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京都 泉屋博古館①「木島櫻谷」展

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 京都の泉屋博古館では「木島櫻谷」展と「泉屋ビエンナーレ」展の2つの展覧会が同時開催されています。
 今回は「木島櫻谷 四季の金屏風-京都画壇とともに-」展('21.9.11~10.24まで。観覧料800円)の紹介をします。

 木島櫻谷(このしまおうこく 1877-1938)は、明治から昭和初期にかけて活躍し、近代京都画壇の重鎮と目された日本画家です。
 今尾景年のお弟子さんで、写生を基本とした美しい絵を描きます。
 とくに櫻谷さんの動物画は良く、今回の展覧会では展示されていませんでしたが、京都市美術館所蔵の「寒月」という作品を見た時に私はファンになりました。
 泉屋博古館が木島櫻谷の展覧会を開催するのは今回で3回目で、そのいずれも観に行っていますし、京都文化博物館で開催された展覧会、木島櫻谷の旧邸にも見に行っています。

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 泉屋博古館は住友家旧蔵の美術品を保存、公開するため美術館なのですが、住友家と櫻谷との関係は、住友家15代当主・住友吉左衞門友純(すみともきちざえもんともいと)が天王寺にあった本邸(現大阪市立美術館)のための屏風の制作を依頼したことから始まるそうです。
 その四季ごとに分かれた六曲一双の屏風が一堂に観れるのがこの展覧会です。

 会場に入るとすぐに目に入るのは、金屏風に描かれた「猛禽波濤図」です。
 27歳の時に描かれた作品で、金地に墨一色で描かれた鷲は、羽がバサバサになっており、強い風に負けず岩を目指す不屈の闘志と威厳がある迫力の屏風で、展覧会への期待を盛り上げます。

 そして櫻谷の得意の動物画が並びます。
 櫻谷さんの描く動物は目が活き活きしていて、優しい感じがするところが良いのですよね~。

 次のコーナーでは、櫻谷が学んだ応挙や呉春などの四条・円山派の作品、師である今尾景年、櫻谷ゆかりの画人である森寛斎や岸竹堂、櫻谷と人気を二分した竹内栖鳳など京都画壇の作品が並んでました。

 そして今回のメインである六曲一双の四季図屏風です。
 春・夏・秋・冬の屏風を四方に配置し、その真ん中に椅子が置かれているので、四季図に囲まれている中で屏風を観ることができます。
 その屏風の美しいこと!
 
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 全て金屏風で、春は「柳桜図」です。
 柳の新芽に桜の花はよく合います。
 この桜は蕾から散り始めの桜の花びらまで1つ1つ描かれており、夢見心地になるぐらい美しい。

 夏の「燕子花図」は、花の青はベタ塗りだなと思ったのですが、岩絵具は細かく砕けば砕くほど白っぽくなるそうなので、これだけ鮮やかな青色を出そうとすれば粗く砕いた岩絵具で描いたと思われます。
 当時高価だった青の岩絵具を惜しみなく使っているので、ある意味この屏風が一番贅沢なのかもと思いました。

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 秋の「菊花図」は、菊の花が1つ1つ丁寧に描かれています。
 よく見ると、花の裏から見た菊や花びらが全部落ちて軸だけになったものまであります。
 花びらは絵具の盛り上がりが見えるぐらい厚く塗ることで、菊の花びらの筋を表現しているところも見事です
 ところどころに見える赤い菊や葉の色も美しく、秋の菊を満喫できます。

 冬の「雪中梅花」は、雪の積もっているところと溶けかけているところの表現が素晴らしい。
 よく見ると、ところどころに紅梅が蕾であったり咲いていたりします。
 春の訪れが近いことがわかります。

 この4つの屏風は住友家の依頼によって制作されたので、表地は金箔、裏は銀箔が貼られているとても贅沢なものです。
 住友家では何かの折にはこの屏風を飾って楽しんでいたとのことですが、4つの屏風全てを飾るということは珍しかったのではないかと思います。

 たまたま行った日に閉館時間までいたら人がいなくなって、運良く1人でこれらの屏風を観ることができました(厳密には監視員さんがいらっしゃったので1人きりではありませんが)。
 どの作品からも優しい風と植物の息吹のような生命の輝きが感じられ、癒しをかけられたように気持ちが明るくなります。
 まさに至福の時間でした。

 木島櫻谷はじっくり見れば見るほど、すごさがわかります。
 4つの四季図屏風全部を一堂に観る機会はそう多くはないと思います。
 この秋一番のオススメの展覧会でした。
 良かったです。

泉屋博古館
 住所:京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24 TEL:075-771-6411
 開館時間:10時半~17時(入館は16時半まで) 休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日代替休)、展示替期間、展覧会の会期中にも臨時休館日がある場合有り。

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