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兵庫県立歴史博物館「女たちのひょうご」展

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 姫路市立美術館の後、隣にある兵庫県立歴史博物館に行きました。
 こちらでは「女たちのひょうご-千姫から緒方八重-」展('20.10.3~11.23まで。観覧料1000円)が開催されています。

 この展覧会は、江戸時代の世相として女性たちに対しての生き方の押し付けと、兵庫出身の女性を通して実際の女性の生き方や考え方を比較できるような内容です。
 当時の風俗などを紹介する品も多かったのですが、文書や手紙など、文章の展示も多かったです。
 この文章関係の資料が面白い。

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 はじめは、女性は結婚して良い家庭を作ることが絶対無比的な幸せだというような、男性が作ったその時代の社会的通念のような資料から始まりますが、だんだんと様子が変わっていく変化が面白かったです。

 徳川家康の孫の千姫ゆかりの上人は、再婚した千姫に子どもができないのは、元夫の豊臣秀頼があの世で邪魔しているからだ、千姫に子どもができたら秀頼のおかげとずっと感謝するのでお願いします、というような内容の願文を書いてました。
 すごい発想ですよね

 女性が夫から逃げるための駆け込み寺や縁切寺から夫に向けての書状などからは、お寺が離婚調停役を担っていたことがよくわかりました
 
 こんな手紙もありましたよ。
 夫が出稼ぎに行っている間に妻が浮気をして実家に帰されたのですが、その妻が浮気相手に「話したいことがあるので会いに来て欲しい」という内容のラブレターで、現代の私でも反省の色なし?と思いますが、江戸時代にこんな自己中心的な生き方ができる情熱的な人もいたのだなぁとも思いました

 緒方洪庵の妻の八重は、洪庵を支えた良妻賢母として有名ですが、13人もの子どもがいれば中には出来の悪い子もいたらしく、親戚に宛てて愚痴を書いた手紙もあり、八重も普通のおばちゃん的な一面もあったのだなと微笑ましく思いました。
 ただ、紙を無駄にすまいと思ったのか字がびっしりと書かれており、金銭的にシビアな人だったのではないかという印象を持ちました。
 しっかり者だったのでしょうね

 文書資料は、原本そのままでは達筆すぎて読めないものが多いので、今の字体での原文と内容文も載せてあるものがあったので、すごくわかりやすかったです
 最近の文書資料は、抜粋した部分だけの現代文や意訳文の展示が多いので、書いてあることを全部わかりやすく載せてくれたら良いのにと常々思っていたのです。
 展示する側は大変だと思いますが、観る方としてはやっぱり全文が読めた方が面白いです
 
 江戸時代の女性も、私が想像していたより自分の意思を強く持って生きていたのだなと思える展覧会でした。
 良かったです

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 姫路も紅葉が始まっていました。

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 桜も咲いていましたよ
 それも何本も。
 
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 博物館を出た時は曇ってきたので、写真の映りは悪いのですが、紅葉と桜の競演が見れました

兵庫県立歴史博物館
 住所:姫路市本町68 TEL:079-288-9011
 開館時間:10時~17時(入場は16時半まで)
 休館日:月曜(月曜日が祝日・休日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替えなどで臨時休館あり

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