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美術館「えき」KYOTO「香りの器」展

 京都駅伊勢丹にある美術館「えき」KYOTOで開催されている「高砂コレクション 香りの器」展('21.6.12~7.4まで。入館料1000円)を観てきました。

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 この展覧会、きれいでした~。
 香油壺や香油瓶、香水瓶、香炉など、紀元前から近代ぐらいまでの小さな器の変遷が見れました。

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 どれもかわいく美しい。
 元々ガラス製品は好きなのですが、香水瓶などはオシャレなものが多いです。

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 これはドーム兄弟の「百合文香水瓶」です。
 緑の色がきれいでした。
 写真は上部だけで渦巻き文ですが、下の方は百合文が模られています。
 この百合文の形は、フランス王家の紋章に使われているフルール・ド・リスに似てました。
 本当のユリの花ではなくアヤメ(アイリス)の方ですね。

 ルネ・ラリックやバカラの香水瓶などもありました。
 こうなると中身の香水より香水瓶目当てになりそうですね。

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 こちらの香水瓶を近くで見て、透明ガラスに金の三角形をまとわせ、ふたも三角でおしゃれだなと思っていたのですが、作品名を見ると「道化」とあります。
 ちょっと離れて見ると、確かに道化(アルルカン)に見えて、くすっと笑ってしまいました。
 
 香水瓶はガラス製品だけでなく、陶磁器製のも展示されていて、マイセンやロイヤルコペンハーゲン、オールドノリタケと呼ばれている日本陶器合名会社製の物などマニア垂涎のものが揃ってました。

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 この他に、日本の香道に関するものや、香水のポスターなど多くの物が展示されてました。
 その数236点!
 
 これだけ多くの展示品があるにもかかわらず、分類の仕方がものすごく整っていてわかりやすい。
 このコレクターはすごく整理上手なんだなと思っていたら、高砂香料工業という香料関係の会社が集めた資料や美術品だったのです。
 研究資料も兼ねているので、きちんと分類して保存しているのだなと納得しました。

 それにこの会社、創業者は大正時代のデロリ系日本画家の甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)のお兄さんである甲斐荘楠香(かいのしょうただか)だそうです。
 甲斐庄楠音(本名は甲斐荘)は結構好きな画家なので、この展覧会でこの人の名前が出てきてびっくりしました。
 お兄さんの楠香さんは自分の名前の通り、香りに興味を持ってられたのですね。
 創業は1920年で、第1次世界大戦後の不景気な時だったそうです。
 ちょうど楠音も画家として頭角をあらわしてきた頃です。
 お兄さんも人とは違った発想で会社を興し、兄弟で世の中に出だしたのだなと思いました。

 そうそう、香りで思い出しましたが、蘭奢待も展示されていました。
 ものすごく小さな破片で、これで香りがわかるのかな?と思いましたが、これを使うことは絶対になく、持っていること自体に価値があるのでしょうね。
 ところで「蘭奢待」という字の中に「東」「大」「寺」という字が隠されているので、蘭奢待は「東大寺」とも呼ばれていたのですって。
 面白いですね。

 きれいな数々の器を眺めながら、香りについても知ることができる楽しい展覧会でした。
 オススメです。
 
 美術館「えき」KYOTO
 住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹7階隣接 TEL:075-352-1111(大代表)
 開館時間:10時~19時30分(入館は閉館の30分前まで)

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