奈良国立博物館 「聖地 南山城」展
展覧会感想記事、まだまだいきます。

奈良国立博物館では「浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展 聖地 南山城」展('23.7.8~9.3まで。観覧料1800円)が開催されています。
南山城は、京都府の南部、奈良市に隣接する地域です。
宇治市以南の12市町村のうち、今回は9市町村の寺院・神社の仏像や神像、宝物、出土品等が展示されていました。
この地域には木津川が流れていて、木津川市の高麗(こま)寺というお寺が、飛鳥時代(7世紀初頭)渡来系民族により建立され(現在は史跡のみ)、そこから近くに寺院が建てられていき、この地域に仏教が浸透していったそうです。

展覧会では写真撮影が不可だったのですが、チラシにはたくさんの仏さまが載せてあったので、いつもの如くチラシの画像の抜粋を載せますね。
どのお寺も良かったのですが、私が個人的な理由で興味深く観たのは、木津川市にある海住山寺(かいじゅうせんじ)です。
このお寺は10年以上前に行ったのですが、道は車が通れる道路なのですが山の上にあり、車のない私たちはものすごくしんどい思いをして上ったら、当時は一般拝観はしておらず、特別拝観期間しか入れないと言われ、来た道をすごすごと引き返したという、苦い思い出のあるお寺なのです。
その寺宝が観られるということで、「あぁ、もう一度あの山を上らずにすむ」と心の中で拍手喝采しながら観たのですが、喜びが驚きに変わりました。
すごい!

こちらは海住山寺の「四天王立像」です。
大きさは高さ30㎝程度の小さな像なのですが、彩色豊かで、ものすごく精緻。
踏みつけられている邪鬼の目にも玉眼が嵌め込まれています。
静かな迫力を湛えていて、目が釘付けになりました。
写真はありませんが、「両界曼荼羅図」も截金だと思いますが、金細工がされていて、豪華でものすごく美しかったです。
私が今まで観た曼荼羅図の中でもトップクラスの美しさでした。
解脱上人貞慶という僧侶が、このお寺に移り住み中興の祖となられたのですが、「解脱上人座像」もありました。
穏やかで優しそうに見えたのですが、書かれた字を見ると、しっかりした字で毅然としており、甘くないなというような印象を受けました。
「海住山寺起請文」には、上人が亡くなった後も、山内に尼僧や他寺の僧、他所で問題を起こした人などを簡単に入れない、山内の木や材木を他所に出さない、山内での争いは止めるようにという内容が書かれていました。
なぜこんな不便なところに住まれたのだろう?と海住山寺に行った時に思ったのですが、自分が作った理想郷のような場所に、その境地を理解していないような人に簡単に出入りして欲しくないということだったのだなと、納得しました。
1つ謎が解けたような気分です(当たっているかは知りませんよ。笑)
でも、お寺に行った時に出てこられたのは女性だったので、女人禁制のタブーはいつのまにかになくなったのでしょうね^^;
海住山寺の他にもう1寺、同じく木津川市の浄瑠璃寺(じょうるりじ)の仏さまも良かったです。

こちらは浄瑠璃寺の十二神将とご本尊の薬師如来さまの画像です。
十二神将立像は躍動感があり、かっこいい!
もとは浄瑠璃寺の神像なのですが、現在は7軀が静嘉堂文庫美術館、5軀が東京国立博物館の所蔵だそうです。
御本尊の薬師如来坐像は浄瑠璃寺にいらっしゃいますが秘仏で、今回十二神将と再会されるためにおでましなられたそうです。
ですが、7/9~8/6までだったようで、私が行った時にはもう帰られていて、パネル(多分、等身大)に置き換わっていました。
残念。
でも、十二神将は見応えがありましたよ。
浄瑠璃寺には大きな九軀の阿弥陀さまがいらっしゃるのですが、修理されていたようで、この展覧会はその修理完成記念として開催されたものです。
その九軀の内、二軀の阿弥陀さまが出てこられてました。

本来はこのように光背をつけている阿弥陀如来坐像が、壁を背に横一列に並んでいらっしゃいますので、背部は見れません。

ですが、今回は光背を外されているので、阿弥陀さまの背中も見ることができるのですよ!
これは貴重な事です。
外された光背も間近にじっくりと見れます。
阿弥陀さまのお顔は全て違うのは知っていましたが、光背までじっくり見たことがなくて、1つ1つ違うのだなと思いました。
光背も形などきれいでした。
いや~、南山城は交通が少し不便なので行きにくいところもたくさんあるので、この展覧会は良かったです^^

仏像館にも南山城の仏像が展示されているとのことで観てきましたが、写真撮影可の仏像が増えてました。
嬉しいことです^^
ご機嫌な気分で、展覧会を観終わりました^^
それにしても奈良も外国人客が増えましたね。
奈良の落ち着いた感じが好きだったのですが、雰囲気がわちゃわちゃしてきたような。
博物館の敷地を出てすぐの近鉄奈良駅へ向かう歩道にアジア人の親子がいて、公園に向かって子どもに排尿させているのを見かけました。
子どもは小1か幼稚園年長児ぐらいの男の子で、我慢できずに仕方がなかったのかもしれませんが、すぐ近くに博物館があるのでトイレも借りれるでしょう。
人の往来も多いところなので、びっくりしました。
もしかすると、トイレや表示の増設が必要なのかもしれません。
どこもインバウンド、インバウンドと言ってますが、受け入れるには整備が必要です。
儲かるのは主に観光関連だけなのに、整備は税金。
整備しても、旅の恥はかきすてとばかりにマナーの悪い人もいて、なんだかねぇ・・・。
こういった感情を旅行先の住民にもたれないよう、私自身も旅行に行っても、自分の行動が自国あるいは自分の住んでいる地域の評価につながるということを忘れないようにしなければ、と思いました。
ものすごく長い記事になってしまいましたが、読んでくださってありがとうございました^^
奈良国立博物館
住所:奈良市登大路町50番地 TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~18時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(月曜祝日の場合は開館し、翌日休館)
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奈良国立博物館では「浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展 聖地 南山城」展('23.7.8~9.3まで。観覧料1800円)が開催されています。
南山城は、京都府の南部、奈良市に隣接する地域です。
宇治市以南の12市町村のうち、今回は9市町村の寺院・神社の仏像や神像、宝物、出土品等が展示されていました。
この地域には木津川が流れていて、木津川市の高麗(こま)寺というお寺が、飛鳥時代(7世紀初頭)渡来系民族により建立され(現在は史跡のみ)、そこから近くに寺院が建てられていき、この地域に仏教が浸透していったそうです。

展覧会では写真撮影が不可だったのですが、チラシにはたくさんの仏さまが載せてあったので、いつもの如くチラシの画像の抜粋を載せますね。
どのお寺も良かったのですが、私が個人的な理由で興味深く観たのは、木津川市にある海住山寺(かいじゅうせんじ)です。
このお寺は10年以上前に行ったのですが、道は車が通れる道路なのですが山の上にあり、車のない私たちはものすごくしんどい思いをして上ったら、当時は一般拝観はしておらず、特別拝観期間しか入れないと言われ、来た道をすごすごと引き返したという、苦い思い出のあるお寺なのです。
その寺宝が観られるということで、「あぁ、もう一度あの山を上らずにすむ」と心の中で拍手喝采しながら観たのですが、喜びが驚きに変わりました。
すごい!

こちらは海住山寺の「四天王立像」です。
大きさは高さ30㎝程度の小さな像なのですが、彩色豊かで、ものすごく精緻。
踏みつけられている邪鬼の目にも玉眼が嵌め込まれています。
静かな迫力を湛えていて、目が釘付けになりました。
写真はありませんが、「両界曼荼羅図」も截金だと思いますが、金細工がされていて、豪華でものすごく美しかったです。
私が今まで観た曼荼羅図の中でもトップクラスの美しさでした。
解脱上人貞慶という僧侶が、このお寺に移り住み中興の祖となられたのですが、「解脱上人座像」もありました。
穏やかで優しそうに見えたのですが、書かれた字を見ると、しっかりした字で毅然としており、甘くないなというような印象を受けました。
「海住山寺起請文」には、上人が亡くなった後も、山内に尼僧や他寺の僧、他所で問題を起こした人などを簡単に入れない、山内の木や材木を他所に出さない、山内での争いは止めるようにという内容が書かれていました。
なぜこんな不便なところに住まれたのだろう?と海住山寺に行った時に思ったのですが、自分が作った理想郷のような場所に、その境地を理解していないような人に簡単に出入りして欲しくないということだったのだなと、納得しました。
1つ謎が解けたような気分です(当たっているかは知りませんよ。笑)
でも、お寺に行った時に出てこられたのは女性だったので、女人禁制のタブーはいつのまにかになくなったのでしょうね^^;
海住山寺の他にもう1寺、同じく木津川市の浄瑠璃寺(じょうるりじ)の仏さまも良かったです。

こちらは浄瑠璃寺の十二神将とご本尊の薬師如来さまの画像です。
十二神将立像は躍動感があり、かっこいい!
もとは浄瑠璃寺の神像なのですが、現在は7軀が静嘉堂文庫美術館、5軀が東京国立博物館の所蔵だそうです。
御本尊の薬師如来坐像は浄瑠璃寺にいらっしゃいますが秘仏で、今回十二神将と再会されるためにおでましなられたそうです。
ですが、7/9~8/6までだったようで、私が行った時にはもう帰られていて、パネル(多分、等身大)に置き換わっていました。
残念。
でも、十二神将は見応えがありましたよ。
浄瑠璃寺には大きな九軀の阿弥陀さまがいらっしゃるのですが、修理されていたようで、この展覧会はその修理完成記念として開催されたものです。
その九軀の内、二軀の阿弥陀さまが出てこられてました。

本来はこのように光背をつけている阿弥陀如来坐像が、壁を背に横一列に並んでいらっしゃいますので、背部は見れません。

ですが、今回は光背を外されているので、阿弥陀さまの背中も見ることができるのですよ!
これは貴重な事です。
外された光背も間近にじっくりと見れます。
阿弥陀さまのお顔は全て違うのは知っていましたが、光背までじっくり見たことがなくて、1つ1つ違うのだなと思いました。
光背も形などきれいでした。
いや~、南山城は交通が少し不便なので行きにくいところもたくさんあるので、この展覧会は良かったです^^

仏像館にも南山城の仏像が展示されているとのことで観てきましたが、写真撮影可の仏像が増えてました。
嬉しいことです^^
ご機嫌な気分で、展覧会を観終わりました^^
それにしても奈良も外国人客が増えましたね。
奈良の落ち着いた感じが好きだったのですが、雰囲気がわちゃわちゃしてきたような。
博物館の敷地を出てすぐの近鉄奈良駅へ向かう歩道にアジア人の親子がいて、公園に向かって子どもに排尿させているのを見かけました。
子どもは小1か幼稚園年長児ぐらいの男の子で、我慢できずに仕方がなかったのかもしれませんが、すぐ近くに博物館があるのでトイレも借りれるでしょう。
人の往来も多いところなので、びっくりしました。
もしかすると、トイレや表示の増設が必要なのかもしれません。
どこもインバウンド、インバウンドと言ってますが、受け入れるには整備が必要です。
儲かるのは主に観光関連だけなのに、整備は税金。
整備しても、旅の恥はかきすてとばかりにマナーの悪い人もいて、なんだかねぇ・・・。
こういった感情を旅行先の住民にもたれないよう、私自身も旅行に行っても、自分の行動が自国あるいは自分の住んでいる地域の評価につながるということを忘れないようにしなければ、と思いました。
ものすごく長い記事になってしまいましたが、読んでくださってありがとうございました^^
奈良国立博物館
住所:奈良市登大路町50番地 TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~18時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(月曜祝日の場合は開館し、翌日休館)
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