京田辺市 酬恩庵一休寺

先日、京田辺市にある酬恩庵 一休寺(しゅうおんあん いっきゅうじ)に行ってきました

このお寺は、とんちで有名な一休さん(一休宗純禅師)が晩年に過ごしたお寺です。
山号は霊瑞山、御本尊を釈迦如来座像とする臨済宗大徳寺派のお寺です。
元の名は妙勝寺といい、鎌倉時代に大応国師(南浦紹明)が中国の虚堂和尚に禅を学び、帰朝後、禅の道場をここに建てたのが始まりとされています。
その後、戦火により衰退していたところ、六代の法孫に当たる一休禅師が康正2年(1456年)に宗祖の遺風を慕って堂宇を再興し、師恩にむくいる意味で「酬恩庵」と命名。
88歳で亡くなるまでこのお寺で過ごされたそうです。

総門をくぐると、紅葉がきれいな参道になります。
拝観料500円を納め、中に入ります。

こちらは一休さんのお墓になっていますが、門が閉まっていて中は見ることができません。
一休さんは、後小松天皇の御落胤とする説が有力らしく、そのためお墓も宮内庁が陵墓として管理しているため、門には菊の御紋があります。

こちらは方丈です。
江戸時代の慶安3(1650)年に加賀三代目藩主・前田利常の寄進により再建されました。
方丈の中央の内陣を昭堂と称し、一休禅師の木造が安置されています。
一休さんが亡くなる前に、弟子の墨済禅師に命じて作らせたもので、一休さんの頭髪と髭を植えさせたんですって

頭や髭まではわかりませんでしたが、写実的なお顔の像です。
宝物殿に、一休禅師の頂相の掛軸もありましたが、沓床(足をのせたり、靴をのせてある台)の脚が1つ取れていて、その取れた部分も描いてありました


普通は4本で支えている台が3本で支えているので不安定になりますが、それを補うためか自分の足の位置でバランスを取っているかのように見えるところが面白いです。
それに、赤い大きな太刀を持っているのも珍しい。
なんか嘘を描かれるのが嫌いそうなので、本当に脚の欠けた沓床だったのじゃないかと思いました。
宝物殿に行かれたら、ぜひ一休さんの頂相に注目してみてくださいね

そうそう、弟子の墨済禅師の頂相もありましたが、なかなかイケメンでした

方丈の襖絵は、狩野探幽の作だそうですが、現在方丈にあるのはレプリカで本物は宝物殿にあり、部分的に見ることができます。
宝物殿は英一蝶の掛軸があったり、そんなに大きくはないですが、なかなか見る物があり楽しかったです


方丈の話に戻りますが、こちらは南庭です。
枯山水のきれいなお庭でした。
東庭や北庭もあり、そちらは少し大きめの石を配置してあり、苔との調和が美しかったです

とくに北庭の作庭は、石川丈山、松花堂昭乗、佐川田喜六の3名の合作とされているそうです。
ちょっと日の当たり方の加減で、写真がうまく撮れなかったので載せていません。


方丈を出て少し行くと、本堂(法堂)があります。
室町幕府六代目将軍足利義教公の帰依により建立されたそうです。
お堂自体は小さめですが、ちゃんと門がついているところが格式があります

中には御本尊の釈迦如来坐像と、脇仏に文殊菩薩・普賢菩薩像が安置されています

中に入ることはできず、格子の隙間から拝ませてもらいますが、ちょっと暗くて見えにくかったです。

開山堂には、大応国師の木造が安置されています。
こちらも隙間から見るだけですが、結構若くてかっこいいお坊様でした。
その開山堂の前にいらっしゃるのが、一休さんの像です。
この一休さんの像は、方丈の木造のお顔そっくりに作られていました。

奥に進むと橋がありました。
ちゃんと真ん中を通って渡りました(笑)。

先に進むと、二十世紀の森といい、こんなかわいい石像が何体もありました。
地元住民の方が作られたのですって。


こちらの三本杉は現在は2代目ですが、元々は一休さんと、一説には蜷川新右衛門と蓮如上人がそれぞれ1本ずつ植えたといわれているそうです。
ここでアニメの一休さんでおなじみの新右衛門さんの名前がでるとは、懐かしい

いえ、つながりがあったからこそ、アニメに登場したのでしょうけどね


最寄りの近鉄新田辺駅やJR京田辺駅からバスが出ているのですが、便数が1時間に1本しかないため歩いていきましたが、約1.5㎞をなだらかに上って行きます。
一休禅師が大徳寺の住職になったのは81歳の時で、ここから大徳寺まで通っていたそうです。
とはいえ、お寺に輿が展示されていたので、実際に本人が歩いたのではないと思いますが、このお寺から大徳寺まで通うのはかなり大変だったと思います。
それでもこのお寺から離れなかった一休さんは、紅葉や四季折々の花が美しいこのお寺を気に入っていたのだなと思いました。
以前から行きたかったお寺でしたが、風情があり良かったです

酬恩庵一休寺
住所:京都府京田辺市薪字里ノ内102 TEL:0774-62-0193
拝観時間:9時~17時(16時15分に拝観受付終了。宝物殿は9時30分~16時30分)

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