京都 堂本印象美術館「驚異のクリエイションパワー」展

堂本印象美術館では「驚異のクリエイションパワー」展('19.11.30~3.29まで。入場料510円)が開催されていました。
堂本印象(1891-1975)は大正から昭和にかけて活躍した日本画家です。
初めは端正で温かな具象画を描いていたのですが、キュビズムを経て、昭和30(1955)年頃から抽象画を描き始めます。
今回の展覧会では、第1回帝展に入選した「深草」から昭和38(1963)年に描かれた高知県五台山竹林寺の襖絵までの作品が紹介されていました。

印象は美しい花鳥画や風景画、人物画をたくさん描いているのですが、今回の展示では戦後のキュビズムから抽象画が多かったです。
その中でも、やはり竹林寺の襖絵はすごい迫力でした。
抽象画なので「風神」だ「雷神」だとか、「太平洋」や「瀬戸内海」というタイトルを見ても全くわかりませんが、何か押し迫ってくるような勢いは感じました。
少し激しすぎて、私はチラシ上部の「瀬戸内海」ぐらいが見やすかったです。

まだお寺の襖絵に抽象画は珍しい時代です。
あまりにも前衛的すぎて、当初はお寺側もびっくりされたのではないかと思います。
昔、竹林寺に行ったことがあるのですが、この襖絵を見た覚えがありません。
お寺の中で、これらの襖絵がどのような存在感を示すのか見てみたいと思いました。
今回は「BEST OF 印象」の人気投票をしていました。
私の1票は具象画の「猫」に投票です。
子猫のフワフワの柔らかそうな毛並みに比して、こちらに向ける視線の鋭さは、この子猫の野生の気位の高さを感じさせます。
「春」という作品の、少女の膝の上で気持ち良さそうに寝ている白い子猫も好きなんですけどね。
この投票の集計の結果は、来年の生誕130周年の展覧会に活かすとのことなので楽しみです。
今回の展覧会では、印象のチャレンジ精神が実感できました。
面白かったです。
堂本印象美術館
住所:京都市北区平野上柳町26-3 TEL:075-463-0007
開館時間:9時半~17時(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜日に休館)、展示替え期間、年末年始(12/28~1/4)

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