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京都国立近代美術館 「岸田劉生と森村・松方コレクション」展

 今日(3/7)で会期終了や前期展示が終わる展覧会がいくつかあったので、福田美術館、嵯峨嵐山文華博物館、京都文化博物館、京都国立近代美術館の計4館をまとめてまわってきました。
 行ったばかりなので、まだ整理ができていないのですが、今日で終了の近美の展覧会の感想を簡単に書いておきます。

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 京都国立近代美術館では「岸田劉生と森村・松方コレクション」展('22.1.29~3.6まで。観覧料1500円)が開催されています。

 この展覧会は、京都国立近代美術館が2021年にあるコレクターから岸田劉生の作品42点を購入・寄贈で新たに入手したため、今までに所蔵していた作品と合わせて計55点を展示。
 いってみれば、岸田劉生の新収蔵品のお披露目のような展覧会でした。

 それらの作品を、生まれた場所である「銀座時代」、結婚と結核の発覚で療養のための転居地「代々木・玉川時代」、更なる療養先「鵠沼時代」、関東大震災からの避難地「京都時代」、関東へ帰るための「鎌倉時代」というように、場所別に分類し、劉生の画業を展望する内容でした。

 riuseikinbi3.jpg 
 初期である銀座時代の作品は、ゴッホの影響を受けていたとのことで、看板の右のように明るく激しい色遣いの絵が多かったです。
 ゴッホだけでなく、ムンク風の作品もありましたよ。

 代々木・玉川時代の作品は、少し宗教がかった作品が多かったような。
 
 鵠沼時代は麗子像がよく描かれた時代だそうで、今回のメインの作品の1つである「麗子裸像」もこの時期に描かれています。
 こんなに小さいのにモデルをして、しんどかったでしょう。
 麗子の気張りのようなものを感じる作品でした。

 京都時代は、お茶屋遊びを始めた劉生が描いた「舞妓図」がありました。
 モデルは贔屓にしていた舞妓ではなかったみたいですが、この絵は「麗子十六歳之像」につながっていくように思いました。

 鎌倉時代は、穏やかな風景画や、茄子や冬瓜などの野菜の絵などがありました。
 昭和3年の自画像はふくよかで元気そうだだったのに、翌年に亡くなるなんて本人も思っていなかったでしょうね。
 
 これらに加え、作品の旧所蔵者であった森村義行氏と弟の松方三郎氏のコレクション、劉生最大のスポンサーであった芝川照吉のコレクションも展示もされていましたが、今回それらは劉生以外の作品でした。
 このコレクションの方も良い作品が揃ってましたよ。
 とくに、ここで青木繁の「女の顔」を観れるとは!
 坂本繁二郎のらしくない暗めの色の作品もありました。

 ちなみに森村・松方兄弟は、国立西洋美術館の松方コレクションで有名な松方幸次郎氏とも兄弟みたいですよ。
 皆すごいですね。

 以前に大阪で観た岸田劉生展(その時の記事はこちら)より少し規模は小さめですが、コレクション展でも岸田劉生関連の展示がされていて劉生のことを多角的に楽しめる展覧会でした。
 コレクション展の方は、また別の機会に書けるようなら書きますね。

京都国立近代美術館
 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
 開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館の30分前まで)
 休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)、年末・年始、展示替え期間 
 
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