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京都市学校歴史博物館 「絵を語る言葉」展

 大阪に外出自粛要請が出てしまいました
 しばらくはお出かけができませんが、ブログの方は今までに行った分について書いていきたいと思います。

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 先日、京都市学校歴史博物館に行きました。

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 こちらでは「絵を語る言葉」展('20.10.8~12.1まで。入館料300円)が開催されていたのですが、行ったのが閉幕ギリギリだったので、会期中に記事にすることができませんでした。
 ですが、良かったので少しだけ記事に残しておきたいと思います。

 この展覧会は、明治時代の京都画壇の画家が、地元の小学校に寄贈した絵とともに、描いた画家本人の言葉や、新聞や書籍などのメディアから見た画家などについても紹介する内容でした。 
 近代京都画壇の作品が揃っているので、絵だけでも見応えがあるのですが、画家の言葉というのは興味深かったです。

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 安井曾太郎は、「絵画的というのは単なる模写ではなく、線と色彩と明暗との構成の内に対象物を最も清新に表現すること」というようなことを言ってますが、「最も清新に」なので、対象を新しくていきいき表現することに興味があったのですね。

 本人の言葉の全文を書き写すのが大変だったので、ちょっと私の意訳ですが、福田平八郎は「色彩を追求すると、形をとらえることができる」、梅原龍三郎は「最も豊かな色の調和は、最も弱い色の最も強いコントラストによって生まれる」というようなことを言ってます。
 榊原紫峰なんて「花鳥の世界は愛」とのことなのですから、すごいですよね。
 
 それから、もう1点すごいなぁと感心したのは、画家たちの学校への想いです。
 
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 こちらは上村松園の「静御前」ですが、これは六曲一双の屏風の一部です。
 元竹間小学校区に住んでいた画家12名が掛軸を描き、それを学校に寄贈し、屏風に仕立てたものだそうです。
 今では自分が住んでいるからといって、地元の小学校に作品を寄贈するという話はなかなか聞きませんよね。

 向井潤吉は、母校の元・豊園小学校に作品を寄贈し、寄贈した後も絵具の剥離などがおこれば自分で修復されていたそうです。
 作品は今でも剥離どころか、ひび割れもなく良い状態でした。

 京都の小学校に寄贈された作品は、時々、他の美術館の展覧会でも見かけます。
 美術館に貸し出しされるほどの作品を、画家たちは寄贈してきたのですね。

 明治2年に日本で最初の学区制の小学校を京都市民が協力して作ったという歴史があるためか、画家たちと京都の小学校との結びつきの強さを感じる展覧会でした。
 
 こちらの博物館ではいろんな企画展をされますが、年1~2回は美術工芸品の展覧会が開催されます。
 館長は上村淳之さんですからね。
 今回の展覧会はもう終わってしまいましたが、現代の大御所のお墨付きの展覧会がこれからも観れると思います。
 美術系の展覧会の時は、ウキウキ気分でいそいそと出かける博物館の1つです
 自由に出歩けるように、早く新型コロナが収束して欲しいものです
 
京都市学校歴史博物館
 住所:京都市下京区御幸町通仏光寺下る橘町437 TEL:075-344-1305
 開館時間:9時~17時(入館は16時半まで) 休館日:水曜日、年末年始(12/28~1/4)

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