京都 春の3つの展覧会
遊びに行ったところはたくさんあるのですが、記事が全然追いついていません。
ちょっと行きつ戻りつになりますがご勘弁を。
4月下旬に京都に展覧会巡りに行ってきました。
もう終わってしまった展覧会もあるので、今回は簡単に感想を書いておきます。

最初に行ったのは、京都国立博物館で開催されている「伝教大師1200年大遠忌記念 特別展 最澄と天台宗のすべて」展('22.4.12~5.22まで。観覧料1800円)です。
この展覧会は、最澄と天台宗のはじまりから現在に至るまでの流れを、各種文書や事物、仏像を通して紹介するという内容でした。
思っていたより文字の史料が多かったのですが、仏教系の文書はきれいな楷書で書かれたものが多いので意外に読めます。
読んでみるとこれが結構面白い。
といっても、部分的にしか読めないのですけどね^^;

文書も面白いのですが、やっぱりお目当ては仏さま。
どの仏さまも良かったのですが、中でもとくに良かったのは愛媛の等妙寺の「菩薩遊戯座像(伝如意輪観音)」と延暦寺の「聖観音菩薩立像」です。
菩薩さまの方は、目元涼しくきりっとしていて、衣の截金まで美しく、座られている岩の造りも丁寧で、かなり精魂を込められているなと思いました。
聖観音さまの方は、ものすごく穏やかで優しく、今にも動いて手を差しのべてくださるような気がしました。
仏の慈悲を具現したかのようで、この仏さまにお会いできただけで今回は良かったと思ったぐらいです。
仏さまではありませんが、六波羅蜜寺の有名な空也上人像とそっくりな像が愛媛県の浄土寺にあるのにもびっくり。
浄土寺の空也上人像の方が少し穏やかに見えるかな(個人の感想です)。
兵庫県の圓教寺の忍空上人座像は、知恵と老獪さを感じるというか、なんかすごかったです。
SWのヨーダを縦に伸ばし厳しさを加えたような感じでした。

延暦寺の根本中堂は、最澄が灯して以来消えたことがないという「不滅の法灯」があるのですが、会場内にその空間が再現されていました。
この法灯の前で祈ることは、やはり世界平和ですよね。
図録は3000円と高かったのでパスしましたが、読み応えがありそうでした。
伝教大師(最澄)のことがよくわかる展覧会でした。

次に行った展覧会は、京都高島屋で開催されていた「第77回 春の院展」('22.4.20~4.25まで。入場料1000円)です。
大御所の絵も含めて、きれいな作品がずらりと並んでいます。
ただ、似たような絵が多くて、目が泳いでしまいました。
人も多かったですしね。
じっくりというよりかは、気軽にきれいな絵を眺めるには丁度良い展覧会でした。

最後は、京都国立近代美術館で開催されている「サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇」展('22.3.23~5.8まで。観覧料1200円)です。
この展覧会は、大阪の商人で文化人の木村蒹葭堂(きむらけんかどう)と、黄檗宗の僧侶である売茶翁(ばいさおう)が中心となり、画家や文人たちの交流ができ、サロンのようなものが形成された。
その交流を作品を中心に紐解くという内容になっているのですが、キャプションが少なく、名前も知らない画家の絵も多く、見所がわかりにくかったです。
研究的な内容で、見所がわかればもっと面白く見れるだろうに、すごく残念な気がしました。
図録は詳しく解説が載ってそうなので、図録を持ってまわれば良かったのかもしれませんが、3800円と高額な上、かなり分厚いので、なかなかそれを持ってまわれる人も少ないと思います。
もう少し会場にも見所解説のキャプションがあれば良かったのですけどね。
タイトルの「雅と俗」も、何を指しているのかもわかりませんでした。


それでも、円山応挙や伊藤若冲、森狙仙や北野恒富など有名画家から、名前からでは日本人かどうかもわからない画家の作品まで、ものすごい量の絵画を見ることができました。
教養のある文化人は、画家の作品に賛を書いているのですが、多くはくずし字なので達筆すぎて読めません^^;
賛のある絵は、文章と絵の両方で1つの作品だと思うのですが、賛も読めるようになれば楽しいだろうなぁと思いますね。
一般向けの展覧会にするには、ちょっと準備不足のような感じで惜しい!と思いましたが、これだけの作品を一堂に見れるというのは貴重な機会かもしれません。
文人画がお好きな方には、興味深い内容の展覧会だと思います。

3つの展覧会、いろいろあったなぁと「考える人」のように思い返しました^^
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-2473(テレホンサービス)
開館時間:9時~17時30分 休館日:月曜日
京都高島屋7階グランドホール
住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52番地 TEL:075-221-8811
開場時間:10時~19時(最終日は17時まで。入場は各閉場の30分前まで)
京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(5/2は開館)、年末・年始、展示替え期間
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4月下旬に京都に展覧会巡りに行ってきました。
もう終わってしまった展覧会もあるので、今回は簡単に感想を書いておきます。

最初に行ったのは、京都国立博物館で開催されている「伝教大師1200年大遠忌記念 特別展 最澄と天台宗のすべて」展('22.4.12~5.22まで。観覧料1800円)です。
この展覧会は、最澄と天台宗のはじまりから現在に至るまでの流れを、各種文書や事物、仏像を通して紹介するという内容でした。
思っていたより文字の史料が多かったのですが、仏教系の文書はきれいな楷書で書かれたものが多いので意外に読めます。
読んでみるとこれが結構面白い。
といっても、部分的にしか読めないのですけどね^^;

文書も面白いのですが、やっぱりお目当ては仏さま。
どの仏さまも良かったのですが、中でもとくに良かったのは愛媛の等妙寺の「菩薩遊戯座像(伝如意輪観音)」と延暦寺の「聖観音菩薩立像」です。
菩薩さまの方は、目元涼しくきりっとしていて、衣の截金まで美しく、座られている岩の造りも丁寧で、かなり精魂を込められているなと思いました。
聖観音さまの方は、ものすごく穏やかで優しく、今にも動いて手を差しのべてくださるような気がしました。
仏の慈悲を具現したかのようで、この仏さまにお会いできただけで今回は良かったと思ったぐらいです。
仏さまではありませんが、六波羅蜜寺の有名な空也上人像とそっくりな像が愛媛県の浄土寺にあるのにもびっくり。
浄土寺の空也上人像の方が少し穏やかに見えるかな(個人の感想です)。
兵庫県の圓教寺の忍空上人座像は、知恵と老獪さを感じるというか、なんかすごかったです。
SWのヨーダを縦に伸ばし厳しさを加えたような感じでした。

延暦寺の根本中堂は、最澄が灯して以来消えたことがないという「不滅の法灯」があるのですが、会場内にその空間が再現されていました。
この法灯の前で祈ることは、やはり世界平和ですよね。
図録は3000円と高かったのでパスしましたが、読み応えがありそうでした。
伝教大師(最澄)のことがよくわかる展覧会でした。

次に行った展覧会は、京都高島屋で開催されていた「第77回 春の院展」('22.4.20~4.25まで。入場料1000円)です。
大御所の絵も含めて、きれいな作品がずらりと並んでいます。
ただ、似たような絵が多くて、目が泳いでしまいました。
人も多かったですしね。
じっくりというよりかは、気軽にきれいな絵を眺めるには丁度良い展覧会でした。

最後は、京都国立近代美術館で開催されている「サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇」展('22.3.23~5.8まで。観覧料1200円)です。
この展覧会は、大阪の商人で文化人の木村蒹葭堂(きむらけんかどう)と、黄檗宗の僧侶である売茶翁(ばいさおう)が中心となり、画家や文人たちの交流ができ、サロンのようなものが形成された。
その交流を作品を中心に紐解くという内容になっているのですが、キャプションが少なく、名前も知らない画家の絵も多く、見所がわかりにくかったです。
研究的な内容で、見所がわかればもっと面白く見れるだろうに、すごく残念な気がしました。
図録は詳しく解説が載ってそうなので、図録を持ってまわれば良かったのかもしれませんが、3800円と高額な上、かなり分厚いので、なかなかそれを持ってまわれる人も少ないと思います。
もう少し会場にも見所解説のキャプションがあれば良かったのですけどね。
タイトルの「雅と俗」も、何を指しているのかもわかりませんでした。


それでも、円山応挙や伊藤若冲、森狙仙や北野恒富など有名画家から、名前からでは日本人かどうかもわからない画家の作品まで、ものすごい量の絵画を見ることができました。
教養のある文化人は、画家の作品に賛を書いているのですが、多くはくずし字なので達筆すぎて読めません^^;
賛のある絵は、文章と絵の両方で1つの作品だと思うのですが、賛も読めるようになれば楽しいだろうなぁと思いますね。
一般向けの展覧会にするには、ちょっと準備不足のような感じで惜しい!と思いましたが、これだけの作品を一堂に見れるというのは貴重な機会かもしれません。
文人画がお好きな方には、興味深い内容の展覧会だと思います。

3つの展覧会、いろいろあったなぁと「考える人」のように思い返しました^^
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-2473(テレホンサービス)
開館時間:9時~17時30分 休館日:月曜日
京都高島屋7階グランドホール
住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52番地 TEL:075-221-8811
開場時間:10時~19時(最終日は17時まで。入場は各閉場の30分前まで)
京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(5/2は開館)、年末・年始、展示替え期間
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