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三重県立美術館 「宇田荻邨展」

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 先日、三重県立美術館とかざはやの里の紫陽花を見るために、三重県の津市に日帰りで行ってきました。

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 三重県立美術館では「開館40周年記念 宇田荻邨展」('22.4.23~6.19まで。観覧料1000円)が開催されています。
 この展覧会、めちゃくちゃ良かった~!

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 宇田荻邨(うだてきそん 1896-1980)は三重県の松阪市出身の日本画家で、17歳で京都に上洛。
 菊池芳文、菊池契月に師事し、京都画壇で活躍した画家です。
 京都国立近代美術館や京都市美術館にも作品があり何枚かは観ているのですが、荻邨の個展を観るのは初めてです。

 どの絵も美しい~。
 京都市立絵画専門学校別科(現:京都市立芸術大学)から付き合いのあった甲斐庄楠音や岡本神草たちと同じ研究会に参加していたこともあり、一時は大正時代特有のデロリ系の色遣いの作品もあるのですが、デロリの一歩手前で踏みとどまっていて、それ以上は崩れていないのです。
 その後は、きれいな色と端正な線で、穏やかで美しい京都を描いています。

 看板やチラシになっている「飛鳥舎(藤壺)」という作品は、チラシなどでは紫がかって見えるのですが、実際には白藤の先端に水色を1つ1つ丁寧に配色してるのですよ。

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 チラシに載っていた左の「清水寺」、右の「桂離宮笑意軒」はどちらも建物は定規で線を引いているのかと思うぐらいシャープできれいな線で描かれています。
 なので、しっかりとした構図なのですが、色がふんわりと優しいので堅くなりすぎず、温かみのある作品になっています。
 さすがは菊池契月のお弟子さんだけあって、落ち着きのある端正で美しい絵の数々で、観ていて清らかな心地になりました。

 もう1点、チラシに載っていないのですが、本居宣長記念館所蔵の「山桜」は、赤い葉が印象的で美しかったです。
 子どもの頃、荻邨は松阪市にある本居宣長の旧宅でよく遊んでいたそうで、宣長に対し尊敬の意を込めて描いた作品だそうです。
 同じような桜を描いた作品が他にもありましたが、私は本居宣長記念館の山桜の方が好みでした。

 宇田荻邨の絵は、観ていると心の中が浄化されるようです。
 私が絵画に求めているのは、こういったデトックス作用のある展覧会なのです。
 この展覧会の図録は欲しいと思ってショップに行くと、完売とのこと。
 ショック~。
 会期終了ギリギリに行くと、こういうことになることもあるのですね。

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 今回はお天気がそれほど良くなかったので、外はあまり見ませんでしたが、庭にもオブジェが展示してありますし、コレクション展彫刻家の柳原義達の常設展と見所の多い三重県立美術館でした。
 
三重県立美術館
 住所:三重県津市大谷町11番地 TEL:059-227-2100
 開館時間:9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜日

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