奈良 東大寺 お水取り(籠松明)

奈良の東大寺では、天平時代から一度も中断したことのない宗教行事の修二会(しゅにえ)が毎年行われます。
この行事は通称「お水取り」「お松明」と呼ばれ、お水取りが終わると春が来るとされ、関西では超有名な行事なのですが、毎年すごい人ということもあり、関西に住みながらまだ一度も参拝したことがありませんでした。
今年は奈良国立博物館で「お水取り」展を見学したことと、新型コロナの影響で例年よりは人出も少ないだろうと踏んで、いそいそと出かけてきました。
行った日は籠松明の3月12日です。

池の辺りから大仏殿をゆっくり見たことはないかも。
きれいでした。
せっかくなので、修二会のことをもう少し書いておきます。
修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言い、日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の御本尊である十一面観世音菩薩(大観音・小観音。絶対秘仏)さまの前で懺悔し、その功徳により天下泰安・万民豊楽などを祈る法要だそうです。
今まさに必要な法要ですね。

「奈良太郎」と呼ばれる、日本三大名鐘の1つである大鐘の鐘楼の横を通って先に進みます。

二月堂と三月堂(法華堂)の間の辺りに着いたのは、17時半前ぐらいだったでしょうか。
初めて行ったので、いつもはどうかはわかりませんが、比較的すんなりと行けました。
ですが、広場には既に人がいっぱい。
どこが観覧に良い場所かわかりませんが、とりあえず二月堂の舞台が見える位置に行って、お松明が始まる19時半まで待ちました。
二月堂の前の大きな木は「良弁杉」と呼ばれている杉で、立派です。
謂れは、東大寺の初代別当の良弁(ろうべん)が赤ちゃんの頃ワシにさらわれ、この杉に引っかかっているのを後に師となる義淵に助けられ、僧侶として育てられたことからだそうです。
良弁の生まれは、相模とも近江とも若狭ともいわれていますが、そんな遠いところから無事助けられたのですから、仏さまのご加護があるとされ、僧になられたのも納得です。
ちなみに、この良弁杉は3代目だそうです。

修二会の本行は、3/1~3/14(15日満行)までで、その間、お松明は毎日あがるのですが、12日だけは籠松明という他の日より大きなお松明が11本(他の日は10本)、時間も約45分(他の日は約20分、14日のみ約10分で10本)かけてあがります。

時間になると、全ての灯りが消え、真っ暗になります。
左の回廊を通って、舞台の左から右に向けてお松明をもって走られます。
ちょっとうまく写真は撮れませんでしたが、まるで大きな火の玉が通っているように見えました。
迫力があります。

右の端に行くと、お松明の先が外に大きく出されます。

そして、回転です。
大きな火の花が咲き、火の花びらが舞っているようでした。
美しくて、感動してしまいました。
5本のお松明が終わったところで灯りが点いて、広場にいる人たちは帰路につかされ、広場に入りきれなかった人と交代です。
私たちの観覧も終わりです。
星がすごくきれいな夜空を見ながら、なんか満たされた気持ちになりました。
良かったなぁ。
また観に行きたいです。
東大寺

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