京都国立近代美術館「森口邦彦」展

京都国立近代美術館で開かれている「人間国宝 森口邦彦 友禅/デザイン―交差する自由へのまなざし」展('20.10.13~12.6まで。観覧料1000円)を観てきました。

この展覧会は、友禅技法で人間国宝に認定されている森口邦彦さんの初期から現在までの着物の代表作、それらのデザインの草稿などを紹介した内容となっていました。
この作家さんの着物の柄というのは、幾何学模様ですごくデザイン的です。
デザイン画も一緒に展示されていたのですが、それを見ると緻密な計算に基づいて作られているのがわかります。
元々幾何学模様というのはそうなのですが、数学的というか、規則正しい配列です。


チラシに載っているデザインが各言語によって違っていたので、日本語以外のももらってきたのですが、これらの柄で着物が作られており、それらがずらりと並んでいるのを見るのは壮観でした。
色はグラデーションをつけたり、少し錯視効果をもたらすものもありました。
幾何学文様は着物に仕立てる時、柄の部分を合わせるのが大変らしく、熟練の専門職人が仕立てているそうです。
確かに、少し柄がズレるだけでも、組み立てられた幾何学模様の美しさが損なわれますものね。
ただ、私は着物を着ないので、実際に着てみるとどんな感じになるのかがあまり想像できませんでした。
1着だけ女性が着た映像があったのですが、すごく粋でオシャレでした。
甘くなく、かっこよくてスタイリッシュなのです。
大人のキャリアウーマンが似合いそうでした。
「緑陰」という友禅訪問着は、緑と黒がメインで竈門炭治郎くんの羽織にちょっと似ていて、着た感じも想像できました。
実際には白も少し入っているし、市松模様ではないので、炭次郎くんの羽織とはちょっと違うのですけどね。
着た印象がわかったのはその2着だけだったのですが、やはり着物だけで見るのと、実際に着た印象とは違うので、全部の作品の着物ショーの映像などがあれば楽しいだろうなと思いました。
この展覧会は、着物好きの人にはたまらない展覧会でしょうね。
今回のコレクション展の方は、今年(令和2年)の3月で解散されたパンリアル美術協会の作品、企画展と連動した模様に関した作品、それと須田国太郎の作品が主な展示でした。

とくに須田国太郎は特集を組んで展示されていました。
前後期で、この美術館で所蔵されている須田国太郎の作品は全部見れるのではないかなと思います。
解説もいろいろ書いてあったかもしれませんが、もう目が疲れていたので、文章はパスして作品だけを見て終わりました。
この人の絵は濃いので、近くから見るより少し離れて見る方が、作品の光がわかって見やすいです。
距離によって見る印象が全然違ってくるので、ご自分にとって丁度良い距離を見つけてくださいね。
今回も盛り沢山の内容で楽しかったです

京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館の30分前まで)休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)、年末・年始、展示替え期間

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