。
知らなかったな。
この展覧会のほかに、新収品展も見れました。
あと、プラチナ色に輝いている三角縁神獣鏡も(笑)。
上田秋成の展覧会は、見せる展覧会とは少し違って読ませる展覧会で珍しい試みだったと思います。
字は読めませんでしたが、きれいな字でしたしね(笑)。
昔、くずし字も少し習ったのですが、もっと勉強しといたら良かったです。
読めたら、きっと面白い展覧会だったと思えるんじゃないかなと思った展覧会でした。
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)
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