大阪 東洋陶磁美術館「竹工芸名品展」展

関西の多くの美術館が2月下旬から臨時休館されて、今のところGW開けぐらいまでそのまま休館されそうな状況です。
今回紹介する展覧会は、会期が4/12までの予定でしたが、再開することなくそのまま2/28で閉幕となってしまいました。
この展覧会は良かったので、再開すればもう一度観に行きたいなと思っていたのですけどね。
記憶が薄れていますが、少しだけ記事に残しておきたいと思います。

こちらの美術館では「竹工芸名品展 ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」展('19.12.21~20.4.12まで。入館料1200円)が開催されていました。
ニューヨーク在住のダイアン&アーサー・アビー夫妻が収集した竹工芸作品のコレクションが、メトロポリタン美術館に寄贈されることが決定し、それを記念して作品を紹介する展覧会が、メトロポリタン美術館で2017年6月から2018年2月まで開催されていたそうです。
その「日本の竹工芸アビーコレクション展」を再構成し、近現代の竹工芸作品75点に東洋陶磁美術館所蔵の陶磁器コレクションを加えて紹介したのが今回の展覧会です。


美術館の中に入るとすぐに、四代田辺竹雲斎さんの巨大な竹のインスタレーション「GATE」が出迎えてくれます。
あまりに大きすぎて全体像の写真が撮れません。
吹き抜けロビーの2階まで、まるで大きな木のように這い上がっていました。

2階に上がっても通路をトンネルのように覆っています。
迫力がありながらも光を透かし、大胆さと軽やかさが合わさった伸びやかな自由さが感じられました。

この作品は、竹ひごを組み合わせて作られています。
すごいですね~。
この「GATE」をくぐって展示室に入ると、今度は優美で繊細な竹工芸作品が端正に並んでいます。
竹を大小さまざまな直線の竹ひごに加工し、それを編んで曲線の工芸品に仕上げていく。
その出来栄えの美しさにうっとりしました。
2013年に東大阪市民美術センターで「竹工芸の魅力展」(その時の記事はこちら)という展覧会が開催され、その時に早川尚古斎、田辺竹雲斎、飯塚琅玕斎、生野祥雲斎など有名な竹工芸作家さんの名前を知ったのですが、今回もその作家さんたちの作品が多数展示されていました。
田辺竹雲斎さんのところは、初代から四代までの作品が揃っていましたよ。
2013年の展覧会で私が気に入った植松竹邑さんは、以前観た作品とは違いますが、ちゃんとアビー夫妻のコレクションに入っており、今回展示されていました。
「涼風立つ」という作品で、形がすごく斬新でした。

早川尚古斎さんや田辺竹雲斎さんなどの初代の方の作品は、花籃や盛籃など工芸品でありながら実用品でもありましたが、今の作家さんの作品は観賞用のオブジェも多いみたいです。
工芸品というよりは美術品になってきており、初代早川尚古斎が目指していたことが実現したといえるでしょう。
私はきめ細かく編み込んだ、使える籃なども好きですけどね。
でも、もし持っていれば、美しすぎて実際に使うのはもったいないと思うかもしれませんが。
みっしり編み込まれた作品や、透かしが美しい作品、竹本来の形を活かした作品、竹とは思えない作品、竹細工の帽子や瓢箪など本当にいろいろあり、どれも素敵で、今回も楽しめました。
いつまでかは見れるかわかりませんが、3Dのデジタルコンテンツで展示室が見れるようなので、興味のある方は見てみてくださいね。
(展示室の3Dデジタルコンテンツが載っているページ→こちら)

この展覧会と同時開催されていたのが「受贈記念 木村盛康・天目のきらめき」展です。
木村盛康さんは、独自の色調・釉調の天目を創作している天目作家で、今回は京都の個人から作品25点の寄贈を受けたことから開催された展覧会です。
作家の木村さんは、東洋陶磁美術館の「油滴天目茶碗」を見て天目の陶芸家を目指されたそうです。

写真撮影はOKでしたが、ブログに掲載して良いかわかりませんので、1枚だけ載せておきます。
こちらは「天目宙茶盌(てんもくそらちゃわん)」です。
いろんな色が入りきれいでした。
私は天目茶碗のことを特徴も含めてよく知らないので、その良し悪しについては語れませんが、作品はどれも美しかったです。
良い目の保養になりました。
こちらの美術館の次の展覧会予定は「天目―中国黒釉の美」展だそうです。
また見れるのではないかと思います。
大阪市立東洋陶磁美術館 (2020年4.18現在臨時休館中。開館情報はHPで確認要)
住所:大阪市北区中之島1-1-26 TEL:06-6223-0055
開館時間:9時半~17時まで(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜、年末年始

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