大阪 国立国際美術館「ミケル・バルセロ」展

書こう、書こうと思いながら先延ばしにしていた、国立国際美術館で開催されていた「ミケル・バルセロ」展(21.3.20~5.30まで。観覧料1200円)は、緊急事態宣言のため4/25から美術館が臨時休館になり、そのまま閉幕になってしまいました。
簡単になりますが、少しだけ感想を書いておきたいと思います。
この展覧会は、スペインの現代美術作家ミケル・バルセロの日本で初めて開催される個展です。

ミケル・バルセロって、今回の展覧会を見るまでは全く知らないアーティストだったのですが、作品は大きいのが多くて粗いタッチで描かれているので、パッと見には抽象画に見えますが具象画の作品ばかりです。
この作品も近づいて見ると、魚の大群です。
こういう大きな具象画って、抽象画より強烈なインパクトを与えるものなんですね。
初めて知りました。

この作家さんは形を捉えるのが上手いし、色もきれいなのですが、衝動を画面にぶつけているような印象の作品も多くて怖いです。
完成したきれいな作品を、絵具をぶちまけたりして壊して新しい作品に作り変えていく過程を録画した映像が流れていました。
きれいなものを壊す行為(破壊)は、本人たちは好き放題にできるので楽しそうなのですが、見ているこちらは全然楽しくも面白くもありません。
ましてや、破壊行動はエネルギーが必要なため、楽しそうにしていた本人たちも疲れていきます。
そうした作り手の衝動の発散でできた作品を面白いと感じるには、受け止める方にも資質がいるように思えました。
私が美術に求めているのは、自分の気持ちの平静化、美しいものを観て心を晴れやかにするためなので、プライベートな時間にお金を払ってまで人の衝動のような熱情に付き合う気持ちがおこらず、こういった作品は合いませんでした。
ですが、こういった熱情を自分の衝動と重ね合わせて昇華させる人は面白い展覧会だと感じるかもしれません。
ドーンとくる衝動を受け止められるぐらいエネルギーのある人に向いている展覧会だと思いました。
国立国際美術館
住所:大阪市北区中之島4-2-55 TEL:06-6447-4680
開館時間:10時~17時(金・土は~20時まで。入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始
緊急事態宣言のため'21.4.25~臨時休館中
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