京都 泉屋博古館②「泉屋ビエンナーレ」展

今回は泉屋博古館で開催されているもう1つの展覧会「泉屋ビエンナーレ2021 Re-sonation ひびきあう聲」展('21.9.11~12.12まで。企画展込み観覧料800円)の紹介です。
泉屋博古館には、前回櫻谷さんの記事の時に紹介した第15代住友家当主・住友吉左衞門友純が蒐集した古代中国の青銅器のコレクションがあります。
すごく充実したコレクションなのですが、私は何回も見ているので最近では企画展を観に行っても青銅器館の方はパスしていました。
今回久しぶりに見ると、展示数も絞ってずいぶんとすっきりしていました。
文様についてや中国の青銅鏡について書かれた解説チラシなども置かれ、わかりやすいです。

これは「虎卣(こゆう)」といいますが、古代中国の青銅器ってこういった呪術めいた文様がいっぱい施されています。
青銅器館には、こういった精緻ですが不思議な青銅器がたくさん展示されています。
今回の展覧会は、現代の鋳金作家にこれらの中国青銅器からインスピレーションを受けた作品の制作を依頼し、できた作品を展示したものだそうです。
新しく新作を依頼って、小さい作品もありましたが、9人の作家さんによる計33点もの作品がありましたよ。
さすがは住友家!
芸術に新しくお金をかける心意気が良いですね~(拍手)
この展覧会は写真撮影可だったので、少しだけですがお見せしますね。

ちょっとピンボケしてますが、元型の写真です。
「鴟鴞尊(しきょうそん)」という商(殷)後期のミミズク形のお酒入れです。

この鴟鴞尊からインスピレーションを受けて作られたのが山下真守美さんの「夜の集」です。
これはなんとなくわかります。

そして、こちらが同じく鴟鴞尊からの着想の三上想さんの「鳥の青銅花器と繋ぐ花」です。
ここまでくると、共通点は「鳥」でしかないような ^^;)
ずいぶんとかわいくなりましたけどね。

かわいいといえば、佐治真理子さん作の「きいてみたいこと~Who are you?~」。
饕餮文など、元々怪獣の顔なのですが、それをそのまま顔にしてヒト型にするとは!

またそれがなんとなくカワイイ。
でもよく考えてみれば、入れ物に顔の文様を施した古代青銅器の時代の発想と似ているといえば似てます。
看板やポスターのメインになるだけあって、私もこの3体の人形の作品が一番気に入りました ^^)

作家さんの発想力ってすごいな~と感心するとともに、形は変わっても、こうして文化はつながっていくのだなと思った展覧会でした。
(写真は山下真守美さんの「おはこびうま」です)
この展覧会は12/12までです。
青銅器館の展示と一緒に見ると面白いですよ。
泉屋博古館
住所:京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24 TEL:075-771-6411
開館時間:10時半~17時(入館は16時半まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日代替休)、展示替期間、展覧会の会期中にも臨時休館日がある場合有り。
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