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美術館「えき」KYOTO「江里佐代子 截金の世界」展

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 美術館「えき」KYOTOでは「京の至宝Ⅱ 江里佐代子 截金の世界-宙の輝きを康慧・朋子とともに-」('21.1.2~1.24まで。入館料900円)が開催されています。
 この展覧会は、截金師・江里佐代子(1945-2007)さんの作品を中心に、ご家族の作品を含めて截金装飾を紹介する内容でした。
 
 京都迎賓館や昨年1月の「婦人画報と京都」展で江里佐代子さんの作品を観てすごくきれいだったので、この展覧会を楽しみにしていたのです。

 江里佐代子さんは、京繍の老舗のお家に生まれて、仏師の江里康慧さんとご結婚。
 夫の康慧さんの父・宗平さんも仏師で、仏像の衣の装飾などに截金技法が使われるため、江里家の意向を汲んで佐代子さんが截金技法を学ばれ、一緒に仏像製作に励まれたそうです。

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 こちらの「毘沙門天立像」は、仏像が夫の康慧さん、衣等の装飾は佐代子さんの合作作品です。
 截金技法の映像が流れていたのですが、截金(きりかね)は金・銀・プラチナの箔を細く切り、筆と糊で貼って文様を作る技法ですが、ものすごく細かく、神経を使う作業です。
 この仏像はそれほど大きくなかったのですが、それでもこの仏像1体に截金装飾をするのに、どれぐらいの時間がかかるのかと思うとくらくらしました。

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 佐代子さんは仏像の荘厳装飾だけでなく、工芸品にも截金技法を応用されました。
 こちらは截金飾筥「天空燦花(てんくうさんか)」という作品です。
 いろんな文様が施され、美しい~。

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 そして「截金彩色まり香盒」「截金彩色盒子」です。
 さすが京繍(きょうぬい)の家に生まれた人ですね。
 まるで糸で作った手毬みたいです。
 繊細で美しい~。
 丸くきれいに貼っていくのって、平面より難しそう。
 江里佐代子さんは、2002年に全国最年少で人間国宝に認定されています。

 更新の育成にも力を注がれたそうで、展覧会には娘さんの朋子さんの作品も展示されていましたよ。
 朋子さんの截金飾筥「皓華(こうげ)」は、そんなに派手さはありませんが、落ち着いた美しさがありました。

 全体的に江里佐代子さんの作品は、糸の代わりに截金を使って表現しているような印象でした。
 箔を糸のような細さに切って貼っていくのですから、ものすごく高度な技術であることは素人目にも明らかです。
 素地の色の配分も素晴らしく、感嘆のため息が出るほど美しい展覧会でした。
 良い目の保養になりました。
 
 美術館「えき」KYOTO
 住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹7階隣接 TEL:075-352-1111(大代表)
 開館時間:10時~19時30分(入館は閉館の30分前まで。最終日17時閉館)
 注:時間や日程は、状況により変更される可能性があります。行かれる前にHP等で確認を。
 
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