幸あれ
大阪の城東区にあるpoohという私のお気に入りのケーキ屋さんが、20年の営業を終えて閉店されました。
2~3人入るといっぱいになるぐらいの小さなお店だったのですが、フランスで修業された女性のパティシエが1人でこだわりを持ちながらお菓子を作ってられました。
私が初めてそのお店に行ったのは15年ほど前でしょうか。
たまたま通りがかり「こんなところにケーキ屋さんがある」と思い、入ったのが最初です。
お店の中には生クリームのケーキは全然なくて、焼き菓子系のお菓子がメインでした。
その中で購入したのが、タルト・タタンです。
家に帰って食べると、ガツンと衝撃を受けました。
残念ながら写真はないのですが、これ以上甘さを控えると苦くなるぐらい、甘味を感じるギリギリの味で、それがすばらしく美味しかったのです。
クリームも生クリームではなく、酸味のあるサワークリームで、それがまたよく合う!
今までこんなタルト・タタンは食べたことがありませんでした。

そして、もう1個購入したのが、ガトーショコラです(写真手前。奥はリュバーブと苺のマスカルポーネタルト)。
このガトーショコラも、ものすごく濃厚でしっとりと滑らかな口当たりで、重く感じさせないギリギリの閾値という状態に仕上がっています。
今ではシュガーパウダーがかかってますが、当時はかかってなかったと記憶しており、甘さも控えめでこれほどビターなチョコケーキを食べたのも初めてだったと思います。
この2つを最初に食べて即ファンになり、しばらく通いました。
毎日日替わりで数種類のお菓子を作られていて、どれもエッジがきいていて、子どもの味覚では捉えきれないまさしく大人の味で、友人たちにも子どもに内緒で自分へのご褒美として食べてみてと勧めまくっていたぐらいです(笑)。
その若いパティシェさんは、夏は長期休みを取られるのですが、春などは季節の果物を取り入れて作られていました。
私はやっぱり濃厚なチョコケーキやほっくりタルトが美味しい秋から冬のお菓子が好きで、春や秋のはじめはちょっとご無沙汰気味になっていきました。
そうして1年1年を重ねていくと、少しずつパティシエさんの状況も変わっていったのでしょうね。
ほんの少しずつですが、お菓子に甘さも加わっていき味も円くなり、子どもでも美味しく食べられるお菓子が増えていったように思います。
もちろんそれも十分美味しいのですけどね。
私としては、あの尖がり方は希少だと思っていたので、ちょっぴり寂しさも感じましたけどね。

こちらの写真は、エコセーズ(手前)とグレープフルーツと洋梨とピスタチオのタルト(奥)です。
ピスタチオのタルトは夫と分けましたので、半分に切ってます。
このパティシェさんは、フルーツのコンポートやジャムなども手作りされるので、美味しいんですよね~。
果物そのものの美味しさが活かされています。
辞められる半年前に、今、自分の作るお菓子にはこちらの方が合うのではないかと小麦粉の銘柄を変えられたそうです。
本当にお菓子と真摯に向き合っていらっしゃる芯のあるパティシェさんで、心底辞められるのが惜しいと思い、閉店の前には何度も買いに行きました。
私は、もうこのケーキが食べれないと、今でもイジイジしているのに、その方はすっぱり辞められるみたいで、晴れ晴れとした表情でお菓子の道具さえも全てガレージセールで売りつくし、予定よりも早く終えられました。
やり遂げた感があったのかもしれませんね。
他にも最近、私が月1回程度買いに行っていた花屋さんのS生花店も55年間の営業を終えて閉店されました。
全然私的な話はしていませんでしたので、買いに行って閉店の貼り紙を見て愕然。
これからどこでお花を買おうかと悩んでしまいます。
そこのお花は持ちが良かったのです。
しっかりお仕事をされていた証拠だと思います。
私が一時期そのお店の抹茶クリームパンにハマったBパン屋さんも閉店していました。
場所がちょっと辺鄙でしたが、パンはすごく美味しいのにリーズナブルな上、いろいろオマケをつけてくれたりする明るい人柄の気前の良いなお店だったのに残念です。
このように、ご贔屓のお店が軒並み閉店し、気持ちが落ち込んでしまいました。
どのお店も閉店理由はわからず新型コロナのこともあり心配ですし、残されるこちらとしては寂しい限りですが、今「みをつくし料理帖」という小説を読んでいて、辞められた方は前向きな気持ちで一歩を踏み出されたのかもしれないなと思い始めました。

いずれのお店の方もまだまだお若かったですし、自分の仕事に真面目に取り組む方々ばかりでしたので、新しい道でもきっとしっかり歩んで行かれると思います。
これからの第2の人生に幸多かれと願っています。

にほんブログ村
2~3人入るといっぱいになるぐらいの小さなお店だったのですが、フランスで修業された女性のパティシエが1人でこだわりを持ちながらお菓子を作ってられました。
私が初めてそのお店に行ったのは15年ほど前でしょうか。
たまたま通りがかり「こんなところにケーキ屋さんがある」と思い、入ったのが最初です。
お店の中には生クリームのケーキは全然なくて、焼き菓子系のお菓子がメインでした。
その中で購入したのが、タルト・タタンです。
家に帰って食べると、ガツンと衝撃を受けました。
残念ながら写真はないのですが、これ以上甘さを控えると苦くなるぐらい、甘味を感じるギリギリの味で、それがすばらしく美味しかったのです。
クリームも生クリームではなく、酸味のあるサワークリームで、それがまたよく合う!
今までこんなタルト・タタンは食べたことがありませんでした。

そして、もう1個購入したのが、ガトーショコラです(写真手前。奥はリュバーブと苺のマスカルポーネタルト)。
このガトーショコラも、ものすごく濃厚でしっとりと滑らかな口当たりで、重く感じさせないギリギリの閾値という状態に仕上がっています。
今ではシュガーパウダーがかかってますが、当時はかかってなかったと記憶しており、甘さも控えめでこれほどビターなチョコケーキを食べたのも初めてだったと思います。
この2つを最初に食べて即ファンになり、しばらく通いました。
毎日日替わりで数種類のお菓子を作られていて、どれもエッジがきいていて、子どもの味覚では捉えきれないまさしく大人の味で、友人たちにも子どもに内緒で自分へのご褒美として食べてみてと勧めまくっていたぐらいです(笑)。
その若いパティシェさんは、夏は長期休みを取られるのですが、春などは季節の果物を取り入れて作られていました。
私はやっぱり濃厚なチョコケーキやほっくりタルトが美味しい秋から冬のお菓子が好きで、春や秋のはじめはちょっとご無沙汰気味になっていきました。
そうして1年1年を重ねていくと、少しずつパティシエさんの状況も変わっていったのでしょうね。
ほんの少しずつですが、お菓子に甘さも加わっていき味も円くなり、子どもでも美味しく食べられるお菓子が増えていったように思います。
もちろんそれも十分美味しいのですけどね。
私としては、あの尖がり方は希少だと思っていたので、ちょっぴり寂しさも感じましたけどね。

こちらの写真は、エコセーズ(手前)とグレープフルーツと洋梨とピスタチオのタルト(奥)です。
ピスタチオのタルトは夫と分けましたので、半分に切ってます。
このパティシェさんは、フルーツのコンポートやジャムなども手作りされるので、美味しいんですよね~。
果物そのものの美味しさが活かされています。
辞められる半年前に、今、自分の作るお菓子にはこちらの方が合うのではないかと小麦粉の銘柄を変えられたそうです。
本当にお菓子と真摯に向き合っていらっしゃる芯のあるパティシェさんで、心底辞められるのが惜しいと思い、閉店の前には何度も買いに行きました。
私は、もうこのケーキが食べれないと、今でもイジイジしているのに、その方はすっぱり辞められるみたいで、晴れ晴れとした表情でお菓子の道具さえも全てガレージセールで売りつくし、予定よりも早く終えられました。
やり遂げた感があったのかもしれませんね。
他にも最近、私が月1回程度買いに行っていた花屋さんのS生花店も55年間の営業を終えて閉店されました。
全然私的な話はしていませんでしたので、買いに行って閉店の貼り紙を見て愕然。
これからどこでお花を買おうかと悩んでしまいます。
そこのお花は持ちが良かったのです。
しっかりお仕事をされていた証拠だと思います。
私が一時期そのお店の抹茶クリームパンにハマったBパン屋さんも閉店していました。
場所がちょっと辺鄙でしたが、パンはすごく美味しいのにリーズナブルな上、いろいろオマケをつけてくれたりする明るい人柄の気前の良いなお店だったのに残念です。
このように、ご贔屓のお店が軒並み閉店し、気持ちが落ち込んでしまいました。
どのお店も閉店理由はわからず新型コロナのこともあり心配ですし、残されるこちらとしては寂しい限りですが、今「みをつくし料理帖」という小説を読んでいて、辞められた方は前向きな気持ちで一歩を踏み出されたのかもしれないなと思い始めました。

いずれのお店の方もまだまだお若かったですし、自分の仕事に真面目に取り組む方々ばかりでしたので、新しい道でもきっとしっかり歩んで行かれると思います。
これからの第2の人生に幸多かれと願っています。

にほんブログ村
スポンサーサイト