大阪 国立国際美術館「ヤン・ヴォ―」&「越境する線描」展
国立国際美術館で開催されている展覧会2つを観てきました

1つは「「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」展('20.6.2~10.11まで。観覧料1200円)です。
ヤン・ヴォーは1975年ベトナムのバリア生まれの世界的に活躍するアーティストだそうで、今回はヤン・ヴォーの全貌を明らかにする、日本の美術館では初めての個展だそうです。
このアーティストのことを私は知らなくて、なんの予備知識もなく見に行ったのですが、この展覧会は予習が必要でした。
広い会場に40点の作品が展示されていますが、残念ながら私の感性にはひっかかるものがなくて、会場をまわっただけのような見方になってしまいました。
作品を見てわからなくても、キャプションがあれば理解がしやすいですし、それもなければ作品名だけでも理解の有力な手がかりの1つになります。
今回は、6ページもの作品リストがあったにもかかわらず、作品自体の傍に作品名の記載を見つけられず、作品と名前を一致させることができませんでした。
その結果、この作家がなぜ国際的に注目されているかわからない、もったいない見方になってしまいました。
今、ブログを書きながら振り返ってみると、作品リストには使われている素材が記載してあり、その特徴ある素材から作品の傍に作品名がなくても、リストから作品名がわかることに気付きました。
たとえば「もし明日ヒマラヤ山脈に登るなら」という作品は、ロレックスの腕時計、デュポンのライター、アメリカ軍のカレッジリングで構成されており、それなら確かにあったなぁと思いだしました。
あの作品はこういうタイトルだったのかと、今になってやっとわかりましたが、その時の私はただ単に素材だけを見てしまい、何の意味かもわからず、ほぼ素通り状態で終わです。
この展覧会は、まずは自分の感性で見て、それから作家の意図(この作家のタイトルや使用素材は雄弁)を通して再度見る。
更には、作家が生まれた1975年、彼が家族とともにベトナムから逃れた1979年前後のベトナムやアメリカの社会情勢を知って、多角的に見て欲しいとの願いを込めて、わざと作品名が見つけにくくしてあったのかも。
そのことは、もしかすると冒頭の主催者側の挨拶に書いてあったかもしれませんが、私は元々あまり挨拶文は読まないので見落としたのかもしれません。
この作家の作品には、彼の思想や経験、当時の社会情勢などが込められており、私にとっては言葉だけのベトナム戦争をもう少し身近に引き寄せられたかもしれない貴重な機会だったのに、もったいないことをしたなと思っています
見ただけで「美しい」や「楽しい」と思える作品ではないので、私みたいに感性だけでは興味を持ちにくい人もいるかもしれません。
そういう人は、リストと作品を首っ引きで見てまわることをオススメします。
それとベトナム戦争終戦前後についても少し知っておくと、より興味が深まるかもしれませんよ。
予習は大事だと思った展覧会でした。

もう1つは、コレクション展で「越境する線描」展('20.6.2~10.11まで)です。
作品は形と関わるため、まずは線を引くことから始まることから、線に注目しての展覧会です。
この展覧会も作品リストにしっかりとした解説が載っていて、見方が載っていました。
家で落ち着いて読むのにはちょうど良いので、こういった文章を載せてもらえるのはうれしいです。
ですが、会場では長文すぎて読めない、読まない。
結果、この展覧会も自分勝手に見てまわってしまいました。
こちらの展覧会はまだ知っている作家も多く、それに「線」を基調としているので、全くわからないということはなかったのですが、主催者側の意図通りの見方ではないので、多分面白さは半分も理解していないでしょう。
せっかく苦労して企画されただろうに、きちんと意図を理解せずに見たことは申し訳ないとも思いますが、趣旨や見方をその場ですぐに理解してもらえるような解説やキャプションにすることは大事だなと思いました。
とくに現代アートは、見方をわかりやすく伝えることで、面白さが増す可能性がありますものね。
この展覧会は、作品リストがHPに掲載されています。
先に解説を読んでから行くと、良いかもしれませんよ
観客としては予習の大切さ、美術館に対しては現代アートの見せ方、伝え方について考えさせられる2つの展覧会でした。
国立国際美術館
住所:大阪市北区中之島4-2-55 TEL:06-6447-4680
開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日休館、9月連休時は9/23休館)、展示替え休館あり

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1つは「「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」展('20.6.2~10.11まで。観覧料1200円)です。
ヤン・ヴォーは1975年ベトナムのバリア生まれの世界的に活躍するアーティストだそうで、今回はヤン・ヴォーの全貌を明らかにする、日本の美術館では初めての個展だそうです。
このアーティストのことを私は知らなくて、なんの予備知識もなく見に行ったのですが、この展覧会は予習が必要でした。
広い会場に40点の作品が展示されていますが、残念ながら私の感性にはひっかかるものがなくて、会場をまわっただけのような見方になってしまいました。
作品を見てわからなくても、キャプションがあれば理解がしやすいですし、それもなければ作品名だけでも理解の有力な手がかりの1つになります。
今回は、6ページもの作品リストがあったにもかかわらず、作品自体の傍に作品名の記載を見つけられず、作品と名前を一致させることができませんでした。
その結果、この作家がなぜ国際的に注目されているかわからない、もったいない見方になってしまいました。
今、ブログを書きながら振り返ってみると、作品リストには使われている素材が記載してあり、その特徴ある素材から作品の傍に作品名がなくても、リストから作品名がわかることに気付きました。
たとえば「もし明日ヒマラヤ山脈に登るなら」という作品は、ロレックスの腕時計、デュポンのライター、アメリカ軍のカレッジリングで構成されており、それなら確かにあったなぁと思いだしました。
あの作品はこういうタイトルだったのかと、今になってやっとわかりましたが、その時の私はただ単に素材だけを見てしまい、何の意味かもわからず、ほぼ素通り状態で終わです。
この展覧会は、まずは自分の感性で見て、それから作家の意図(この作家のタイトルや使用素材は雄弁)を通して再度見る。
更には、作家が生まれた1975年、彼が家族とともにベトナムから逃れた1979年前後のベトナムやアメリカの社会情勢を知って、多角的に見て欲しいとの願いを込めて、わざと作品名が見つけにくくしてあったのかも。
そのことは、もしかすると冒頭の主催者側の挨拶に書いてあったかもしれませんが、私は元々あまり挨拶文は読まないので見落としたのかもしれません。
この作家の作品には、彼の思想や経験、当時の社会情勢などが込められており、私にとっては言葉だけのベトナム戦争をもう少し身近に引き寄せられたかもしれない貴重な機会だったのに、もったいないことをしたなと思っています

見ただけで「美しい」や「楽しい」と思える作品ではないので、私みたいに感性だけでは興味を持ちにくい人もいるかもしれません。
そういう人は、リストと作品を首っ引きで見てまわることをオススメします。
それとベトナム戦争終戦前後についても少し知っておくと、より興味が深まるかもしれませんよ。
予習は大事だと思った展覧会でした。

もう1つは、コレクション展で「越境する線描」展('20.6.2~10.11まで)です。
作品は形と関わるため、まずは線を引くことから始まることから、線に注目しての展覧会です。
この展覧会も作品リストにしっかりとした解説が載っていて、見方が載っていました。
家で落ち着いて読むのにはちょうど良いので、こういった文章を載せてもらえるのはうれしいです。
ですが、会場では長文すぎて読めない、読まない。
結果、この展覧会も自分勝手に見てまわってしまいました。
こちらの展覧会はまだ知っている作家も多く、それに「線」を基調としているので、全くわからないということはなかったのですが、主催者側の意図通りの見方ではないので、多分面白さは半分も理解していないでしょう。
せっかく苦労して企画されただろうに、きちんと意図を理解せずに見たことは申し訳ないとも思いますが、趣旨や見方をその場ですぐに理解してもらえるような解説やキャプションにすることは大事だなと思いました。
とくに現代アートは、見方をわかりやすく伝えることで、面白さが増す可能性がありますものね。
この展覧会は、作品リストがHPに掲載されています。
先に解説を読んでから行くと、良いかもしれませんよ

観客としては予習の大切さ、美術館に対しては現代アートの見せ方、伝え方について考えさせられる2つの展覧会でした。
国立国際美術館
住所:大阪市北区中之島4-2-55 TEL:06-6447-4680
開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日休館、9月連休時は9/23休館)、展示替え休館あり

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