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京都国立近代美術館 「鏑木清方展」

 一昨日、安倍さんが襲撃されたというニュースはショッキングでした。
 元首相への襲撃なんて、今の時代に日本で、しかも奈良の西大寺でだなんて・・・。
 動機はまだはっきりしておらず、政治的信条からではなく、何やら思い込みでとの報道ですが、もし政治的信条からの犯行なら野蛮な国になったと思いますし、個人的な恨みからなら人の命を奪おうとする前にもう少し方法はなかったのかと思います。
 どちらにしろ、こんな怖いことが白昼堂々と行われるようになるとは、日本も物騒な国になったものだと悲しくなりますね。

 ところで、遠州の旅の記事の途中ですが、いくつか展覧会の記事を挟ませてもらいます。
 1つは今日(7/10)で会期が終了なのですが、良かったので感想を記しておきます。

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 京都国立近代美術館では「没後50年 鏑木清方展」('22.5.27~7.10まで。観覧料1800円)が開催されています。
 鏑木清方の作品は、数点をちょこちょこ見ることはあっても、個展というのは関西では観たことがないなぁと思っていたら、なんと京都では45年ぶりの大回顧展だそうです。

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 鏑木清方(1878-1972)は明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、美人画で有名ですが、もともと挿絵画家を目指していたとのことで、今回の展覧会でも明治の日常の風景を切り取ったような風俗画の作品が多かったです。
 清方にとっての古き良き時代は、明治だったのでしょうね。

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 こちらは今回の展覧会の目玉の美人画の三部作です。
 写真はチラシからの抜粋ですが、左から「浜町河岸」「築地明石町」「新富町」です。
 真ん中の「築地明石町」が2018年に見つかった作品だそうで、久しぶりに3部作が揃ったのですって。

 見てみると「築地明石町」が一番好みです。
 切れ長の目がステキ。
 ですが、よく見ると、どの作品も描き込みが細かい。

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 こちらは「新富町」の部分アップですが、この写真ではわからないかもしれませんが、羽織の模様の細かいこと!
 びっしり模様が描かれています。
 親指の先が赤くなっているのは、寒さのためでしょうか。

 「築地明石町」の着物も細かい。
 羽織も単なる黒ではなかったような。
 とにかく細かい描き込みが多かったです。

 福富太郎コレクション展の時にもありましたが、鏑木清方は鑑定を頼まれると、本物には描いた時の状況を書いて渡すことがあったようです。
 その字を見ると、字自体はきれいなのですが、細くて小さくて読みにくい。
 性格も細かく綿密だったのかなと思いました。

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 でも、かわいいものも好きだったかもしれません。
 「浜町河岸」のアップですが、向かって右の髪にバラの蕾を挿しています。
 こういった斬新なものを取り入れるところも清方の良いところですよね。

 コレクション展の方にも清方の作品の展示がありましたし、松園など同時代の京都画壇の作品も展示されているので、見比べるのも楽しいです。
 鏑木清方展、良かったです。
 
京都国立近代美術館
 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
 開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館の30分前まで)
 休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)、年末・年始、展示替え期間 
 
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