京都 大山崎散策② 大山崎山荘美術館「和巧絶佳展」

アサヒビール大山崎山荘美術館では「開館25周年記念 和巧絶佳展 令和時代の超工芸」展('21.9.18~12.5まで。入館料900円)が開催されています。
この展覧会、すごかった~!
1970年以降に生まれた注目の美術工芸家12人の作品の豪華競演の展覧会です。


写真撮影は不可なので、チラシの作品を使って簡単に感想を記しますね。

チラシの表紙を飾るのは、舘鼻則孝さんの「Heel-less Shoes」という作品です。
この靴は本当に履けるの??と思っていたら、この靴と同じ型の違う靴を試着できる体験会があったとのことで、実用品だとわかりましたが、いまだにどうやって履くのかわかりません。
爪先立ち歩きになるのかなぁ?
形はともかく、赤い皮に金の細い線はきれいでした。
レディ・ガガも愛用しているそうですよ。

右の桑田卓郎さんの焼物は、粒々をつけたり、金や銀で装飾したりと目を惹きました。
侘び寂びとは対極にあるような。
豊臣秀吉が気に入りそうです(笑)
左は深堀隆介さんの金魚絵です。
以前、神戸ファッション美術館での深堀隆介展の記事の時も書きましたが(その時の記事はこちら)、枡の中に入っている金魚はアクリルに描かれた絵です。
お酒や水に見えるものがアクリルです。
何度見ても、立体的に見えますよね。

こちらの左は、池田晃将さんの「電光十進玉箱」という作品で、この箱の小さな模様はデジタル数字になっています。
パッと見は螺鈿細工の箱に見えますが、模様がデジタル文字だとわかると、私だけかもしれませんが精密機械に見えてくるのが不思議。
自分の中のイメージが投影されるものなんですね。
右は山本茜さんの「截金硝子香合」です。
この人の作品は、どれもため息がでるような美しさです。
きれいな色のガラスに細く繊細な截金を施すと、こんなに美しいのかと感動しました。
古典的な源氏物語を題材にした作品の展示が多かったですが、縦型の大きめの作品では言葉ではなく音楽を感じました。
中の截金がもし音符なら、音楽が天上に上っていきそう ^^

右の髙橋賢悟さんの作品は、アルミニウムの鋳造ですが、とても細かい。
花を金属で凍らせたみたいでした。
左の赤絵のお皿は見附正康さんの作品で、この模様がすごくきれい!
表側はもちろんきれいなのですが、裏側にも控えめな彩色が施され、どこから見ても美しい大皿でした。
数種類の赤絵の大皿があったのですが、どの模様も繊細でリズム感があって見惚れました。

右は佐合道子さんの作品で、素材は陶器です。
素材の違いはありますが、見附さんの作品に似た印象です。
佐合さんの作品は生命感というか有機物的な感じがしますね。
左は橋本千穀さんの作品で、きれいな蒔絵の箱に蝶の羽が部分的に立体になっていて、すごくかわいい。
蝶をモチーフにした他の作品も、蝶の羽の色がビロードみたいできれいでした。

左下の坂井直樹さんの作品は、シブイ。
1枚の鉄板から鍛金でこの形に仕上げるなんてすごいですね。
右下の安達大悟さんの染物は大胆で豪快でした。

最後は新里明士さんの透かし彫りの器です。
白一色の器に細かい透かし彫りが施され、光が当たると模様がきれいに見えます。
点字のような細かい穴が模様になっている作品もありました。
すごく繊細な作品なのですが、白い器が清楚でさりげなくオシャレです。
令和時代の超工芸というだけあり、どの作品も凝っていて見応えがありました。
明治の超絶技巧の作品がクローズアップされていますが、令和の工芸品も負けていないなと思える展覧会でした。
良い目の保養になりました。
常設展示室ではモネの睡蓮も見れますし、秋のお庭とともにオススメの展覧会です。
大山崎山荘美術館
住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3 TEL:075-957-3123(総合案内)
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館し翌日休館。ただし2021年は11/22、11/29は開館)、年末年始、臨時休館あり
ポチポチっと押してもらえると励みになります。

にほんブログ村
↑
ありがとうございます!
↓
- 関連記事
-
- 和歌山 和歌山県立近代美術館と和歌山県立博物館 (2021/12/07)
- 京都 向日市文化資料館 「六人部暉峰の世界」展 (2021/12/02)
- 京都 大山崎散策② 大山崎山荘美術館「和巧絶佳展」 (2021/11/22)
- 奈良国立博物館 「第73回正倉院展」 (2021/11/14)
- 奈良県立美術館 「森川杜園」展 (2021/11/08)
スポンサーサイト