京都国立近代美術館「京のくらし」展

京都国立近代美術館では「京(みやこ)のくらし-二十四節気を愉しむ」展('20.7.23~9.22まで。観覧料1000円)が開催されています。
この展覧会、すごい!!
日本画、洋画、工芸、陶芸、染織など、京都国立近代美術館のコレクションを全部一堂に公開したのではないかと思えるほど見事な展覧会です


あまりの豪華さに、心はワクワク、目はキラキラしてしまいました。
今回の展覧会は、季節の移ろいを把握する目安となる二十四節気に沿ってコレクションを展示することで、伝統行事などを大切にする京のくらしの1年を紹介する内容となっています。
二十四節気とは、春夏秋冬の4つの季節を更に6つの期間に分けたものです。
1つの季節を細かく6つ分けているので、合計24で二十四節気になります。
春の始まりを意味する「立春」から始まり、立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨→立夏→小満→芒種→夏至→小暑→大暑→立秋→処暑→白露→秋分→寒露→霜降→立冬→小雪→大雪→冬至→小寒→大寒→立春に戻ります。
暦の話は難しくて私もあまりわかってないのでこれぐらいにしますが、展覧会ではコレクションを大きくは四季に、細かくは二十四節気に分類して展示してあります。

チラシも各季節ごと計4枚作られていましたよ。
上のチラシは、左が北沢映月の「祇園会」で夏、右が松田権六の蒔絵箱「赤とんぼ」で秋です。
展示はどこから見ても良いのですが、立春から始めると今の季節では暑すぎるとのことで、EVで行く入口近くは夏の立夏から始まっていました。
さすが人間国宝の松田権六、すっきりしたデザインの蒔絵箱は美しかったです


このチラシは、左が堂本印象の「冬朝」で、右は森口華弘の振袖「梅林」です。
堂本印象の「冬朝」きれいだった~

群れて立っているので鳥たちも寒いのでしょうが、白鷺の白さが清々しくて、ピンと張った冬の朝の冷たさの中に品を感じました。
本当にどれもこれもステキな作品ばかり。
その中でも、安藤緑山の作品を8点も観れたのが良かったです。

こちらは安藤緑山の牙彫置物「柿」です。
これが象牙細工にはとても見えません。
本物そっくりです

この人は、彫りの技術もさることながら、彩色がすごいのだと思います。
色がイマイチなら、これほどリアルに見えませんものね。
すごい観察眼とそれを具現化できる技術を持ち合わせた人だったのでしょうね。
安藤緑山の作品をはじめ幾つかの工芸作品は、清水三年坂美術館で見たような気がするのですが、近美が買い取ったのですかね?

本展だけでなく、コレクション展の方も六曲一双の大きめの屏風がドーンと並んでいました。
本当にものすごく豪華な展覧会です。
なぜこれほど豪華なのかというのは、今年オリンピックが開かれる予定だったため、外国人たちに日本の美術・工芸の素晴らしさを披露する目的もあったそうです。
本展だけで展示数266点

そのどれもが超一流の作品ばかりなのですから、日本人でさえびっくりしてしまいます



あまりに見事すぎて、作品を観るだけで手一杯で、京のくらしにまで思い至りませんでしたが、本当にオススメの展覧会です。
会期終了まで残りわずかとなってしまいましたが、行ける人は行ってみてくださいね。
ほとんどの作品は写真撮影も可という大盤振る舞いの展覧会ですよ

時間をたっぷりとって、じっくり楽しむことをお勧めします。
京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
開館時間:9時30分~17時(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は、翌日が休館)、年末・年始、展示替え期間

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