奈良 6月の般若寺② 境内散策編
前回はイベント的な花を紹介しましたので、今回はお寺について書きたいと思います。

般若寺(はんにゃじ)は真言律宗のお寺で、山号は法性山、御本尊は八字文殊菩薩騎獅像です。
般若寺のHPに載っている縁起によると、般若寺は飛鳥時代に開かれ、天平7年(735年)聖武天皇が平城京の鬼門を守るため大般若経を塔の基壇に収め卒塔婆を建てたのが寺名の始まりだそうです。
平安時代は学問寺として栄えましたが、平家による南都攻めに遭い伽藍は焼失。
鎌倉時代に入り、真言律宗宗祖である叡尊(えいそん)と良恵(りょうえ)によって七堂伽藍の再建が行なわれましたが、戦国時代に松永久秀一派と筒井順慶一派の東大寺大仏殿の戦いでまたもや伽藍は焼失。
明治の廃仏毀釈で甚大な被害を受け、一時は住職を置かず無住状態で、本山である西大寺が管理していましたが、第二次大戦後に境内が整備がされ、有住職の寺となり現在に至っています。
コスモスは、前住職が荒れた境内に咲く一輪のコスモスを見つけ「多くの人にコスモスを見て頂き、心を和やかに持って欲しい」という想いのもとコスモスの研究を始められたそうです。
秋のコスモスシーズンになると、約15万本30種類のコスモスが咲くそうですよ。
今では秋だけでなく初夏にも咲いて、たくさんの人が見に来られて、前住職さんも喜ばれているでしょうね ^^

こちらは本堂です。
中には御本尊の文殊菩薩さまがいらっしゃいます。
こちらの文殊さまは、若くて瑞々しく凛々しい少年のようなお姿です。
衣の截金細工もきれいに残っています。
獅子は少し横を向き、外からの敵から文殊さまを守ろうとしているかのようでした。
江戸時代に作られた不動明王像は、それほど大きくはないですが、すごい迫力です。
光背のカルラも立体的で、炎の中にいらっしゃるという感じが強くします。
その他、四天王像、弘法大師像、叡尊上人像(模刻)などが安置されていました。
仏像などは、お寺のHPに写真が載ってますので、ご興味のある方は見てみてくださいね。

十三重石宝塔です。
大きいです。
写真ではわかりませんが、下部の石の4面には東南西北に薬師・釈迦・阿弥陀・弥勒仏がそれぞれ彫られていました。
昭和39年に大修理が行われ、その時に多数の納入宝物が発見されたようです。
その中に春と秋に公開される白鳳時代の秘仏阿弥陀如来さまがいらっしゃったそうですが、今回はお目にかかれませんでした。

こちらは国宝の楼門です。
鎌倉時代の門で、楼門遺構としては日本最古の作例だそうです。

2階の欄干部分に毘沙門天さまらしきお姿が見られました。
この門は現在は使われていませんが、京街道に面しています。

楼門のすぐそばには、平重衡の供養塔がありました。
重衡は平清盛の五男で、清盛の命で大軍を率いて奈良に向かったところ、興福寺衆徒が般若寺辺りで迎え討ちますが、重衡軍が突破し火をかけたことから、興福寺や東大寺、般若寺の伽藍は焼失。
重衡は南都(奈良)の衆徒から憎まれ、清盛没後、重衡も捕まり斬首され、般若寺の門前に首が晒されたそうです。
その関係でここに供養塔があるのですね。
ちなみに境内には、大塔宮護良親王や藤原頼長の供養塔もあります。
それぞれ般若寺と関りがあるとはいえ、無念の最期を遂げた人ばかりのような。
このお寺は御霊神社的な役割を果たしていたのかもしれませんね。

こちらは笠塔婆(かさとうば)といって、角柱状または板状の塔身に屋根(笠)をのせたもので、塔婆の一種です。
元は違う場所に建っていたのですが、明治の廃仏毀釈で破壊され、明治25年に境内に移転再建されたのだそうです。
以前は平重衡の墓とされていたそうですが、それは違うことが判明しているようです。
笠塔婆形式では日本最古の作例だそうです。

伊勢・春日・八幡の三社を合祀する鎮守社です。
明治の神仏分離令にあって、辛くも分離せずに済み、境内に残ったようです。

西国三十三所の観音石仏像が静かに佇んでいらっしゃいます。
江戸時代、病気平癒のお礼に奉納されたのですって。

こちらはカンマン石といって、写真ではわかりにくいですが、少し出っ張ったところがあり、そこをお腹や背中に当てると健康が増進するそうです。
石の上には小さなお不動さまもいらっしゃって、ご利益がありそうです。
境内には触ると運気が上がる石もありましたよ。

ここはそれほど大きくはありませんが、仏さまに守られ、花に癒され、すこし哀しい歴史に触れられるお寺でした。
今回は下調べが足りなくて、搾りたてのミルクで作られたソフトクリームが食べられる植村牧場や、明治のレンガ建築の旧奈良監獄(内部拝観不可)が近くにあったのに行けませんでした。
また仏さまやきれいな花々に癒されに訪れたいと思いますので、その時は寄り道をしたいと思います。
この後、ボリュームたっぷりのランチを食べましたが、その話はまたの機会に。
長い文章にお付き合いくださって、ありがとうございました。
般若寺
住所:奈良市般若寺町221 TEL:0742-22-6287
拝観時間:3~6月、9~11月は9時~17時、1・2・7・8・12月は9時~16時
拝観料:500円
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般若寺(はんにゃじ)は真言律宗のお寺で、山号は法性山、御本尊は八字文殊菩薩騎獅像です。
般若寺のHPに載っている縁起によると、般若寺は飛鳥時代に開かれ、天平7年(735年)聖武天皇が平城京の鬼門を守るため大般若経を塔の基壇に収め卒塔婆を建てたのが寺名の始まりだそうです。
平安時代は学問寺として栄えましたが、平家による南都攻めに遭い伽藍は焼失。
鎌倉時代に入り、真言律宗宗祖である叡尊(えいそん)と良恵(りょうえ)によって七堂伽藍の再建が行なわれましたが、戦国時代に松永久秀一派と筒井順慶一派の東大寺大仏殿の戦いでまたもや伽藍は焼失。
明治の廃仏毀釈で甚大な被害を受け、一時は住職を置かず無住状態で、本山である西大寺が管理していましたが、第二次大戦後に境内が整備がされ、有住職の寺となり現在に至っています。
コスモスは、前住職が荒れた境内に咲く一輪のコスモスを見つけ「多くの人にコスモスを見て頂き、心を和やかに持って欲しい」という想いのもとコスモスの研究を始められたそうです。
秋のコスモスシーズンになると、約15万本30種類のコスモスが咲くそうですよ。
今では秋だけでなく初夏にも咲いて、たくさんの人が見に来られて、前住職さんも喜ばれているでしょうね ^^

こちらは本堂です。
中には御本尊の文殊菩薩さまがいらっしゃいます。
こちらの文殊さまは、若くて瑞々しく凛々しい少年のようなお姿です。
衣の截金細工もきれいに残っています。
獅子は少し横を向き、外からの敵から文殊さまを守ろうとしているかのようでした。
江戸時代に作られた不動明王像は、それほど大きくはないですが、すごい迫力です。
光背のカルラも立体的で、炎の中にいらっしゃるという感じが強くします。
その他、四天王像、弘法大師像、叡尊上人像(模刻)などが安置されていました。
仏像などは、お寺のHPに写真が載ってますので、ご興味のある方は見てみてくださいね。

十三重石宝塔です。
大きいです。
写真ではわかりませんが、下部の石の4面には東南西北に薬師・釈迦・阿弥陀・弥勒仏がそれぞれ彫られていました。
昭和39年に大修理が行われ、その時に多数の納入宝物が発見されたようです。
その中に春と秋に公開される白鳳時代の秘仏阿弥陀如来さまがいらっしゃったそうですが、今回はお目にかかれませんでした。

こちらは国宝の楼門です。
鎌倉時代の門で、楼門遺構としては日本最古の作例だそうです。

2階の欄干部分に毘沙門天さまらしきお姿が見られました。
この門は現在は使われていませんが、京街道に面しています。

楼門のすぐそばには、平重衡の供養塔がありました。
重衡は平清盛の五男で、清盛の命で大軍を率いて奈良に向かったところ、興福寺衆徒が般若寺辺りで迎え討ちますが、重衡軍が突破し火をかけたことから、興福寺や東大寺、般若寺の伽藍は焼失。
重衡は南都(奈良)の衆徒から憎まれ、清盛没後、重衡も捕まり斬首され、般若寺の門前に首が晒されたそうです。
その関係でここに供養塔があるのですね。
ちなみに境内には、大塔宮護良親王や藤原頼長の供養塔もあります。
それぞれ般若寺と関りがあるとはいえ、無念の最期を遂げた人ばかりのような。
このお寺は御霊神社的な役割を果たしていたのかもしれませんね。

こちらは笠塔婆(かさとうば)といって、角柱状または板状の塔身に屋根(笠)をのせたもので、塔婆の一種です。
元は違う場所に建っていたのですが、明治の廃仏毀釈で破壊され、明治25年に境内に移転再建されたのだそうです。
以前は平重衡の墓とされていたそうですが、それは違うことが判明しているようです。
笠塔婆形式では日本最古の作例だそうです。

伊勢・春日・八幡の三社を合祀する鎮守社です。
明治の神仏分離令にあって、辛くも分離せずに済み、境内に残ったようです。

西国三十三所の観音石仏像が静かに佇んでいらっしゃいます。
江戸時代、病気平癒のお礼に奉納されたのですって。

こちらはカンマン石といって、写真ではわかりにくいですが、少し出っ張ったところがあり、そこをお腹や背中に当てると健康が増進するそうです。
石の上には小さなお不動さまもいらっしゃって、ご利益がありそうです。
境内には触ると運気が上がる石もありましたよ。

ここはそれほど大きくはありませんが、仏さまに守られ、花に癒され、すこし哀しい歴史に触れられるお寺でした。
今回は下調べが足りなくて、搾りたてのミルクで作られたソフトクリームが食べられる植村牧場や、明治のレンガ建築の旧奈良監獄(内部拝観不可)が近くにあったのに行けませんでした。
また仏さまやきれいな花々に癒されに訪れたいと思いますので、その時は寄り道をしたいと思います。
この後、ボリュームたっぷりのランチを食べましたが、その話はまたの機会に。
長い文章にお付き合いくださって、ありがとうございました。
般若寺
住所:奈良市般若寺町221 TEL:0742-22-6287
拝観時間:3~6月、9~11月は9時~17時、1・2・7・8・12月は9時~16時
拝観料:500円
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