京都国立近代美術館① 「チェコ・デザイン100年の旅」展

先日、京都の美術館の展覧会をいくつか観てきました


今回は京都国立近代美術館の展覧会の感想です。
こちらでは、3つの展覧会が開催されています。
まず最初は「チェコ・デザイン100年の旅」展('20.5.26~7.5まで。観覧料1400円)です。
この展覧会は、20世紀のチェコのデザインの変遷を約250点の作品で紹介しています。
チェコといえばミュシャは外せません。
先にいくつか展示品がありましたが、ほぼミュシャの作品展示から始まっていると言ってもよいでしょう。
ミュシャの作品は、20世紀少し以前の作になりますが「ジスモンダ」、「芸術」の4部作が展示されていました。
明るく華やかです。
ですが、ミュシャ以降を続いて見ていくと、全体的にどのデザインも機能的でものすごくシンプル。
いえ、シンプルすぎるぐらいです。
後半になると、シンプルながらも少し色味が鮮やかな作品もでてくるのですけどね。

そこで、20世紀前後のチェコの歴史をみると、第1次世界大戦後チェコスロバキア共和国になり、その後ナチス・ドイツによりチェコスロバキアは解体され、ナチス・ドイツの占領下に入ります。
1945年ナチス・ドイツ敗走の結果、ソ連軍により国土の大半を解放され、チェコスロバキア共和国は復活。
ですが、ソ連からの影響もあり共産化の道を進み、1989年にやっと共産党体制が崩壊し、1993年には平和的にチェコとスロバキアが分離し、チェコ共和国となって現在に至っています。
ということで、チェコの20世紀はほぼ戦争や政変で国内は抑圧状態であったと思われ、このような状況では自由にデザインすることも難しく、シンプルで機能的な作品が多いことに納得した次第です。

それでも左のチラシの左上にある「クリスタル型小物入れ」は、似たようなデザインのバッグが、ブランドは違いますが今でも見かけますし、さすがガラス製品はシンプルながら形が美しいものが多かったです。
それと革の装丁本がものすごくきれいでした

ポスター、日常品、玩具、家具、装飾品、アニメのセル画などいろんな作品から、20世紀のチェコの生活の一端が感じられるような展覧会でした

明日は、京都近美の残りの展覧会を紹介する予定です。
京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
開館時間:9時30分~17時(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は、翌日が休館)、年末・年始、展示替え期間

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