兵庫 伊丹市立美術館「熊谷守一展」
王子動物園の帰りに、伊丹市立美術館にも行ったのですが、この前の4連休は図書館で借りていた本の期限が迫っていたためそれを読んでいて、ブログの更新が遅くなってしまいました
会期終了までにもう少し時間があると思っていたのですが、なんとなく気になって確認したら、なんと7月いっぱいで終了。
8月前半までやっていると思ってた・・・。
ということで、急いで紹介します。

伊丹市立美術館で開催されている「伊丹市制施行80周年 生誕140周年 熊谷守一展 わたしはわたし」展('20.6.23~7.31まで。入館料800円)です。
この展覧会、見応えありました

熊谷守一の初期から晩年の作品まで、計180点弱の作品がずらりと勢揃いです。

熊谷守一(1980-1977)は、洋画だけでなく日本画も生涯のうちでは描いているのですが、東京美術学校(現東京芸大)西洋画選科に入学して学んでおり、展示作品が油彩画が多かったといはいえ、やはり作品を見ていると洋画家という感じです。
ちなみに東京美術学校では、青木繁、山下新太郎、和田三造らが同級生だったようです。
どの画家も名のある有名人ですが、濃い絵を描く画家ばかりですね。
その中で熊谷は主席で卒業したそうですよ。
熊谷守一の興味は、緻密に描くことにはなかったのか、人の顔も詳細に描かないのも多かったです。
ですが、この画家は形を単純化させるのが上手い。
そして、絵のタイトルと絵自体で、人の記憶からその「物」の情報を引き出させ、見ている人自身によってその形を補完させ、納得させてしまいます。

例えば、上の写真の右のチラシ。
私は初めに見た時、黄色い物体は「リンゴ」だと思ったのですが、タイトルは「柚子」。
そう言われると、簡単に柚子(ユズ)だと納得してしまいました。
自分の知っている柚子を絵に照らし合わせて、共通点を勝手に自分で見つけて納得したのだと思います。
上から二段目の左のチラシ、鳥と一緒に描かれているピンクの物体は何だと思います?
私は何かわからなかったのですが、タイトルが「櫻」となっており、桜の花なんだとわかりました。
これが桜?と思いつつも、絶対に違うとは言い切れない説得力が熊谷守一の作品にはあります。
でも、桜の花を知らない人が見れば、この絵は意味をなさなくなるでしょう。
この画家の絵は、観る人の記憶の補完によって完成する作品なのかもしれません。
熊谷守一は 同じモチーフを何度も描いていましたが、その時の気持ちで同じモチーフでも違う絵になるというようなことを話していたそうです。
私は熊谷にとっての色は、形を強調させるためのものだったのではないかと思いましたが、もしかするとその時の気分を表現するのに一役かっていたのかもしれませんね。
とはいえ、自然を対象に写実に描いているので、例えば白椿を描いて青椿にするなんてことはないので、色は実物とそう大きく変わることはありません。
なので、猫の絵の輪郭線を赤にしたりしたみたいです。
90歳を超えてもいろいろ楽しそうに試している姿が想像できました
形の単純化は日本画の福田平八郎もしていましたが、日本画と洋画では受ける印象が全然違います。
そんなことをいうと、熊谷守一に「わたしはわたし、その時の気分に合わせて自分の好きなように描くだけ」といわれそうですね。

図録は2860円と、ちょっと高かったので断念。
欲しかったのですけどね。
代わり(?)に、白ネコのキーホルダーを購入。
台紙にも三毛ネコの絵が描いてあります。
もう片方は、王子動物園で買ったトラのストラップ。
阪神ファンなもんで
これほど一堂に熊谷作品を観たのは初めて。
楽しかったです
伊丹市立美術館
住所:伊丹市宮ノ前2-5-20 TEL:072-772-7447
開館時間:10時~18時(入館は17時半まで)、休館日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始、展示替期間

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会期終了までにもう少し時間があると思っていたのですが、なんとなく気になって確認したら、なんと7月いっぱいで終了。
8月前半までやっていると思ってた・・・。
ということで、急いで紹介します。

伊丹市立美術館で開催されている「伊丹市制施行80周年 生誕140周年 熊谷守一展 わたしはわたし」展('20.6.23~7.31まで。入館料800円)です。
この展覧会、見応えありました


熊谷守一の初期から晩年の作品まで、計180点弱の作品がずらりと勢揃いです。

熊谷守一(1980-1977)は、洋画だけでなく日本画も生涯のうちでは描いているのですが、東京美術学校(現東京芸大)西洋画選科に入学して学んでおり、展示作品が油彩画が多かったといはいえ、やはり作品を見ていると洋画家という感じです。
ちなみに東京美術学校では、青木繁、山下新太郎、和田三造らが同級生だったようです。
どの画家も名のある有名人ですが、濃い絵を描く画家ばかりですね。
その中で熊谷は主席で卒業したそうですよ。
熊谷守一の興味は、緻密に描くことにはなかったのか、人の顔も詳細に描かないのも多かったです。
ですが、この画家は形を単純化させるのが上手い。
そして、絵のタイトルと絵自体で、人の記憶からその「物」の情報を引き出させ、見ている人自身によってその形を補完させ、納得させてしまいます。

例えば、上の写真の右のチラシ。
私は初めに見た時、黄色い物体は「リンゴ」だと思ったのですが、タイトルは「柚子」。
そう言われると、簡単に柚子(ユズ)だと納得してしまいました。
自分の知っている柚子を絵に照らし合わせて、共通点を勝手に自分で見つけて納得したのだと思います。
上から二段目の左のチラシ、鳥と一緒に描かれているピンクの物体は何だと思います?
私は何かわからなかったのですが、タイトルが「櫻」となっており、桜の花なんだとわかりました。
これが桜?と思いつつも、絶対に違うとは言い切れない説得力が熊谷守一の作品にはあります。
でも、桜の花を知らない人が見れば、この絵は意味をなさなくなるでしょう。
この画家の絵は、観る人の記憶の補完によって完成する作品なのかもしれません。

熊谷守一は 同じモチーフを何度も描いていましたが、その時の気持ちで同じモチーフでも違う絵になるというようなことを話していたそうです。
私は熊谷にとっての色は、形を強調させるためのものだったのではないかと思いましたが、もしかするとその時の気分を表現するのに一役かっていたのかもしれませんね。
とはいえ、自然を対象に写実に描いているので、例えば白椿を描いて青椿にするなんてことはないので、色は実物とそう大きく変わることはありません。
なので、猫の絵の輪郭線を赤にしたりしたみたいです。
90歳を超えてもいろいろ楽しそうに試している姿が想像できました

形の単純化は日本画の福田平八郎もしていましたが、日本画と洋画では受ける印象が全然違います。
そんなことをいうと、熊谷守一に「わたしはわたし、その時の気分に合わせて自分の好きなように描くだけ」といわれそうですね。

図録は2860円と、ちょっと高かったので断念。
欲しかったのですけどね。
代わり(?)に、白ネコのキーホルダーを購入。
台紙にも三毛ネコの絵が描いてあります。
もう片方は、王子動物園で買ったトラのストラップ。
阪神ファンなもんで

これほど一堂に熊谷作品を観たのは初めて。
楽しかったです

伊丹市立美術館
住所:伊丹市宮ノ前2-5-20 TEL:072-772-7447
開館時間:10時~18時(入館は17時半まで)、休館日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始、展示替期間

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