京都文化博物館「舞妓モダン」展

京都文化博物館に行ってきました。

こちらでは「舞妓モダン」展('20.10.6~11.29まで。入場料1500円)が開催されています。
この展覧会、「舞妓」という切り口が京都らしくて面白い。
舞妓さんとは、誰もがちょっとは興味を持ってしまう魅力的な存在ですものね

展覧会の趣旨としては、舞妓が近代京都において、古都を象徴するイメージとして成長していく過程を絵画作品を中心に紹介することなんだそうですが(チラシ抜粋)、私としては、画家たちが舞妓さんたちのどういうところに興味を持っていたのかを知ることができた展覧会でした。

興味を持つところは、本当に皆それぞれで、堂本印象は舞妓さんの立ち居振る舞いに興味があったようで、舞妓さんの所作のスケッチが何枚もありました。
土田麦僊は、美への憧れとして見ていたようです。
「舞妓林泉」は今回は下絵のみの展示でしたが、本画もお人形のように描いています。
舞妓さんといえば、だらりの帯にこっぽり、頭の装飾品。
この辺の描写がやたらと細かい画家が何人もいました。

北野常富の「戯れ」は、今回の展覧会の中で一番きれいだと思った作品です


舞妓さん本人も、色も構図もパーフェクトで、ため息が出るぐらいに美しかったのですが、なんといってもすごかったのが着物や装飾品の描き込みです。
この人も舞妓さんの衣装に、かなり目を奪われていたのでしょうね。
速水御舟は、写実的に描こうとして、あまりきれいに見えない「京の舞妓」という作品を描きあげ、横山大観が激怒するということがあったみたいです。
いろんなものを内に秘めた気持ちの奥を覗き込んで、それを暴露するような、デロリ系の舞妓さんを描いた画家もたくさんいます。
岸田劉生や広田多津は、はじめは興味なかったが仕事などで何回か舞妓さんに接するうちにハマったと言ってたみたいです。
これは当時の舞妓さんの年齢が、9歳から13歳とまだ子どもであったため、子どもが大人の真似をすることへの嫌悪感や憐憫が感情の先に立ったけれど、何回か接している内に舞妓さんの一生懸命さが伝わり、見方が変わったのではないかと推測します。
いろんな努力や想いや厳しさなどを内面にひた隠しにして、外面をきれいに着飾り、甘やかに接してきますが、決して甘いわけではなく、奥深く謎めいたところが舞妓さんの魅力なのかなと思える展覧会でした。
それは「京都」に、ちょっと似ているかも。
絵画の展示だけでなく、衣装や髪形、昔の映像なども見れる展覧会で、面白かったです

京都文化博物館
住所:京都市中京区三条高倉 TEL:075-222-0888
開館時間:10時~18時(金曜は19時30分まで。入館は各閉館の30分前まで)休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は開館、翌日休館)、年末・年始、展示替え期間

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